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世にも奇妙な無意識の出来事

夏といえば怖い話で涼をとるのが醍醐味のひとつ。そこで今回は無意識って怖いなと思った話を書きます。

ドラッグストアに勤務している自分。休みの前日になると、洗濯をするために仕事着の白衣とスラックスを持って帰ります。

清潔さには人一倍気を使う必要がある反面、白衣って汚れが目立つんですよね。ティッシュや洗剤の段ボールを抱えて運ぶとすぐ黒くなっちゃうし……だからこまめに洗っています。


明日は休み。やったーとルンルン気分で帰宅。手洗いうがいをして、エアコンのスイッチを入れて、仕事着を洗濯かごに入れて……

ない。

白衣――ではなくスラックスが。

カバンに入れたはずなのに。というかいつもより軽かったのにどうして気づかなかったんだよ自分。

洗濯かごの前に立ったまま記憶を巻き戻し再生。

閉店して休憩室(兼ロッカールーム)に戻り、服を脱いで着替える。白衣を脱いでカバンに入れて、次は下を取り換えてスラックスを入れた。はず。

スラックスを履いたまま帰ってきたわけじゃない。かといってロッカーに入れた記憶もない。ということは脱ぎっぱなしで近くに置いたまま……?

うわー最悪だ。別にしゃべりながら着替えていたわけじゃないのに。

ただ折りたたんで置いてあるのであれば、特に問題はない。洗い立てを履いてまだ二日だから全然汚れていないし、誰かが手に取って確認されても困ることはない(広げた相手は不快な気分になるかもだけど)

問題は裏返しにしていること。

翌日洗濯するため、脱いだときにスラックスの裏表をひっくり返して持ち帰るのです(ズボンは裏表をひっくり返して洗う主義)。洗濯機の前でいちいちズボンの裏表をひっくり返すのは手間だし、脱いだ時にやるのが効率的。

置きっぱなしのスラックスを万が一にも誰かが広げたら「脱ぎ方だらしない」「ちょっとなんで裏表逆にして置いてあるの~不潔なんだけど」と言われる。そしてサイズですぐに持ち主が特定される。

違うんです、普段はちゃんとしているんです! こまめに洗濯しているし、柔軟剤だって用量より多めに入れていい香りが引き立つようにしているんです! たまたま忘れただけなんですよぅ!

……なんて言い訳が通用しない可能性も充分にある。

「善人はたった一つの悪行で悪人になる」と昔読んだマーフィーの法則に書いてあった。たった一度のミスが致命的となるのが人間関係。

99人のお客様が丁寧な対応と評価しても、1人に接客が悪いとお客様相談センターに苦情を入れられたら、その人物は「ちゃんと仕事してくれ」と叱責を受けるだろう。仕事とはそういうものだ。

とまあ過大な妄想を広げつつ、実際は大して問題にはならないと思う。

でも脱ぎっぱなしの衣類をそのままにしているのは落ち着かないので、翌日職場に行きました。ちょうど外の用事もあったので、ついでです。

ロッカールームに行って、置いた可能性のある場所を探すも見当たらない。

まさかと思って自分のロッカーを開けると、裏表が逆になったスラックスが入っていました。施錠が基本なので誰かが入れたわけじゃない。100%自分でしまったのです。

安心とともに「無意識って怖いな」と思いました。おしまい。


全然怖くない?

いやいや、自分の意図しないことをやって記憶もないんですよ、かなりホラーじゃないですか。たしかに内容はしょーもないけど。

きっとみなさんにもあるはず。無意識の行動を知って「自分怖っ!」となったときが……。

あなたの身に起こるのは、明日かもしれません(世にも奇妙な物語のタモリさん風)


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