人に相談するということ

毎年のことですが、夏場から年末にかけて仕事が忙しくなる関係で投稿が滞っていました。もっとも、これと言って書くネタがなかったのも事実ですが。というわけで、久しぶりに書いてみたいと思います。

多趣味というほど数があるわけではありませんが、いくつかある趣味のひとつに飲み歩きがあります。近年のコロナの流行もなんのその、一度繰り出したら2,3軒はハシゴして日付が変わるまで飲み続けることがほぼ常態化しています。自宅周辺は飲食店が充実していて行きつけも何軒かあるので、非常に豊かな日常を過ごさせていただいています。

そんな中、最近では飲みに行くと人から相談を受けることが多くなりました。私が何をしているのか明確に明かしたことはないのですが、内容としてはほとんどが仕事の話です。チームマネジメントはどうしたらいいのか、転職するかどうかで悩んでいる、上司から昇進を打診されている、取引先との意思疎通がうまくいかない、等々。酒の席での話なので、翌朝には何を話したのかきちんと覚えていないことが多いのですが、こういった話を持ち掛けられた時には持てる知識と経験をフル活用して真摯にアドバイスを送ってます。そのせいか、感謝されることが多いです。そんなときは、世の中のお役に立てているという実感がわいて嬉しくなります。過去には、アドバイスした内容について「『7つの習慣』にも同じことが書いてありました」と言われたこともあります。実は私、その本を読んだことがないのですが、有名な書籍に載っていることを自身の体験のみに基づいて語れたということは、自分の考えていることに一定の普遍性があるのではないかと変な自信にもなりました。

こんな感じで酒場コンサルティングを度々行うのですが、いろいろと相談に乗っていて改めて感じることは、答えは相談している本人の中にあるということです。むしろ、そこにしかない。実際、私がその人にとっての的確な答えを持っているわけではありません。だから、相談を持ち掛けられたときには話を聞くことに徹します。そして、疑問を感じたところに質問を入れてネックになっている部分を解きほぐす。相談者が言ったことに関連する話材を私が持っていれば、その話を振ってみる。その繰り返しによって本人だけが知っている正解に近づいていけるのではないでしょうか。私が実際にアドバイスする内容は一般論ばかりです。それでも、ある程度納得感を持って受け止めてもらえているのは、本人に思い当たる節があるからだと思います。ですから、何かを誰かに相談したい時は、自分自身と向き合うことを迫られている時だということを覚悟しておくことが必要です。

一方、相談される側は壁打ちの壁、あるいは相談者本人を映し出す鏡として、相手と対峙することが大切なのだと思います。相談内容に相談者を向き合わせることが、相談を受ける者の本当の役割なのだから。個人的には、そこに相談を受けることへのやりがいや面白さを感じています。別に、鴻上尚史ばりのキレのある回答を出せるわけではありません。時には、厳しいことを言わなければいけない時もあるでしょう。それでも、私が受けることで本人が何かに踏み出すきっかけを掴んでくれるのであれば、これからも喜んで相談に乗りたいと思います。

今日は、ここまでにしておきます。


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