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素晴らしきゲーム音楽の世界[24]ファイナルファンタジーⅢ

今回はファミリーコンピューターなどで発売された『ファイナルファンタジーⅢ』(以下FFⅢ)のゲーム音楽についてお話します。

FFシリーズの中ではプレイ回数が一番多く、特に思い入れのある作品です。

本作は1990年に発売された正統派ロールプレイングゲーム。

辺境の村に住む4人のみなしごたちは、地震で近くにできた洞窟で度胸試しをおこなう。深部で見つけたクリスタルから、4人は闇から世界を救う「光の戦士」として掲示を授かる。少年たちの冒険の旅が始まる――

本作最大の特徴は「ジョブチェンジ」システム。各キャラクターが戦士や魔導士など様々な職業にいつでも転身できます。職業ごとに能力や攻撃手段、装備品が異なるため、パーティーバランスや場面を考えての編成が重要。

魔法は攻撃系の黒魔法、回復や補助が揃った白魔法、強力な存在を呼び出して力を借りる召喚魔法の3種類がある。各魔法は強さによって1~8段階に別れ、階級ごとに3つまで唱えることができる。使用は回数制。

オーソドックスなコマンド選択式バトルでありながら、ジョブチェンジと魔法選択によって戦略の幅はとても深い。物語もボリュームがあって非常に楽しめる一作でした。

各種ハードでリメイクされています。自分はファミコン版、DS版、3DSのバーチャルコンソール版をプレイしました。

何歳になってプレイしても面白さは変わりません。名作です!

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FFⅢの音楽を手掛けたのは作曲家の植松伸夫さん。自分の世代でゲーム音楽といえば名前の挙がる偉大な方です。

ブックレットに書かれた植松さんのコメントを読むと、本作のBGMはちょっと特別らしい。電子音3音のみで制作されたとのことですが、音楽知識がないので難易度が理解できない……すごく大変ということだけはなんとなく。

ただ作中で流れる音楽は今もなお印象的で、ファミコンの制限があるからこそ生まれた曲には違いありません。素晴らしいサウンドは幾星霜が過ぎても人の心に訴えかけます。

お気に入りの曲を選ぶのは難しい……『悠久の風』『ハインの城』『果てしなき大海原』『ドーガとウネの館』どれも名曲ばかり。

それでもひとつ選ぶなら『クリスタルタワー』ですね。曲初めのイントロの美しさにぎゅっと心を持っていかれます。

YouTube-FF3 クリスタルタワー(The Crystal Tower) FC 作業用BGM より

最後のダンジョンに相応しく、クリスタルの輝きを見事に表現した美しい曲です。少ない音源でこんなにも綺麗な旋律を奏でられるなんて、やっぱり植松さんはすごい方です。

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大人になった今だから思いますけど……ぽんぽんと簡単に職業を変えられるって、夢のようなシステムですよね。

現実でそんなことしたら「簡単に職を離れる安定しない人間」としての烙印を押されるに違いありません。親族の集まる場になんて、とてもじゃないけど顔を出せない。

しかしFFⅢの職業もなりたての段階では強くありません。経験を重ね熟練度を高めることで、ジョブの本領を発揮します。攻撃回数が増えたり、魔法をたくさん唱えられるようになったり。

あ、現実と一緒だった。

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