謝罪事件で課題を突き付けられたのは、片方だけじゃない。
うーん、今回のことで一番当事者に考えてほしいことが
自立
という点についてなんですよね。私は騒動に興味がわいたというより、彼らがどういう考え方や知識・経験でもって判断力を持っているのか?という点に興味があった。残念ながら驚くほどに疎いし、幼かった。そういう点を付けこまれていたことすらわかっておらず、赤子のようだ…と感じましたね。
まず、一番わかりやすい対比でいうと…
会社に対して意見が通った人たちが誰だったのか
という点。私が見る限り、名前が挙がっていたのは
さんまさん、松本さん、加藤さん
といった面々。彼らに共通していることは
Y社が出ていかれたら困ると思っている人たち
だということ。ここが重要な点です。
そして、彼ら(彼女ら)の間違った価値観というのは
先輩・後輩というコミュニティに甘えている
構造。意見の出し方についても、
言える雰囲気だから言う
と取られかねないからね。このタイミングでしか言わないとなると。じゃあ普段会社にキチンと意見伝達していた人は?となれば恐らくはいなかったんじゃないかな。
古参芸人の中にこういうところを批判するのは、一部当たっています。人間関係で考えたら分かること。普段、きちんとした指摘や意見をしてない人間が、相手の立場が悪くなった時に
こういうのは良くないよ
と言ってきたら、どうとらえますか?まず喜んで受け入れることはないでしょう。
だからこそ、普段からの意見交換というか意思の疎通が大事なのであって、今回の芸人側も含めた反応はきれいなモノじゃないです。私個人としては、ファミリーだの仲間だのという表現を使うなら
危機にこそ団結して、枝葉末節を捨てて立ち向かう
ものなんじゃないかと思う。でも、実際の反応は
あの人がこうだからああなんだ
とか、
これまでずっと我慢してきたけど…
とか。こういう人たちの考え方や振る舞いは、問題の解消という観点からすれば全て不正解と私は思います。
それに、先輩後輩の関係も結局は上下関係に近いもので、競技の面でもかなりのマイナス要素だと思う。つまり、
先輩を立てる
というメカニズムが働いてしまうと、遠慮という心理がどうしても発生する。しかし本来、チームプレイの利益とは
チームの利益のために動く
こと。その中で先輩の振る舞いがチームの利益に合致していなかったら、どうなるか?ここを乗り越えることが難しくなってしまうわけです。
そうしたことから、後輩はどうしても先輩の顔色をうかがうことになり、勝つことよりチーム内の空気や序列という、先輩の立場にいる個々人の尊重へ走ってしまう。これが、チームを弱くする要因にもつながっていく、と私は思っています。
だから私はこの関係については評価していません。すでに書いたことがありますが、
対等であることが相手に対する思いやりである
という事がありますからね。これは下に置かれない代わりにに、相手も絶対に下出にさせないことで、相手の立場が弱くならない配慮と思っているから。
でも芸人のコミュニティって先輩後輩の関係が強固そうなので、どうしても先輩に
普段立てているのだから責任を果たしてほしい
という心理が働く。実際、後輩とされる芸人の中にはそういう言動をとってる人もいたし。こういう感覚がある限り、自立への感覚はなかなか育たないでしょうね。
しかし、すでに指摘したように自立した芸人たちも現れてきており、それに影響された相方の動きからも徐々に広がりを見せ始めてもいる。こういう点はポジティブにとらえています。この動きが加速していけばいくほど、そちらに流れていくことになり、芸人が一人一人自立した状態から、仲間という概念の下でコミュニティが力強く再構成されていくかもしれない。
TVをほぼ見てない私としても、こうした人たちを見たり、動向を目にすることが多い。彼らのビジネスを通した
リスクを負う
姿勢は一貫したものがあるので、こちらが理想形だと思っています。Y社やTVという枠組みしか知らない人たちも、干されかかったこの現実を見て、今のうちからでも逃げ道としての自立を模索した方が良いと思いますね。
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