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『随想録』から

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時評ブログ『随想録』https://ja.takeotamashiro.com では、政治、社会、時事、哲学を中心に記事を配信しています。
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2023年7月の記事一覧

『ポリアーキー』から読み解く民主化の要件

韓国では、どういうわけか歴代の大統領が非業の末路を辿るという。今のところ前任の文在寅は健在だが、同国では党派の対立が未だ尖鋭的なものであることだけは確かである。 ロバート・ダールは、民主化が進展するにはまず反対勢力に対する相互安全保障が確立されている必要があると論じた。というのも、利害関係者の数が増えれば増えるほど、それだけ衝突の危険性も増すからである。その際に、党派間で寛容のコンセンサスがどれだけ共有されているかで、抑圧の蓋然性が左右される。このコンセンサスの醸成は一朝一

言論で対抗できぬ言論人

「Twitter」の新機能「コミュニティノート」。これは、疑義のある投稿に閲覧者が付けられる註釈のことである。 ところが、この註釈を付けられた者たちからの評判は芳しくない。いわく「ニセ情報か言葉遣いの丁寧なクソリプ」「ただの匿名ネトウヨコメントが公的な装いで表示」等々。その肩書きが新聞記者や作家だというのだから、その正味の能力水準を疑わざるを得ない。 記事はこちら

婚姻は愛する人たちのための制度?

所謂「同性婚」を推進する者たちは、しばしば「なぜ愛し合っているのに結婚できないのか」と異議を申し立てる。だが、これは法の原理に真っ向から反する主張である。記事では、法制度における婚姻制度の役割を、国家の起源に照らして考える。 記事はこちら

「同性婚」という語義矛盾

「同性婚」を認めない法規定の違憲性を問う集団訴訟は、現在全国で6件提起されている。「違憲」の言葉ばかりが独り歩きしているが、今のところ各地裁判決は、現行の婚姻制度をそのまま同性関係に適用することは困難であるとの見方でおおむね一致している。 なぜなら、婚姻制度は異性間の接触及び出産がもたらす身分上及び財産上の関係性を包括的に保護し、権利を整理して公示することを目的としているからである。 記事はこちらから

アファーマティブ・アクションの裏に残る白人富裕層へのえこひいき

先月末、アメリカの連邦最高裁判所は、大学入試におけるアファーマティブ・アクションについて違憲判断を示した。 大統領ジョー・バイデンは「正常な裁判所ではない」と批判し、「米国の大学は人種的に多様な方がより強い」と述べてアファーマティブ・アクションを擁護した。 だが、アメリカの名門大学では、多様性を強調する裏で、裏口入学さながらの白人富裕層に対する優遇措置が温存されてきたことは、あまり知られていないようである。以下の記事では、門地を問わないメリトクラシー(能力主義)に取って代

婚姻とは、登記と同じく、権利を保護し広く社会に公示するためのものである。その対象とするものは、一定の身分上の関係性を有する核家族であり、必然的に子の出生と養育を根柢に置く。 「同性関係を婚姻制度にねじ込むな」 https://ja.takeotamashiro.com/2023/07/blog-post_15.html

差別の解消を企図しているはずのアファーマティブ・アクション。実は白人優遇の因習と表裏一体である。 「迷走するアファーマティブ・アクション」 https://ja.takeotamashiro.com/2023/07/blog-post_7.html