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ボーンコレクションのトーン技法

アシスタント経験が長いと漫画を読んでいる際に
一般読者とは違うものに目がいってしまいがちです。
(背景や動きの描き方やトーン処理など)

最近週刊少年ジャンプで始まった「ボーンコレクション」を
読んでいたらふとトーン処理が気になりました。


「おや?この作者さんトーンを90度で貼っている。。。」

90度とはトーンのドットの角度なんですが
普通は45度で貼ります。網目が斜めに交差しているような感じですね。
そのほうが遠目に見るとグレーに見えるからだと思います。
なのでほとんどの漫画は45度で貼ってあります。
アナログ時代は手作業でトーンを貼っていましたので
きっかり45度にするのは難しかったのですが
最近はデジタルでトーンを貼りますのであまり間違えないと思います。
ちなみに45度と90度のトーンの違いは以下の感じです。
         ↓

スクリーンショット 2020-05-19 23.44.49

しかし「ボーンコレクション」のキャラの髪の毛や服のトーン、背景も90度で
貼ってあります。

スクリーンショット 2020-05-19 23.38.20


3話目を確認したところ、ほとんど90度で貼ってありました。
しかし何Pかは45度で貼ってあります。グラデトーンは45度です。

ここで2つの推測ができます。
①あえて90度に貼って他作品と差別化を測っている。
②仕上げアシスタントさんが間違って90度に貼っている。

のどちらかです。

ここで重要なのは
「間違って貼ってる!」と指摘したいわけではなく
90度で貼ることによってどういう演出意図や画面映えになるのか
誌面で確認できる貴重な漫画だという事です。
なのでマジマジと絵を見てしまいました。

ドットを荒く貼るとポップで可愛い感じなるのはあるのですが
90度に貼っても少し可愛い感じに演出できてるかなーと感じました。
そして漫画の内容と相性もいい貼り方だなと思います。

もし手元にありましたらご覧ください!

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