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生きがいProblem listと、老年医学5Ms

Geriatrics Ikitgai- Problem Listの話です。

現在、コキン改定のためにインプットを増やしています。来年6月改定発売予定に決まりました。

老年医学/geriatricsを中心に国内外の文献を掘っています。geriatricsは正直あまりいいものがないのですが、老年症候群を処理するフォーマット、Geriatrics 5Msは興味深かったです。

https://www.cfp.ca/content/cfp/65/1/39.full.pdf

Mind/Mental:認知症、せん妄、抑うつ(高齢者 3D)
Mobility: 身体機能
Medication: 薬剤- ポリファーマシー
Multi-complexity:多様な疾患、社会的ニーズ
Matters most:価値観、治療目標 (Goal, 人生会議)

5年前に俺が提唱して特に広げていない、Ikigai-Problem listとほぼ同じフォーマットでした。

医者は問題を定義して解決アプローチ、Problem Oriented Systemを基本としている。これはこれで良いのだが限界があります。

日本プライマリケア学会の岐阜セミナーで出した筆者スライド。

通常のProblem Listであろうと、BPSモデルであろうと、患者を医師はプロブレムとして扱います。プロブレムを定義してそこを解決するのが我々の基本的な仕事ですから。そこのアンチテーゼとして、Problem Listの頭に、「生きがい- Ikigai」を追加しました。Ikigaiは上位です。

Ikigai- Problem Listsの例

これと、5Msを比べましょう。最後にIkigai項目があります。Matters most。

Mind/Mental:認知症、せん妄、抑うつ(高齢者 3D)
Mobility: 身体機能
Medication: 薬剤- ポリファーマシー
Multi-complexity:多様な疾患、社会的ニーズ
Matters most:価値観、治療目標 (Goal, 人生会議)→  ここが Ikigai

Ikigaiはやはり一番上に来るべきであるので入れ替えました。

Matters most:価値観、治療目標 (Goal, 人生会議)→  ここIkigai
Mind/Mental:認知症、せん妄、抑うつ(高齢者 3D)
Mobility: 身体機能
Medication: 薬剤- ポリファーマシー
Multi-complexity:多様な疾患、社会的ニーズ

さらに、2番目と5番目は合わせて、普通のBPSモデル。つまり、

Ikigai
BPSモデルのProblem List
Mobility: 身体機能
Medication: 薬剤- ポリファーマシー

Mobility: 身体機能:これは老年症候群の中の機能障害の項目。難聴、視力障害、歩行障害、排尿障害。

つまり、5Msは、
Ikigai- Problem List(BPSモデル)
+ 機能障害+薬剤
、で高齢者を見ていきましょうというフォーマット。これは俺が毎日普通にやっているフォーマットなので、とても気に入りました。

Geriatrics Ikigai Problem LIst、と書き換えてもいいでしょう。
Ikigai Problem LIst+ 老年症候群(機能障害と薬剤)。分かりやすい。

ココキンの各論の症例に対する回答を、geriatrics 5Ms (Geriatrics Ikigai Problem LIst)のフォーマットで答えていくことにしました。老年症候群の項目も総論書いて、各論も充実されます。さー、改定原稿書くぞ!また本買おう、ポチポチ。


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