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マガジン『言葉の覚え書き』では、よくある漢字の間違いや、紛らわしい言葉遣い、引用の仕方、さらには記号の使い方から文献の記載方法まで、文章に関するノウハウを毎日お届けしています。 マガジンでは、皆さんからの言葉に関するご質問を募集しています。「『追求』と『追究』、どっちが正しいの?」、「『役不足』ってどういう意味?」、「脚註にあるこの『Ibid.』って何?」、「『レオナルド゠ダ゠ビンチ』? 『レオナルド・ダ・ビンチ』?」、……などなど。用語や文章のマークアップについて、日常ふ
これを自由という意味のfreeと思っている人がいるようですが、正解はflea。蚤(のみ)という意味です。 したがって、フリーマーケットはflea market。蚤の市とも言います。 ちなみに、英語で「free market」と言うと、経済学の「自由市場」という意味になります。
こういう言葉はありません。「ケンケンガクガク」と同様、下記の別個の表現を混同した誤用です。 とおりいっぺん【通り一遍】(名・形動) (1) 通りがかりに立ち寄っただけで、なじみでないこと。「―の客」 (2) 形式的でおざなりである・こと(さま)。「―の説明で済ます」「―の挨拶(あいさつ)しかしない」 いっぺんとう【一辺倒】 〔第二次大戦後、毛沢東の論文から入った語だが、「近思録・為学」に既に載っている〕 一方だけにかたよること。「親米―」 (『大辞林』第三版)
数字に関する記述には、いくつか注意すべき点があります。 横書きの文章で数を表すものには、算用数字を用います。 800円 2.5キロメートル 3分の1 第1回 千以上の数字には、3桁毎のコンマを使うことがあります。 25,000円 縦書きの文章では全て漢数字を使うことになりますが、横書きに倣って、十進表記の位取り記数法を用いた方がわかりやすいでしょう。その場合、小数点は中点に、3桁毎のコンマは読点に置き換えます。 八〇〇円 二・五キロメートル 二五、〇〇〇円 日本
全角と半角との使い分けについてまとめました。 全て全角文字 平仮名、片仮名、漢字 約物 句点「。」、読点「、」、鉤括弧「「」」、二重鉤括弧「『』」、リーダー「…」、中点「・」、二重ハイフン「゠」、感嘆符「!」、疑問符「?」、ダッシュ「―」 全て半角ラテン文字(アルファベット)、算用数字 使い分けるもの丸括弧「()」は、状況に応じて使い分けます。 基本は全角(U+FF08、U+FF09)です。 丸括弧の中が半角文字だけで構成されている場合は、丸括弧も半角(U+0
句点はご存じの通り、文の終わりに付けられるものですが、括弧類を伴う場合には注意が必要です。 前にも説明しましたが、鉤括弧の中の文末には句点を付けません。 同様に、丸括弧の中の文末にも句点は付けません。なお、一文中にある丸括弧の註記が末尾に来るときには、文全体の句点を終わり括弧の外側に打つのを忘れないようにしましょう。 午前0時以降の外出を禁ずる(但し、事前に届け出た場合を除く)。
読点(とうてん)「、」の使い方は意外に正しく認識されていないようです。よく「読点の打ち方に絶対的な規則はない」だとか、「音読で息継ぎをする箇所に打つ」だとかいう言説がまことしやかに広まっていますが、決してそんなことはありません。他の約物と同様、読点にも文章の論理を明確にする役割があることを押さえておきましょう。 簡単にいうと、読点の役割は関係の深い語句同士をまとめ、関係の浅い語句を切り離すことにあります。 主述部分を明確にする読点の使い方を理解するには、文の構造を把握する
丸括弧「()」(Unicode:U+FF08、U+FF09)は、主に文中で補足や註釈を挿入するときに用いられます。倍角ダッシュによる註記が文章の流れを一時中断するに対して、丸括弧による註記は読み飛ばすことのできる副次的な内容であることを示します。 また、ルビが使えない環境で、語句の読みを示すのにも用いられます。 災害時には、通信回線の輻輳(ふくそう)が発生しやすくなる。
鉤括弧「「」」(Unicode:U+300C、U+300D)と二重鉤括弧「『』」(U+300E、U+300F)の主な用法をまとめました。 会話文、発言発言部分の前後を鉤括弧「「」」で囲みます。文末に句点「。」は付けません。 鉤括弧の中に更に鉤括弧が登場するような箇所では、二重鉤括弧「『』」を用います。 引用引用する文章を鉤括弧で囲みます。会話文と同じく、原文に句点があっても、引用部の末尾に句点は付けません。 引用する文章に既に鉤括弧が使われている箇所は、二重鉤括弧に置
ダッシュ「—」(Unicode:U+2014)には、倍角で使用する場合と、一字分使用する場合とがあります。 倍角で使用する場合ウェブ上では倍角にできないので、代わりとして横細線素片「─」(U+2500)2文字分を使うと、大抵のフォントで繫がった線を書くことができます。 文中の補足 会議では、誰からも──納得はしていなかっただろうが──反対意見は出なかった。 引用元を示す 「来た、見た、勝った」──ユリウス・カエサル 書名の副題 萱野稔人『死刑──その哲学的考察』
日本語には疑問の終助詞「か」がありますので、地の文で使う場面はあまりないでしょう。 使う場合は、感嘆符「!」と同様、直後に一字分空白を置きます。 「いったいどうなさったのです? そんなに血相を変えて」
感嘆文や命令文の末尾に使用するのはご存じだと思いますが、直後に必ず一字分空白を置くのを忘れないようにしましょう。 「神よ! どうして私をお見捨てになったのですか」
二重ハイフン「゠」(Unicode:U+30A0)は、「Windows」キーボードで「Shift」を押しながら「ほ」を打つと出てくる等号「=」(全角・U+FF1D)、「=」(半角・U+003D)とは違いますから、注意してください。 外来語表記の際、欧文の原語でハイフン「‐」(U+2010)に相当する部分に用います。空白に相当する部分には中点「・」(U+30FB)を用います。 Jean‐Claude Juncker ジャン゠クロード・ユンケル Philippe Bunau‐
中点「・」(Unicode:U+30FB)の主な用法は次の通りです。 名詞を並列し、且つ全体で一つの概念を表す引用・参考文献 上の例では、「引用」「参考」が中点「・」で等位に結びついており、なお且つ両方が「文献」にかかっています。 中点は読点「、」よりも結びつきの度合いが強いため、用いるのは全体を包括する概念(上の例でいえば「文献」)がある場合に限られます。単に並列するだけの場合には読点を用います。 国連安保理の常任理事国は、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国