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常用漢字

常用漢字は、「一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として、内閣告示「常用漢字表」に掲げられた漢字です。現在、平成22年内閣告示「常用漢字表」において、2,136の漢字、2,352の字音及び2,036の字訓が採用されています。

学習指導要領では、常用漢字として採用された2,136字を義務教育の国語で学習することになっています。このうち1,026字が、小学校学習指導要領の「学年別漢字配当表」に掲げられており、「教育漢字」と通称されています。

常用漢字は義務教育で必ず習うものなので、新聞や放送などのマスメディアにおいて、漢字で表記するかどうかの判断基準となっています。「常用漢字表」に掲載されていない場合は、読みがなやルビを付すか、熟語の一部をかな書きするのが一般的です。

しかし、漢字仮名交じり文が事実上の標準的な表記体系として確立している日本語の文章では、熟語の一部をかなで代用すると形態素の識別に支障を来すことがあるので、読みがなやルビで対応するのが望ましいでしょう。

常用漢字は、一つの目安ではありますが、将来的に漢字を廃止することを企図して定められた当用漢字が基になっているので、同音の漢字による書きかえや慣用読みなど、漢字本来の字義や音韻体系に照らすと不合理な面があるのも事実です。特に、学術論文など正確を期することが求められる文書では、常用漢字に拘泥することなく、都度言葉の意味を自分で吟味して、適切な表記を選ぶようにしましょう。

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