メンタルの基礎代謝
うつ病を患ってから一番変わったなと思うのは、1日で勝手に消費されるメンタルのエネルギー量、つまり基礎代謝が下がったことだなと思う。
過度に頑張らずにいたら、生きていくのに必要なエネルギーが少なくて済むようになった。
強いストレス環境に長く身を置いたせいで、脳の一部機能を停止して自分を守った結果、脳内における正しく感情を機能させるために必要な免疫力が著しく低下した状態、それが私のうつ病だった。
少し話は逸れるけど、よく言われる「うつ病は心の病気」という解釈、もちろんそれもそうだなとは思うけど、患った当事者としてはメンタルといいつつ脳の病気なので、いまだに私はこの「うつ病は心の病気」にあんまりしっくり来ていない。なんかすごい抽象度が高くて、所謂「病んじゃった」という言葉に集約されるのが私はあんまり好きになれない。
精神科とか心療内科とかメンタルクリニックとか、なんかヤバくなっちゃった人が行く場所みたいな風潮が、この令和に及んでまだある程度残っていることに違和感がすごい。
もういっそ「脳内科」とかの名称にしてもらった方が解釈が一致するしもうちょっとその他の病院と足並みが揃うなとか、なんかよく分からないことをうだうだ考えていたりする。
なので、今は便宜上「メンタル」という言葉が分かりやすいので使っているけど、もうちょっと的確な言葉を使えるようになれたらなぁ。
何の話?時を戻そう。
今はだいぶ回復しつつあるし、復職をしてそれなりに働いている毎日を褒めながら我ながらよく元気になったなと思っている。とは言え、医者にも言われたけど、他の病気と同じで一度患うと再発のリスクは仕方なし高くなってしまう。
風邪をひかないようにマスクをしたりするのと同じように、免疫力が低下している状態なのでそれ相応の予防が必要だと頭と体が理解しているのだと思う。
穏やかになったと言えば聞こえは良いけど、分かりやすく言えばテンションが低くなった。
疲れに敏感になったし、元気の持久力が弱まって、細~く生きている感覚。
なんだか一気に老け込んでしまったのかもしれないと、最初のうちはちょっと落ち込んだけど、段々この温度感が適温になってきて心地いい。
頑張れなくなってしまった、と前だったら思っていたかもしれないけど絶賛「頑張る」と距離を置いているので、なんか別にどうでもいいような感じもする。
生きるのが低燃費になったんだなぁ、長生きしちゃうかもなぁとかなんとか思ってる。
変わってしまったものを敏感に摘み取ろうとせず、グラデーションのようにじんわりと混ざりながら徐々に染まっていってもいいんだなと思えるようになった気がする。
無理に受け入れようとせず、身を任せることで身を守る。
私にとっての自然な風向きを待つ。
私はまだ治りかけだけど、壊れかけではない。
人の優しさに救われながら生きる日々に、ふと思えたこと。
明日の私も、無理なく生きれていられますように。
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