Vol.40 教材研究「大造じいさんとガン」①

 今週から「大造じいさんとガン」に入っていきます。校内研究があり、その事前授業をやる予定なので少し早めに入っていきます。

 いよいよ5年生最後の「読む」単元です。子どもたちがどんな読みを見せてくれるのかとても楽しみです。

 今回の単元の目標は「すぐれた表現に着目して読み、物語のみりょくをまとめよう」です。「大造じいさんとガン」は、登場人物の心情や場面の様子を表す表現が印象的な作品です。「着目して読み」とありますが、着目させるみたいなことをしなくても、読み深めていく過程でそれぞれが立ち止まって、自分なりの解釈をしていくと思います。そこで教師として表現を取り上げ全体で聴き合うようなことをするのか、同じ表現に着目している子と出会えるようにするのかを考えていきたいです。

 ただ、すぐれた表現に着目して読むこと自体が目的ではないです。一人ひとりが読み深め『物語の魅力に迫る』ことが大切なのかなと思っています。

 『物語の魅力』に関係してくるのは、「人物像」「相互関係」「展開」だと思っています。さらにその3つ全てを表しているのが「表現」なのかなと思っています。だからこそ、表現に着目することで物語の魅力に迫ることができるのではないかと考えています。

 ただ、表現に着目するよりも前に、「構造と内容の把握」も大切です。一人ひとりが構造と内容を把握する過程にどうかかわるかが難しいです。ずっと悩んでいます。僕自身が小学生のとき「ガン(残雪)ってかっこいい!」という印象をもったように、子どもの読みが残雪から入っていくのは自然なのかなとか思っています。残雪の様子や行動が書かれている場面に着目して読み、そのときの大造じいさんの心情を想像する。そうしていくうちに、構造と内容を把握し、もっと大造じいさんの心情を捉えようとする。すると、表現に着目していく?

 「構造と内容の把握」についてはもう少し考えていきます。ここを一問一答にしてしまわないように。中心人物は大造じいさんだとか、物語の山場はここだと押さえるみたいなことをしないように。一人ひとりが「物語の魅力に迫る」過程を支えることを大切にします。


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