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睾丸摘出手術について

※今回もタイトルと写真は関係ないです。
 手術1週間前に地元の岩手に帰って厳美渓を歩いていた時の写真です。

さて、先日睾丸摘出手術を受けた……
といった旨のノートを書きましたが、
今回はカウンセリング予約から手術の様子、
そして帰宅後夜までの様子を書いていこうかと思います。


1.カウンセリング予約

私は今回、東京のとあるクリニックを受診する事にしました。
(場所は伏せますが、もし知りたい場合はTwitterのDMでお伝えしますのでご連絡ください)
そのクリニックではHPにそれぞれメール相談とカウンセリング予約の項目があり、
私は質問したいこともありまずはメール相談を行いました。
質問した内容は

1.睾丸摘出手術の痛みはどの程度か
2.術後に通院は必要か

……と、この2つでした。
その後クリニックから回答のメールが届き、

1.笑気麻酔と局所麻酔を使用するため
 処置中の痛みはまずない
2.縫合には溶ける糸を使用するため、
 抜糸のために来院する必要などはないが
 心配事があればいつでも来院してよい
 (再診費用は無料)

とのことでした。
また他にも、術後3日間は患部をテーピングで固定するため入浴不可なことや、
麻酔をするに当たっての食事制限は特に必要がないこと、
手術後は更年期障害や骨粗鬆症を防止するために
永続的に女性ホルモンの投与を続けること
カウンセリングと同日に手術を行う事も可能ということを
丁寧に教えてくださいました。

そのまま手続きを進め、2022年4月22日に
カウンセリングからの当日手術の形で予約を行いました。

2.手術当日の流れ

カウンセリングは昼頃から始まり、看護師の方と一緒に行いました。

まずは術後のリスクについて
・睾丸摘出後は生殖機能を失うこと
・身体から性ホルモンがほぼ消失するため
 女性ホルモンを半永久的に投与し続けなければならないこと
・術後最低でも2週間は激しい運動はしてはいけない
……と、この3点を説明されました。

次に大まかな手術の流れとして
手術は約30分ほどで終わり、手術後はテーピングで
固定&保護をしそのまま帰宅可能であることを伝えられました。
麻酔は笑気麻酔と局所麻酔を併用し、
局所麻酔の効果は約3時間ほど続くとのことで、
手術後に痛み止めと抗生剤を処方するが
心配であれば術後に痛み止めを飲んでから退院も可能とのことでした。
私は痛みの心配もあり、そのように手配していただきました。

他に何か質問があるか聞かれ、その際私は
「当院のHPや他のクリニックにも記載されている、睾丸摘出後に使用している薬の量を減らせるというのは、具体的にどのくらいか。今私が服用している薬の量で、ここから減薬できるものはあるか?」
と言った質問をしました。

看護師の方は具体的な内容までは把握されていなかったようなので、
「先生に確認を取りますので、手術前に説明していただきましょう」
と話され、私もそれを承諾しました。

その後は手術料金の支払いと
診断書のコピーの提出を済ませ、
手術の時間が来るまで1時間ほどカウンセリングルームで待機していました。
本当は30分ほどで準備が終わる予定だったのですが、
前の患者さんの手術が長引いてしまい少しずれ込みました。
ですがその際も私を気遣ってか、
看護師さんが温かいお茶を用意してくださったので
ゆっくりとリラックスできました。

3.手術準備と薬の説明

看護師さんより「手術の準備ができました」と声がかかり、
そのまま手術室へ案内されました。
部屋へ入ると看護師さん2名が細かな調整をおこなっており、
「それではズボンと下着を脱いで手術台の上で横になってください」
と伝えられ指示の通りにしました。

横になった後は陰部とその周辺を消毒され、
先生が来るまで少しの間そのまま待っていました。
手術室内は適温でしたが緊張から手の震えがなかなか収まらず、
それを見た看護師さんが「大丈夫ですよ」と声を掛けてくださいました。

