『メンテナンス』×『3Dプリンター』

昨日の記事に引き続き、今回はFDM3Dプリンターのメンテナンスについてお話ししようと思います。

3Dプリンターは自宅で手軽に物を作れる最高のツールです。
最近では、本体価格も下がり、材料も安く手に入るので購入された方も多いのではないでしょうか。

手軽に物を作れることで、忘れがちになるのが、日々のメンテナンスです。
3Dプリンターも機械なので日々のメンテナンスが必須です。
メンテナンスをする、しないで今後長く使い続けられるかが決まります。
せっかく購入したなら、長く使っていきたいですよね？
それなら少し面倒でも、日々少しづつメンテナンスをしていきましょう！

造形毎のメンテナンス

まずは、造形をしたら毎回行うメンテナンスをご紹介します。

・造形ステージの清掃
・ノズルの清掃

（1）造形ステージの清掃

造形ステージは毎回しっかりと綺麗にしておきましょう。
造形ステージが汚れていたり、油がついていると、溶けた樹脂がしっかりとステージに付かず、造形不良の元となります。

また、造形ステージにサポートや樹脂片などが残っていると、ノズルを痛めたり、ノズルの詰まりを起こすことがあります。

必ず造形後には、ステージの清掃を行う様にしましょう。

ステージの清掃方法
①造形物、サポート材を綺麗に除去
　※時間をおいて常温に戻すと取れやすくなります。
➁アルコールを使って柔らかい不織布で油をふき取ります。

（2）ノズルの清掃

造形ノズルも毎回綺麗に清掃しましょう。
ノズルには造形する度に、樹脂が付きます。
樹脂が付いたままにしておくと、長時間の高温によって焦げ付き黒くなっていきます。
焦げた樹脂は取れづらく、造形物に混ざることもあります。
必ず毎回綺麗に清掃しましょう。

ノズルの清掃方法
①造形ステージ上までノズルを移動
➁ノズルを使っているフィラメントの造形温度まで加熱します。
　※ノズル先についた樹脂が柔らかくなればいいので、より低い温度でも可
③ノズル先端を銅製ブラシで綺麗にします。
　※真鍮製ブラシでも可ですが、ノズルを傷付ける可能性があります。

定期的なメンテナンス

毎回のメンテナンスの次は、定期的なメンテナンスをご紹介します。
造形頻度にもよりますが、一か月～数か月毎にこのメンテナンスをすることをオススメします。

・ステージの水平出し
・ガイドへの油差し
・ノズルの確認
・ドライブギアの清掃

（1）ステージの水平出し

造形ステージは日々造形していると、振動で水平が保たれなくなっていきます。
ステージが水平でないと、樹脂がうまくステージに付かず、ソリや剥がれが発生します。
また、最悪の場合はステージがノズルに触れ、破損する可能性もあります。
定期的に水平出しを行う様にしましょう

ステージの水平出し方法は、購入した3Dプリンター説明書に従って行う様にしましょう。

（2）ガイドへの油差し

3Dプリンターの移動を保持するガイドやリードスクリューには数か月毎に油を差しましょう。
ガイドやリードスクリューに油が足らないと、造形時の異音や造形物に造形段差が発生することがあります。

ガイドには、KURE 5-56などのオイルタイプの潤滑油が適しています。
リードスクリューには、KURE グリースメイトなどのグリスタイプの潤滑油が適しています。

ガイドへの油差し方法
①ガイド、リードスクリューについている油を不織布で綺麗にふき取る
　※油と共に付着しているゴミなども取り除きましょう
➁新しい潤滑油を塗布しましょう。
③ノズルやステージを動かして、潤滑油を一定に馴染ませましょう。

（3）ノズルの確認

定期的にノズルの状態を確認するようにしましょう。
ノズルに焦げ付いた樹脂がついていないか、ノズル先端が摩耗していないかを重点的に確認します。
また、ノズルを取り外し、中も確認しましょう。
焦げ付いた樹脂によって中の穴が小さくなっていないかを確認します。
あまりにも焦げ付き、摩耗がある場合は、ノズルの交換が必要です。

（4）ドライブギアの清掃

ドライブギアは、樹脂に食い込み、押し出す機構内に使われている金属部品で、常に強い力がかかる部分です。
ドライブギアには樹脂に食い込むために歯がついていますが、造形していると、その歯に樹脂の欠片や粉末がたまります。
数か月に一度は、樹脂の押し出し機構の分解を行い、ドライブギアの清掃を行うようにしましょう。

メンテナンスで長く愛用していきましょう

以上が3Dプリンターのメンテナンスです。
ご紹介したメンテナンスをするかしないかで、3Dプリンターの造形品質、本体寿命が大きく変わります。
3Dプリンターが安くなったといっても、まだ子供のお小遣いで買える値段ではないので、せっかくお金を出して購入した物です。
しっかりメンテナンスをして、長く使えるようにしていきましょう！