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2020/09/19(土)

とある植物園を訪れた— まだ住み始めたばかりの街をもっと良く知りたいと思い、さまざまな施設を調べてみたらヒットした。辿り着くまでに、蒸し暑いなか上り坂を歩かなければならなかったのが少々辛かったが— 街の主要駅から現地へ向かう路線バスはあるらしい、種々の花々をゆっくり眺めることができた。園内に狭いながらも喫茶店があったので、そこで甘いデザートを頂くなどして一服もした。私は花鳥風月をじっくり眺めるのが好きで、それの叶う場所があるのは嬉しい。

帰路で悔やむことがあった。私鉄路線を経て下車した駅から帰宅する途中、階段を上がっていたところだった— ご年配の女性が、細長の、いわゆるシルバーカーを持ち上げて、階段を下りようとしていた。階段の途中は、正に私が乗ってきた私鉄のホームへと接続していたが、駅から出ようとするのなら、最下まで降りなければならず、一見して4、5、60段はありそうだった。これは,「お持ちしましょうか」とお声掛けするべきシーンだ。けれど、そのときの私にはできなかった。どうしてできないのかと、自分に対して悲しくなりながら、私はそのまま歩きつづけてしまった。あの後、おばあさんは無事に下り切れただろうか。

その後、さらに悔やむべき出来事が……東京都が利用を推奨する「ヘルプマーク」を付けた女性を見掛けたのである;改札の前で行先表示板を見詰め、何か迷っているらしかった。背負っているバッグを見ると、その「ヘルプマーク」をぶら下げていたから、さっきと同様「何かお困りですか」と果敢にお声掛けするべきだった。だけどそのときも、私は何の勇気も出せずにトボトボ通過してしまった。

最近は、スーパーや受付の店員などとを除いて、人と会って話していないせいか、人をどことなく恐れるようになっている。敬遠している。「お困りですか」とお声を掛けたとき、周りにいる人からどのような目線を浴びるだろうとか、本人に嫌がられたり鬱陶しがられたりしたらどうしようなど、不必要なことばかり胸の内をかすめ、狼狽えたり怯えたりしてしまう。その結果、他人と関わることについて、良心の声の通り行動できないまま、保身に陥るのだ。人と関わっていない時間が増えれば増えるほど、幾らか思考もネガティヴになってくるし、関係作りにも億劫になってくる。そういうことは、心配しても、すぐに対策できるときと、できないときとがあるものである。ただ、ずっとこの状態のままだと、自身は思っていない。

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