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シェアードユニバースっていいよねという話

これを読んでいるみなさんは“シェアードユニバース”というものを知っていますか?
最近だと今年の8月に公開される映画『ラストマイル』がキャッチコピーに「シェアード・ユニバース・ムービー」という単語を用いたことが話題になっていました。

簡単に説明するとタイトルの違う作品どうしが世界観を共有している作品群
をシェアードユニバース作品と言います。

先ほど話題に出した映画『ラストマイル』で説明すると、
・2018年にTBS系列で放送されたドラマ『アンナチュラル』
・2020年に同じくTBS系列で放送されたドラマ『MIU404』
と世界観を共有しています。

『ラストマイル』には『アンナチュラル』『MIU404』の登場人物が脇役として登場することが発表されています。


シェアードユニバースって、普通の“続き物”となにが違うの?

世界観を共有しているってのは、『ターミネーター1』と『ターミネータ−2』、『3』、『4』…みたいにナンバリングで続いているものも一緒じゃない?とツッコまれるかもしれません。

答えは、一緒です

まあ、ぶっちゃけてしまえば一緒なんです。
続編にて明確に前作と同じキャラが続投したり、その後の出来事が描かれればその時点で「世界観の共有」はできています。いわば、“続き物”もシェアードユニバース作品の一つの形です。

ここで私が推しているシェアードユニバースという概念は、そんな単純なものではありません。


シェアードユニバースの真価はこれだ!

シェアードユニバース作品の世界的な代表例を出しましょう。
それは、『マーベル・シネマティック・ユニバース』です。

その中でも日本で知名度がある作品は「スパイダーマン」や「アイアンマン」、「キャプテン・アメリカ」などでしょうか。

彼らヒーローたちの作品は、映画上においては同じ世界の出来事として描かれています。

知らない人は驚くかもしれませんが、アベンジャーズの映画で「アイアンマン」と「スパイダーマン」が一緒に戦っているのを見た人はピンとくるでしょう。

『スパイダーマン』『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』は当然ながらそれぞれタイトルも違えば監督も脚本家も別々の映画です(製作会社は同じですが)。

しかし、なんとも不思議なことにこれらは同じシリーズとして繋がっているのです。

どう繋がってるかを一言で説明するとずばり“ゲスト出演”です!

ゲスト出演が生み出す世界観の掘り下げ

『キャプテン・アメリカ』シリーズの3作品目、
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』という作品には、たくさんのゲストキャラが登場します。
その中には、主役映画のある『アイアンマン』や、『スパイダーマン』の姿も。

この作品自体は、『キャプテン・アメリカ』シリーズのみを見てきただけで十分楽しめるものとなっていますが、ゲスト出演しているアイアンマンのことが気になったら、過去に公開された『アイアンマン1〜3』を見てさらに掘り下げていくことができるのです。

その逆に、アイアンマンが主役の映画を既に見た状態でこの作品を見ると、脇役のはずのアイアンマンに深く感情移入することができちゃいます。(キャプテン・アメリカが主人公の映画なのに!)

ゲスト出演をきっかけに新たな推しを見つけたり、逆に過去に映画を見て知った推しキャラの登場に興奮できたりする。

どの作品から見ても正しい入り口であり、決まった順番がなく楽しむことができる作品シリーズ、それがシェアードユニバースなのです!
(ナンバリングがある場合はそれに従うのが吉ですが)

そんなシェアードユニバースに潜む問題点

ずっといいところを紹介してきましたが、問題点もあります。

作品数が増えて、世界観に厚みが増してくると、同時にキャラクター数が増えてきます。
そうなった時に、むやみやたらにゲスト出演を増やすorゲスト出演を減らしてしまうと、観客は
「彼/彼女はいったい何に出てきたキャラなの…?」
とか
「このキャラはいつになったらまた出てきてくれるんだ!?」
など、いろいろな不満が募っていってしまいます。

制作サイドも収拾がつかなくなってしまい、規模が大きくなるほど融通が利かなくなり、そこへさらに外的要因なども絡んで思うような展開ができなくなってしまうんですね。

作品の奥行きある世界観構築に重きを置いているのに、皮肉にもその世界観が広がるほど逆に作品作りにとって不自由になってしまうというのがシェアードユニバースの難点でもあります。

あとはシェアードユニバースに限られませんが、一つ一つの作品クオリティが高くないと長続きしないというのも、シリーズものの宿命ですね。

(現在はマーベル映画もこの問題に直面しています…)


まとめ

シリーズ拡大に伴うリスクはあれど、それはあくまでも制作サイドの手腕でどうとでもなるものです。それを差し引いても私がシェアードユニバースが大好きな起きな要因は、1つの世界の中で限られた誰かではなく誰しもが“主人公”になれる可能性を秘めているというところにロマンを感じているからです。

気になったものがあったらぜひ触れてみてください。
まずおすすめするのは『マーベル・シネマティック・ユニバース』です。
ここにシェアードユニバースを知るのに必要なものが全て詰まっています。

順番は本当にどうでもいいので、「ビジュがいいなー」とか、自分の関心が向いたキャラの映画から見てみてください!

https://marvel.disney.co.jp/marvel-studios-hero


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