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合気道の練習技と実戦技の違い

普段合気道で稽古する技は、実戦技ではなく練習技です。合気道を極めれば、触れた瞬間に殺してしまうようなのが、元々の合気道の技ですが、そんな危険なことを、練習相手に出来る訳がありません。

そのため練習技は、あくまで練習技なのです。


たとえば、合気道は素手だけではなく、剣、杖なども稽古して完成しますが、木剣や杖で練習する場合は、上段を打ち下ろす時、通常おでこを狙って打ち下ろします。

これは安全性を考え、万が一当たったとしても、おでこの骨は硬いため、致命傷を避けられるためです。

しかし実戦の場合になると、当然致命傷を与えられる急所を狙う、というように、実戦で使う場合は、普段稽古で行っているものとは、少し違うのです。


また合気道は、実戦では投げ技ではなく、基本的に当身を使いますが、これも普段の稽古とは少し違う所でしょう。

投げ技を使う場合にしても、普段の投げ方とは違い、頭を上から下に叩き付けるのが実戦技です。

ころころ転がしたりすれば、相手に逃げられるだけなので、稽古でやるようなことはしないのです。


もちろん普段の稽古で、そんなことをすると危ないため行いませんが、それでも昔は、割りと叩き付けたりなどしていました。

ある達人のお弟子さんは、ある時病院に行って診て貰ったら、頭蓋骨がヒビだらけだったそうです。

しかしさすがに今の時代では、そんなことは出来ませんね。


念のために言っておくと、練習技がダメであるということではなく、練習技で行うことで、誰でも安全に稽古することが出来ます。

また実戦技をやらなくても、練習技を使うことによって、実戦技の前段階としての練習、実戦技のための練習や、色んな研究が出来るため非常に優れたものです。

実際に何かあった時にしても、本当に命の危険があった時以外は、危険な技は使わず、加減したりしないと、大変なことになります。


ただ稽古では、練習のための練習のように、余り本質からかけ離れすぎてしまうと、全く意味のないものにもなりかねないので、注意が必要です。

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