数分後に先生が来て、
改めて簡単に手術内容の説明が行われました。
また、前述した薬の件に関してですが、
私の診断書に記載のあった服用量を見ながら
(1日プロギノバ2錠、ダイアン35を2錠、シテロン1/4錠)
・まず睾丸を摘出する事により
 男性ホルモンがほぼ分泌されなくなるため
 抗男性ホルモン剤であるシテロンの服用は必要ないだろう
・プロギノバとダイアンの併用で問題なく、
 それでも少し減らして問題ないだろう
・ダイアンは卵胞ホルモンと黄体ホルモンの混合剤だが、
 黄体ホルモンに対する受容体は女性と比べ少なく
 摂ってもあまり意味がないため入れなくともよい
……といった説明がありました。

黄体ホルモンに関しては医者によっても
要不要の判断が分かれることが多く

担当医も「あえてホルモンバランスを女性そのものに近付けたければ摂ってもいいと思う」との事で
完全に否定というわけではありませんでした。
また、個人差もある為一概にこの薬だけでいいとは言えないが
基本的には摘出前よりホルモン剤の効果は高くなる…との事でした。

4.手術開始

手術内容の説明や質問の回答も終わり、
間もなく手術が始まりました。

笑気麻酔のマスクを口に当てられ呼吸をしていると
徐々にフワフワと意識が遠のいていき、
その間に陰嚢部に局所麻酔の注射が打たれていきました。
最初の1本こそチクッと刺さった感覚はありましたが、
それ以後は笑気麻酔の効果でほとんど何も感じず苦痛はありませんでした。

気付いたら切開が始まっていたようで、
マスクが外れるまでまったく分かりませんでした。

その後は淡々と手術が進んでいきました。
痛みは全くなかったのですが、手術器具のこすれる音が
どうにも恐怖心を刺激してしまい、
笑気麻酔の効果が切れてからは終始両耳を塞いでいました。
また痛みは無いものの、下腹部内部に引っ張られてる感覚はあり
これが少々苦しかったです。

両睾丸の摘出を終え縫合が済むと、
「はい、終わりましたよ〜」と声が掛かり、
そのまま起き上がってベッド脇へ立つように指示がありました。
特に立ち上がる際にふらつきなどはありませんでした。
立った状態で陰嚢部に保護が施され、
その上から鼠蹊部をクロスして沿うようにテーピングが行われました。

その後は下着、ズボンを履き、
カウンセリングルームにて痛み止めを服用した後
看護師さんに出口まで見送られながら退院しました。

5.帰宅から当日夜の様子

クリニックから自宅までは遠く、
私は電車とバスを利用して帰りました。
テーピングのため歩幅が通常より狭く、
またややぎこちない歩き方になっていましたが
麻酔の効果もあり痛みは特にありませんでした。

2時間ほど掛けて帰宅し昼食を済ませたあと、
抗生剤と痛み止めをそれぞれ服用し、
疲れからかそのまま夜まで就寝しました。

数時間後に目が覚め、局所麻酔の効果も切れていたようですが
動けなくなるほど極端な激痛はなく、
腹部に石が乗っかっているかのような重苦しさと
鼠蹊部付近がヒシヒシと痛むような感覚を感じる程度でした。
そのまま軽く夕飯を済ませ、洗顔と洗髪のみ行い
当日はそのまま就寝しました。

6.その後

……と、ここまで書いた時点で手術から5日経過していますが、
現在はテーピングも取れ、立ち上がる際や歩行時に
下腹部の痛みを感じるものの特に問題無く過ごせています。
ただ、鼠蹊部や臀部にテーピング痕のかぶれができており
それなりに痒いため少し頭を悩ませています。
早く完全に回復し運動が出来るようになりたいですね。



現時点で今後手術を受けるにあたってアドバイスするとしたら、
①激しい運動が出来ないため食生活には気をつける
②安静にする為に手術前に買い出しを済ませておく
③テーピングでかぶれた時のために
 市販の痒み止めを準備しておく
④なるべく低い位置に物を置かない
 (屈んで取るのがかなり大変なので)
⑤夏場はできれば避ける
 (お風呂に入れないので)

……といったところでしょうか。
また、もしSRS手術まで検討されている場合、
睾丸摘出から時間が経つと陰嚢・陰茎が萎縮してしまい
手術の手法が限られてしまうためその点は特によく考えてから
手術に臨んだ方が良いかと思われます。

今回の体験談が、
手術を検討されている方のお役に立てれば幸いです。
もしこの内容が参考になりましたら、
お気持ち程度に投げ銭していただけると助かります。
(なくても大丈夫です)
ご拝読ありがとうございました。

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