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娘とニューヨークで遊ぶ(8/8日)

さよならニューヨーク

旅の最終日。
朝6時35分のフライトなので、2時間前に空港に着くことを考え、朝4時にホテルを出発できるよう、Curbというアプリを使って、タクシーを呼んでおく。

ホテルのフロントデスクにも、CurbアプリのQRコードを掲げたサインが置いてある。昔はコンシェルジェに頼んでタクシーを呼んでもらっていたものだが、今はアプリを使って自分で手配してくれ、というのだ。

JFK空港とマンハッタンの間は一律料金なので、安心。
でも、ホテルをチェックアウトして出てみたら、来てくれたのは黄色いタクシーではなく、黒いタクシー! 大丈夫か?

運転手さんは、インドやその周辺国から来た人らしい。
途中、勝手に自分のスマホで音楽をかけ始めた。それも、言葉がよくわからない、お経のような不思議な節回しの歌で、バックコーラスやドラムなどの打楽器が背後で聞こえる。

聞いてみると、これは宗教的な内容で、歌ではない、マントラのようなものらしい。
でもこの人はイスラム教徒だというので、あとで考えてみたら、コーランを音楽風にしたものではなかったか。毎日聞いている、と言っていたし。

だんだんこのコーランらしい音楽にも飽きてきた頃、JFK空港に到着。
支払いはアプリで、チップも含まれている、という。
アプリに、チップを設定しておく機能があったのだが、最低の20%に設定しておいたのだった。でも、今回は良い運転手だったからよかったものの、「チップなんか払えるか!」というほどのひどい運転手でも、これでは自動的に20%のチップを支払うことになってしまうではないか!

・・・という、もやもやした気持ちを抱えつつ、空港内に入る。
朝の4時だから、2時間前に行ったら時間が余っちゃうでしょう? という甘い考えは、空港内の人込みで一瞬で吹き飛ぶ。

今回は、バゲッジ代スーツケース2個で$60をアプリで払ってあったので、機械でタグを印刷し、それをスーツケースに貼り付けて預けるだけでOKだった。
帰りはスマートに、ボーディングパスは印刷しないでスマホから見せようと思っていたが、直前にスマホ操作を誤りあたふたしたので、やっぱりボーディングパスも印刷した。

セキュリティーは長い列。
なんとかそれもクリアして、無事にゲートに到着。

JFKからダラスまでの飛行機は定刻通りに飛んだ。
ダラスでオレンジカウンティ―行きの飛行機に乗り換えるのだが、乗り換えの時間が50分しかない。これはかなりギリギリで、最初の飛行機が何等かの理由で遅れたら、乗り換えに失敗する可能性があった。

しかし、今回はターミナル間を循環するモノレール、スカイリンクに乗って素早く移動したので、余裕で次のゲートにたどり着いた。
昨晩からよく寝ておらず、なぜか飛行機の中でも眠くならなかった分、やたらおなかがすいて、2番目の飛行機に乗る前にまた空港のお店で巻き寿司を買うほどの余裕すらあった。

この飛行機の中では多少うとうとしたものの、食べたり飲んだり、スマホでビデオを見たりして、あっという間にオレンジカウンティ―に戻ることができた。
3時間戻ったので、朝の6時35分にニューヨークを出たにもかかわらず、オレンジカウンティ―に着いたのは、お昼の12時前だった。

オレンジカウンティーの広い空、広い道に触れて、ほっとする。
やっぱり私は、こっちのほうが好き。

―― 完 ――

追伸:
今回の旅行で、痛感したこと。
それは公共交通機関などでの、お客に対するサービス提供者側の態度が、日本とアメリカで180度違う、ということだ。

日本では「私はしもべ、お客様は神様です」という対応だ。
一方アメリカでは「私は教師、客は落ちこぼれの生徒」という対応なのだ。

例えば飛行機が目的地に到着し、まだ飛行機が完全には止まっていないが、ほとんど動いていない状態のときに、席を立とうとする乗客がいると、
「まだ動かないで!」
と、客室乗務員が檄を飛ばす。

今回、行きのフライトでは、インドへ行くフライトに乗り継ごうとする客が乗り継ぎ時間が足りなくなったらしく、その客を優先して先に飛行機から降ろしましょう、というアナウンスがあった。
その人たちが降りていき、さあ他の乗客も降りよう、となったときに、客室乗務員が言った言葉は、「あなたたちは素晴らしい!(You guys are great!)」という、褒めて育てるという教師の技だった。

地下鉄でも、同様の体験をした。
日本の鉄道もそうだが、ドアが閉まる間際で飛び込む乗客がいる。
ニューヨークの地下鉄も、いったん扉が閉まったと思ったら、また開く・・・ということを、何度も何度も繰り返す。鉄道体験が割と豊富な日本出身の私でさえ、多すぎるのでは?と思うほど。
これは、車内に飛び込む乗客が多いためだ。

地下鉄の車掌もそれには業を煮やしているらしく、一度などは、駅から降りようとするときになっても、なかなか扉を開かず、「閉まろうとしている扉に飛び込むのは、危険です。どうしてやめてくれって言ってるのに、やめないんですか?」というアナウンスが流れ始めたのだ。
まさに降りようと身構えている客を相手に、通せんぼして説教するという荒業には、驚くほかなかった。