ドラッグストア従業員の独り言「ゴミ削減はともかく手間は確実に増えた」
レジ袋が有料化となって一か月が過ぎ、こんなニュースを見かけました。
束になった取っ手つきのプラスチック袋が売れているそうです。
人気の理由は「衛生的な使い捨てエコバッグとして利用するため」分かる。他には「ゴミ袋として使うため」分かる……けど、あれ? プラスチックごみ削減のためにレジ袋を有料化したんじゃなかったっけ???
たしかに自分の働いている店でも取っ手つきプラスチック袋は品切れが続いています。日々売れているのではなく、メーカーさん側が欠品状態。一向に入荷がないのです。
プラスチックごみ削減とは……エコの面から見ると、有料化前とさほど変わっていないような気もします。同時にそれだけ世の中で必要とされている日用品ということも。
実際のところ環境に優しくなったかどうかは分かりませんが、現場に対しては明らかに優しくありません。手間のひとこと。
レジ袋に関する業務で、1日100回以上聞いていて思うことは以下の2点。
①買い物袋を買うかどうか聞く
②どの大きさにするか聞く
まず①の【買い物袋を買うかどうか聞く】。そもそも「レジ袋はお買い求めですか?」って一言、いるのかなと思うわけです。
各種メディアでもさんざん伝えられてますし「レジ袋はお金を払って買うもの」という新しい認識はほとんどのみなさまがお持ちかと存じます。100%の認識とはあえて言いませんが。
小売店によってはレジ前に販売用袋を用意し、レジで会計を行う前に必要な枚数をお客様自身でカゴに入れるところもあります。個人的にはいいなと思う方法ですね。
カゴにレジ袋不要カードを入れて意思表示する店もあります。ただ入れなくても「袋を買いますか?」と聞かれる場合も。店側は悪くないけどクレームがあったのかなと察してお疲れ様ですと心でつぶやきます。
残念ながら自分の働く店ではどちらも行っていません。おそらく他でもレジ会計中に店側が訪ねるタイプが多いのかなと思います。
つまりお客様が会計時にレジ袋を買う/買わないの意思表示は必須。
だから思うのです。購入選択が前提なら、店側が聞く一言は必要はないんじゃないか。
先に「レジ袋いらない」なり「袋買う」なり伝えていただくと、よりスムーズに会計が終了するのではないかと。
実際にカゴを受け取ると同時に「エコバッグ持ってます」「袋いりません」と仰っていただくお客様もいます。自分も客として買い物する場合は先んじて言います。言った方がスムーズだから。
1か月じゃレジ袋の有料化に慣れないんだよ、というお声も理解できます。
ただ1年経っても3年経っても……という危惧もあるわけですよ。
2014年に消費税が8%へと引き上げられた際、数年後には10%に増税されることを見通して値札に「本体価格」「税込価格」の2つを提示するようになりました。多くの店が未だに並べて表示しているかと思います。
あれから6年経ちましたが、未だにご理解いただいていない方もいるのです。「なんで値札の表示より高いんだ」とレジで質問を受けることが、思っている以上にあるんです(本体価格だけを見ているためでしょう)
あくまでも協力の域を出ない提案です。もしくはレジ前に「レジ袋を買う/いらない」ボタンでも作ってほしいなと結構本気で考えている日々です。
そして②の【どの大きさにするか聞く】について。
販売用袋の大きさ・価格はお客様にも分かるように提示しています(実物に値段を貼って提示)。しかし、割と多くのお客様はそちらを見ずにこう仰います。
「(買った商品が)入るやつで」
選ぶのが面倒というのは重々承知しておりますが……本当に意味のないことを何百回と尋ねているんだなーとひしひし感じる場面です。
店側に袋の大きさを委ねるお客様の多くは袋の値段を気にしていない様子です。数円を支払って買うコストパフォーマンスを選択しているのでしょう。
一方でこちらも商品をスキャン中に「この買い物量なら〇円の袋だな」と自然にあたりをつけています。だから「入るやつで」と言われたら即「〇円の袋でよろしいですか?」と切り返す。
難しいことではありません。2か月前まで普通にやっていたことですから。
じゃあ袋の大きさを聞くなって話ですが、これですねー……聞かずに勝手に決めちゃダメというマニュアルなんですよ。
お客様は気になさらずとも、店側は配慮しなければならない点。確認せずに決めて会計するとクレームにつながるからですね。お客様はその確認が面倒なんですよね、きっと。
文章からにじみ出ているかもしれません。「店側も面倒だと思っている」と。ええその通りでございます。
お客様も煩わしいと感じていらっしゃると存じますが、店側も同じ感情です。そしてどちらかが悪いわけじゃない。国の決めごと。
だから双方で協力して、スムーズなお買い物ができればと個人的に考えています。
頂戴したサポートは今後の創作活動の資金として使用させていただきます。 より楽しんでいただける文章や作品作りを目指しますので、どうぞこれからもよろしくお願い致します。