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編輯長殿

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『日本経済新聞』『ファイナンシャル・タイムズ』など、日経メディア記事関連の投書。日本経済新聞社のオピニオンマガジン『日経COMEMO』https://comemo.nikkei.… もっと読む
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#共産党

マルクス主義への免疫薄れる日本社会

私は35歳であり、レオ・ルイスのコラムによれば「世界の先進国における初めての成長未経験世代」に属するらしい。だが、「脱成長」の哲学が日本で本当に理解されているかどうか、かなり疑わしい(11月7日付「『脱成長』──マルクス主義が現代に蘇る」)。 日本は、資本主義国かつ先進国でありながら、共産主義政党が活潑に活動している稀有な国である。今年は、その日本共産党が成立してからちょうど100年になる。 だが、党が開いた100周年の記念講演において、1950年代に自ら惹き起こした殺人

現状の野党で政権交代は危険

一橋大学教授の中北浩爾による政権交代の実現性に関する検討が、11月11日付『日本経済新聞』のコラムに掲載されていたが、日本での自民対非自民と諸外国の与野党との構図の違いが混同されているように見受けられる。 そもそも日本の政治モデルは、政権交代が一般的な他国とは事情が異なり、同列に語ることはできない。 自民党は二大政党の結合体自民党は、今の岸田派(宏池会)などが属する旧自由党系と、本日安倍派となった清和政策研究会などが属する旧日本民主党系との勢力に二分される。前者は吉田茂に