見出し画像

帰国、即、成田難民

モスクワから成田へ10:30着予定が20分ほど遅れ、10:50ごろに成田に到着。関東に台風が来ているのは知っていたけれど、どれほどの被害があったかはまったく知らなかった。手荷物を受取り、酒を4本持ち込むことを正直にカードに記入し、出口へ。

いつも東京駅まで1000円のバスに乗り、銀座一丁目まで歩いて有楽町線で帰るので、今回もバスに乗ろうとチケット売り場に向かう。その前にWi-Fiを返し忘れそうだったので、先に返却した。バスチケット売り場の表示はすべて運休と出ていて、そこではじめて台風の影響を知る。首都圏の大きな被害もその時点では知らなかった。仕方がない電車で帰ろうと一フロア下ると、改札前には人だかり、向かいのスタバは満席。さてどうするか。

バスも電車も当分動きそうもない。今日中に仕上げたい仕事があったし、税務署にも行く予定があったし、銭湯にも入りたかったので、レンタカー、UBERなどを調べるも無し。外に出るも人混みで、タクシーは探す気もなくなる。要するに成田空港から出る手段が一つもない。成田空港の近所に在宅勤務の車所有の友人はいないし、歩いて出ようにも25キロ位のスーツケースが駄々をこねる。しばらく待つことに。

昼食を取りにダイニングフロアに向かうも、どの店も行列。食材が届かずに開店できていないお店もちらほら。帰ったら何を食べようかなんて話は急に贅沢なものとなり、何でもいいからお腹に入れたいという状態に。運良く焼肉屋が開店したので、入ることができた。1800円のステーキ定食を食べる。状況に似合わずリッチなランチ。食べ終わり、振り向くと入り口には行列ができていたのですぐに店を出る。成田にはどんどん飛行機が降り立つが、誰も外に出られない。人口密度が増すばかりで、座る場所もない。一番空いていそうな国際線出発ロビーに向かった。

運良くITOKIのプロモーション用に設置されたワークスペースに空きがあり、オンラインMTGをしていた海外の方にお願いして相席で座らせてもらう。ここで充電ができた。電気と水がライフラインだ。パソコンを開き、状況を確認する。交通機関は復旧する見込みはない。明後日から奈良出張だったので、成田から奈良に行けないかを探し出す。奈良には空港はないので、関空だ。関空はKIXと表記することを初めて知る。どうしてかエアトリのアプリをインストールし検索。関空に行く便は残り一席と出ていたが、タッチの差で満席に。遅くてもいいから時間の目処を立てたかったので、名古屋行きを予約。名古屋経由で奈良に行き、ビジネスホテルで泊まる算段。

出発予定は18:25。いま22:15、22:40に飛ぶことになった。隣の伊丹行きは欠航のアナウンスで疲れ切った客たちがさらに落胆した。結局奈良まではたどり着けないので、名古屋に宿を取る。どんなときもイライラせずに体験として消化したいものだ。成田空港にカードゲームやボードゲームと電源タップをたくさん寄付したいのと、ミュージシャンや芸人だったらこんな場を少し勇気づけられるのかと思うと素晴らしい才能だなあとつくづく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?