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子どものために教師ができることを読んで

今日から、ブログをかいてアウトプットするぞ!と意気込んでから、2ヶ月。なかなか更新できない日々が続きました。春休みとなり、一区切りついたため、ようやく初投稿です!

1 この本を読もうとおもったきっかけ

 昨年度、筑波大附属小学校の研究発表にオンラインで参加をし、盛山先生の圧倒的な授業力に感銘を受けました。そして、盛山先生の著書を拝見し、算数授業において大きな影響を受けました。そこで、今回新たな著書を出される(しかも、筑波の算数部で活躍されている森本先生や盛山先生にも影響を与えている田中先生との対談形式)というのもあり、発売後すぐに買いに行きました。
来年度、新たなこどもたちを相手に授業や学級経営をしていく中で自分ができることはなにか再度確認しておきたいという思いがあり、この本を読みました。



2 この本の概要と感想

(概要)
この本は、1章「子どもとの距離の取り方」から始まり、「子どもと対話を楽しむ授業の仕方」「子どもが変わる接し方」「子どもが変わる算数授業の仕方」「これからの授業」について、田中先生と盛山先生の対談方式で進んでいきます。
 そのため、まるで自分が偉大なお二人を前に、インタビュアになって貴重な対談を聞いているかのように楽しく読むことができます!

(感想)
購入前の期待通り、二人の対談の中から、貴重な二人のリアルな今の本音を見とることができた。特に、学級経営の面では、子どもに対して、どう接していくか。教師をやっていると必ず悩むことになるであろう「やんちゃくん」との接し方などを二人の経験談をもとにかかれてあり、勉強になりました。

3 この本を読んでの学び

この本からは様々な学びをいただきました。その中でも特に印象に残っているところをピックアップし、自分なりに解釈してみた。

第一章「子どもの距離の取り方」

①子どもから本音を引き出すためには、子どもと同じ立場になること

特に、やんちゃな行動を教師だけが注意するのではなく、まずは、子どもに問う。「僕は、今のは〇〇だと思うけど、君は??」と問うたり、時には違う子からみても、その行動が不適切であることを知らせる。

→暴れる子どもには教師から「指導」するだけでなく、子ども同士が「注意」をできる雰囲気をつくる。

②学級始めには、なるべく早く怖い一面を。

学級びらきで約束したことに反しているとき、許さないというのは、子どもに伝えるけど、許さなかったらどうなるかが子どもに浸透していないと、「最悪破っても、どうってことない」ということになりかねない。
そこで、早い段階で、芽は摘み、言ったことは必ず守らせるという強い意思を見せることが重要。
 また、二人が共通しておっしゃっていた「一人を徹底して育てる」指導は、贔屓などの観点からNGな指導法と思っていたが、その一人を育てる過程から、他の子どもたちも育つという観点があることが意外な学びであった。

③怒りたくなるような行動にこそ、その根っこを探す努力を。

「何度言っても変わらない。」「考えられないような行動を起こす。」など、つい、感情的になってしまう場面。また、「どうしてそんなことをいちいち聞くんだろう。」とうようなしつこい質問にうんざりし、「そのくらい自分で考えなさい。」と言ってしまうことがよくあった。しかし、そうではなく、その子のその発言、その行動には、どんな背景があるかを考えることで、本当に子どもが求めていることが理解できるようになるということがわかり、今後気をつけていきたいと考えた。

→表に出てくる行動には必ず「原因」がある。

第2章「子どもと対話を楽しむ授業」

①授業のめあてはどうすれば良いか。

授業のめあては、方法を入れて、思考プロセスを入れて。子どもの言葉を繋げて。。
様々なことを言われて、未だめあてがどうあるべきなのかはっきりと見えてこないという課題意識があった。しかし、教師が細かく準備すればするほど、子どもを誘導してしまう。めあてが、ただのクイズになってしまう。

→授業のめあてを大きく捉え、本時において、身につけたい資質・能力をしっかり共有していくというイメージが必要。

②板書は、いつ行うのが良いか。

子どもの発言と同時に、板書を行うのが良いか。それとも、子どもの発言を何人か聞いてから板書か。
田中先生:「子どものやりとりの再現のために」2、3人発言してから、板書を行う。
盛山先生:「子どもが板書を見て新たな発言をすることができるから」1人発言してか      
      ら板書を行う。

