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【お仕事回顧】マフィアファミリーの在り方を描いた物語

【お仕事回顧】この記事はなにか?
・これまでに従事した仕事の振り返りです
・ポートフォリオ的に見せるものです
・自分がスランプに陥ったときに振り返るお話の作り方の備忘録
です

公開許可を取っていないものもあるのでタイトルはボカしてあります
お話の作り方などを記載してあるのでネタバレがあります
(タイトル非公開なのでネタバレも何もないですが)


概要

港町を守るファミリーの興隆を描いたストーリーのシナリオ作成


期間

2021年6月~2021年7月

依頼元、依頼経緯

ゲーム制作会社、リピート依頼

関係者

企画窓口担当の方、打ち合わせ無し

仕事内容

ストーリーシナリオ、キャラクター設定、ストーリープロット制作、ストーリーシナリオ制作、その他テキスト各種制作

資料

特になし

納品物

キャラ設定、ストーリープロット、シナリオ、キャラボイス台本

ボリューム

60分尺のアニメくらいのボリュームをイメージ

時系列

各ストーリー依頼→作業→納品

感想

 ひとことプロットは 「ファミリーのボスとなった主人公が、父親の仇を討ってボスとして成長するお話。」でした。「マフィアの一味」というキャラクターの設定だけ作成しておきながら、自分ではシナリオを書いていなかった珍しいパターンです。

 ストーリーの軸は「舞台固定型」でした。ロケーションが一定の場所(今回の場合は港町)から動かず、そこで巻き起こる様々な出来事を描く形にしています。

 マフィア、というワードからスタートして「港町」「ファミリー」「オメルタ」「百銃」そして「マフィア」といったキャッチワードを設定しました。
 元々存在した設定を補強する形でマフィアの組織と歴史と設定していきました。設定を構築する上でマフィアの歴史を勉強したり、いろんなマフィア映画を観ました。シチリアのマフィアとアメリカのマフィアの違いもよくわかっていませんでしたが、彼らの歴史を勉強するのは楽しかったです。
 映画はやはり「ゴッドファーザー」が一番参考になりました。登場するキャラクターの何人かは、名前をゴッドファーザーの登場人物から名前をいただいています。ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の迫力と、死亡するシーンが情緒があって好きです。

 描きたかった感情は「ファミリー愛」です。血の繋がりのある「家族愛」ではなく「ファミリー愛」です。血以外のもので繋がっているからこそ、血よりも強固な絆を持つファミリーの姿を描きたかったです。

 あらすじ。主人公は幼い少女ですが、先代の急死により10代前半で突然マフィアの跡目を継ぐことになります。先代の死で巨大なファミリーも力を半減させて弱体化してしまいますが、主人公は周囲の力を借りて自分のやり方でファミリーを守ろうとします。外圧に晒されたり仲間からの裏切りに遭ったりしますが、先代ボスの遺志を継ぎ成長していく、という流れです。

 マフィアやヤクザといった反社会的組織を描く場合、シノギの犯罪性をどう扱うかに気を使います。弱者を食い物にする犯罪を平気で行うようなキャラクターでは見る側の共感を得られないため(もちろんターゲットによりますが)、主人公が率いるファミリーは弱者を守り港町を守る正義のマフィア、という見せ方にしました。リアリティは損なわれましたが、ある意味綺麗事で子供っぽい思想が主人公の年齢感ともマッチして、主人公らしい主張や思想になったのでは、と思います。

 先代のボスの急死の謎を追う、というストーリーラインの中で、各キャラクターが先代ボスとのやり取りを回想していく、という構成にしました。先代ボスのキャラクターがどんどん深掘りされていって、器が大きく魅力あふれるボスになりました。「百銃」の異名がかっこよくてお気に入りです。

 反省点としては、物語を展開させるのに忙しく、主人公の感情の浮き沈みがうまく描き切れなかったことです。芯がありブレないキャラクターにしたため、凹む場面が作れませんでした。下げ幅が小さいため成長感のカタルシスも小さくなってしまった感があります。あと、先代ボスの回想シーンが多くなるにつれて先代ボスがかっこよくなりすぎてしまい、書く側としても「こっちが主人公じゃね?」と錯覚してしまいました。ただ、主人公が器を見せつけるシーンなどでは、先代ボスの言動や生き様を受け継いでいる様子を描くことができたので、「ファミリー愛を描く」という、やりたいことはやれた気がします。

 まとめ。
 ジョジョ5部や家庭教師ヒットマンREBORNなど、「マフィア」は創作物の中でも確立された世界観だと思います。いつか書いてみたい登場人物の職業(職業??)でした。
 今回のキャラクターがたどる大まかな道筋はありましたが、シナリオを書くタイミングはなかなか実現しませんでした。キャラクターはビジュアルも性格もとても気に入っていたので、中途半端な投げっぱなしになっていたのは気になっていました。シナリオを書く機会に恵まれ、形にすることができたのはとても幸せです。


印象に残っているシーン&セリフ

回想シーンにだけ登場するマフィアのかつてのボス。どのキャラクターもボスとの関わりがあり、それぞれの視点でボスの人柄が描かれるのが好き。

「……食うか、ガキ。この店のマルガリータは絶品だぞ。」
「ボス! 物乞いのガキに施しなんざ、あんたの名が泣くぞ。」
「ガタガタ抜かすなバルジーニ!
 腹減らしたガキの前で満腹になってテメェは満足か。
 腹をいっぱいにするのはいつだってガキが先だ。当然だろうが。」 「……………………。」

「さっさと食えよ、ガキ。ピッツァってのは分け合うために丸いんだ。」


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