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【N高政治部】始動したN高政治部!オリエンテーションの内容と感想をN高生目線からお届け!

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今回は10月22日に行われた特別講師三浦瑠麗さんのオリエンテーション講義の様子をご紹介します。

三浦さんは国際政治学者で株式会社山猫総合研究所代表としてテレビやラジオなど多岐にわたって活躍されています。

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今回は自助努力についての講義をしていただきました。

この枠内に書かれた文章は僕個人の意見や感想です。


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↑写真❶

菅さんと枝野さんの意見が似ている。枝野氏は菅さんの意見を批判したが、それに代わる反論を用意したわけでなく、力点の置き方を変え菅さんへの対抗キャンペーンをした。
→保守側の菅さんとリベラル側の枝野さんの言っていることは、実はさほど違いがないが対立が生まれる。

保守とリベラルは完全に真逆だと思っていましたが、同じ方向を向いていることもあるんだと思いました。選挙のために力点を変えるのも良いけど、似ている意見ならば、もう少し協力し合った方が良い方向に進みそうな気がしました。

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↑写真❷

・年齢が高ければ高いほど、自助努力が大事と考えている人が多い。
・自助努力が大事だと思わない人は若い人ほど割合が高い。

自民党や立憲民主党などの大きな党は国民の7、8割が思っていることについていく傾向がある。
→高齢者が人口の多数を占めるこの日本社会において、自助努力が大事だと考えている人が高齢者ほど割合が高ければ、写真❶のメッセージのようになるのは必然的で、仮に政権交代をしても枝野さんは菅さんと同じようなことを言う可能性が高い。

人口の多数を占める高齢者の考えが反映したものが写真❶のメッセージだというのが分かりました。もし高齢者の人数と若者の人数の割合がほとんど同じだったとき、政治家の方の本当の考えが分かるような気がするのでそれを知りたいと思いました。

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・日本人は現状肯定感がとても低い傾向がある。
・年齢が高ければ高いほど、努力すれば日本は報われる社会だと考えている。(→写真❷に繋がる)
考えられる理由:今の高齢者は戦後の発展を生きてきたので、自分の努力と日本の高度経済成長期が関連付けられている状況があるから。

若者が努力すれば日本は報われる社会だと思う人が高齢者よりも少ない理由の一つにAIやロボットなどが職を奪う自体がおきるとニュースなどで報道され話題になっているのもあると考えました。

・意外にも若者より高齢者の方が変革を求めている。
だが高齢者の変革を望む気持ちが行動に表れているかというと微妙。
考えられる理由:高齢者が今の自民党政権を延命させてきたから
→表向きには若者より高齢者の方が変革を求めているが、本音では必ずそうは思っていないのかもしれない。

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↑写真の説明:(右に行けば行くほど自由、個人、自我などを重視していて、左に行けば行くほど政府による統治や安全など秩序を重視している。上に行けば行くほど非宗教的で非文化的で、下に行けば行くほど伝統的で文化的)

世界から見た日本社会の位置が分かり、とても興味深い分布図でした。

・日本は非宗教的であまり伝統などを重んじなく、自由と秩序の中間にいる。
・スウェーデンが属しているプロテスタントのヨーロッパは、カトリックのヨーロッパよりも、宗教から個人への移動が起きている。宗教はあるが個人を重んじている。
ポイント:90年代の日本はもっとスウェーデンよりにいた(もっと左側にいた)。

→儒教圏(オレンジ)とプロテスタント(黄緑)のヨーロッパ圏は近い。

二つの文化圏の共通点:
   他の文化圏よりも個人の自己責任をある程度過程している社会。
   家族の結びつきが近代化により弱くなっていて、その後に宗教などが
   入ってきていない社会。
   孤が確立していて孤独である社会。
価値観はとても大事で一端いじってしまうと後世にまで変化が起きてしまう場合がある。だから高齢者はどんなに変革を望んでいても、この価値観だけは変えていない。
→高齢者は努力をすれば報われる社会という信念が彼らの楽観主義を支えてきた。公助の部分を人口的に強くしなければいけないのかもしれない。

なぜ日本は90年よりも秩序を重んじる国になったか?
→日本が低成長時代に突入し、進歩よりも今のままの安定が大事になったから。

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何をするにしても社会では不平等という声が出てくる。平等を実現するのは極めて難しい。
実力主義を信じられる人は実力がある人や機会がしっかりと恵まれている人。自助努力は解決策にならないが、自助努力が大事だから皆が頑張れる。

自由と秩序の間のバランスはどういう風にあるべきか
→国によってその解は異なるし、国が出した解が正当なものであるという保証はどこにもない。それは時代によって移り変わるから。

自助努力と公助と共助のバランスはとても難しいし、政治家の方々もここを見極めて色々な社会保障などを作っていくのは難しいと思いました。

<まとめ>
自助努力は皆が頑張るために必要でとても大事なものだが、
問題が生じた場合はその解決策にはならない。

以上が講義の内容です。

講義の後には部員からの質問に答えていただきました。

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Q:若者は変化を求めないという話がありましたが、高齢者の方が変化を求めず若者の方が既得権益などを壊すために変化を求めていると思うのですが、なぜ若者は変化を求めないという結果が出たのですか?
A:高齢者は自分は物事が分かっていると思いがちで、若者は確固とした意見を形成するのに至っていないので自分の意見の正さにもある程度疑いを持っています。人間は年をとるにつれて自説の正しさの方が実態よりも大事になってしまう傾向があります。もう一つの理由として変わらなさに飽きている部分があると思います。(自民党の良いとこと悪いとこが全部見えてしまった)既得権益は作用を及ぼしたりするので、本音は高齢者ほど変化を望まなかったりします。

Q:田舎だと自助努力と言われても難しく、都心のことばかりに焦点が置かれていて地域のことについて考えられていないと思うのですが、三浦さんはどうお考えですか?
A:「東京においで」と人を救ってあげるのと、地方を良くしてあげる考えがあって、両方必要だと思います。地方を良くするには新しい産業がなくてはダメですよ。どんなに色々な改革をしても新しい産業がなければ古いところの秩序がそのまま残ってしまいます。どうやって人口が減ってきた社会で、一人頭の収入をどれだけ大きく確保するかという話になってきます。

Q:民主主義の社会においては選挙に行かなければ「わからない」という意見も意見にならないと思うので、分からなければ白票でも良いから投票して「自分はここにいるんだ」という意思表示こそが民主主義社会において重要なことではないのかなと思うのですが三浦さんはどうお考えですか?
A:自分の選んだ行動(白票を投じる、わざと受からない候補の名前を書く、投票に行かないなど)を自分で誇っていれば、それはそれで良いというのが私の自由主義的な考え方です。

自分には難しい話でしたが、グラフの分析により、今の日本人の思想の一部を知れたり、日本社会の特性や政治の難しさが分かり、とてもためになる話を聞くことができました。これからもかなり有名な政治家の方々が抗議に来てくださるということで、N高政治部の一期生になれて、心から嬉しいです。これからの活動で話し合いたい課題なども見つかり、政治部の良いスタートとなったと思います。これからの活動がとても楽しみです。


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ここまで見てくださりありがとうございます。
次回の記事もお楽しみに!!

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