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言葉の覚え書き

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#同訓異字

『言葉の覚え書き』目次

【第1部 表記】組版右横書き 文体口語体と文語体 常体と敬体 能動と受動 文のねじれ 「べき止め」 「さ入れ表現」 可能の表現 助動詞「れる」「られる」 可能動詞 「ら抜き言葉」 用言の活用と音挿入 改行・段落改行と段落 文字種日本語の文字体系 全角と半角の使い分け アルファベット、アブギダ、アブジャド ギリシャ文字 Unicodeについて ヘボン式ローマ字 漢字常用漢字 同音の漢字による書きかえ 字体・字形 仮名現代仮名遣い 「じ」「ず」と「ぢ」「づ」 漢語に続

「崖っ淵」?

「ふち」は「ふち」でも、「淵」は水がよどんで深くなったところを表します。例えば「深淵」など。 「崖っぷち」の「ふち」は「縁」。「縁」は、「周縁」などにあるとおり、物の端の部分、周りの部分を指します。

「冒す」と「犯す」と「侵す」

「冒す」は、危険なことを敢えて行うこと。また、体や物を損なうこと。 「犯す」は、規則や道徳に背く行いをすること。 「侵す」は、他者の権利を損なうことです。

「振るい落とす」?

揺さぶって付いているものを落とす意ならそれでも構いませんが、基準に合わないものを選り分ける意味であれば「篩い落とす」が適切です。 「篩」は、粒の大小を分離するための網目状の道具のことです。

「叶う」と「適う」と「敵う」

「叶う」は、願望が実現すること。 「適う」は、当てはまる、適合する。 「敵う」は、対抗できるという意味です。

「沸く」と「湧く」

「沸く」は、水を熱してお湯にすることなので、昂奮する、熱気を帯びるという意味に用います。 「湧く」は、地中から水が出てくることなので、なかったものが発生する意に用います。

「『慎んで』お詫び申し上げます」?

「慎む」は、行動を控えめにする、度が過ぎないようにする、の意味で使います。 相手を敬う、かしこまるという意味の時は「謹む」です。

「踊る」と「躍る」

「踊る」は、音楽に合わせて体を動かす、また操られて行動する、の意。 「躍る」は、勢いよく跳ね上がる、という意味です。

「子を成す」?

産むという意味の「なす」は「生す」。 「生さぬ仲」は、義理の親子の間柄、血縁関係のない親子関係という意味です。

「足」と「脚」

同じ「あし」でも、「足」はくるぶしから下の部分、「脚」はひざからくるぶしまでの部分を指します。

「腋」と「脇」

「腋」は専ら、体温計を挟む腕の付け根の下を指す語です。 「脇」は、「腋」と同じく身体の一部を表す語義の他、「脇道」のように、物のそば、へりといった意味も併せ持っています。

「人慣れ」?

動物などが人になつくという意味の場合は、「人馴れ」と書きます。「馴れ馴れしい」の「馴れ」です。「人狎れ」と書くこともあります。

「都道府県を『超』えた移動」?

跨(また)ぐ意味での「こえる」は「越える」です。 それから、ここでは県域を飛び越えることではなく、よその県に移動するという意味なので、「県境を跨ぐ」の方が適切です。

「影」と「陰」

「影」は、画像のように、物体が光を遮った先にできる暗い部分のこと。 障子に影が映る 「陰」は、日光が当たらない空間、また、隠れて見えないところのことです。 木陰で休む 陰で悪口を言う