夢のゆくえ -銀河鉄道の夜- ⑧
第八章 汽車の墓場
――タルカは夢をみていました。
ずっと以前、まだ幼かったころの忘れかけていた思い出の一片です。
母はよく、タルカをつれて近くの自然あふれる林のなかへあそびに行きました。そこでカエデやポプラの落ち葉をひろったり、虫をとったり、木の実をあつめたりした記憶があります。母はそのころからもうあまり体調がすぐれなかったため、しばらくそのあたりを散歩しては休み、散歩しては休みをくりかえしていました。
そして太陽が傾きはじめる刻限には家に帰り、あそびまわって疲