→今、自分がしばらくやり取りをさせたいのか、子どもに再現を含めてのアウトプットをさせたいのかを見極め、板書のタイミングを決める。

③ボケても子どもが乗ってこない。

授業中にボケても、子どもに「わざとらしさ」が見え見えで、乗ってこないことがある。というのが、私の悩みであった。しかし、田中先生に言わせれば、「授業だけでボケても、子どもが乗ってこないのは当然である。」と。

→帰りの会や朝のかい、普段の生活からボケて、子どもがツッコミやすい雰囲気を創る。

④複雑なしかけをしすぎて子どもが混乱してしまう。

研究授業や公開授業など、どうしても人が見にくる授業では、何か工夫を。と思ってしまう。工夫すること自体が悪いことではないが、授業デザインはできるだけシンプルにする。そうすることで、子どもが自分の予想できない発言が来ても、待つことができ、授業に余裕ができる。

→①同様、身につけさせたい資質・能力をはっきりとさせてから授業に臨むことで、
待つ余裕が生まれ、子どもに力がつく!

第3章「子どもが変わる接し方」

①子どもの個性をどう活かすか。

 片付けが苦手な児童には、一緒にやってあげる。プリントを取りにくるのが遅い人には、教師が持っていく。子どもはその場しのぎができ、教師は「親切」なことをしたように感じる。一見「win-win」であるが、子どもは果たしてそれで本当に育つだろうか。そんなことを考えさせられる章であった。
また、逆にいろいろできるいわゆる「優等生」には、伝える力を育てることが重要であることが理解できた。

→その子に本当に必要な支援と正確な目標を定めて指導をして育てるという視点が重要

②子どものやりたい気持ちを大切にするには。

 何を行うにも教師が与えすぎてしまっては、子どもに力がつかない。そこで、初めはシンプルにして、子どもから、どんどんアイデアを出させる訓練をする必要がある。
 そして、その秘訣として、子どもに任せる段階では、苦手なことに取り組ませるのではなく、子どもが得意なことを積極的にさせ、そのパワーを使って、苦手なことにも取り組ませるというのが重要であることがわかった。

→子どもの「得意!」を生かして、子どもの「やりたい」を大切にすることで、子どもにとって居心地のよいクラスづくりができる。

第4章「子どもが夢中になる算数授業」

①ペアトークは何のために行うか。

授業の際に、よく見かけるペアでの交流、通称「ペアトーク」
では、ペアでの交流は何のために行うのか。
私は、これまで「確認」「教えあい」の意味で使っていた。しかし、そこに、「発表へ向けての練習」があるのは驚いた。考えてみれば、いきなり説明しましょう。と言われても、教師でも難しい。そこで、隣の人と発表の練習をすれば、今自分が何について話さないといけないのかがよくわかり、ペアでの交流が捗ることがわかった。

→ペアトークで、説明の力を鍛える!!

②子どもの「困り方」に寄り添うとはどういうことか。

一番印象に残ったのは、最近よく目にする「この人の気持ちがわかる?」という発問である。この発問はよく目にするが、実際のところ何のためにこの発問をしているのか深くは理解できていなかった。この発問と逆に、「この考え方わかる?」という発問をすればどうなるか考えると、子どもから、「それは違うよ。惜しいよ。」などの声が飛び交うことが容易に想像できる。そこで、気持ちを問うことで、その子自身の困り感にも寄り添うことができる。

→発言の気持ちを問うことで、間違った意見でも、安心して発言することができる!

③教材研究のポイントは何か。

資質・能力を確認して、板書を作って、発問考えて。。教材研究といっても多岐に渡るが、田中先生の教材研究の本質は、「子どもがいつ事件に会うか」ということであった。やはり、常に子ども目線で考えており、そのために、問題を全部解いたり、テストの問題を事前に把握して、子どもの「つまづく」ポイントをしっかりと押さえておくことが重要であることがわかった。
 また、盛山先生の、教科書を比較することで、採用されている教科書が設定した数値や単元計画の意図がわかり、深い教材研究を行うことができるという視点も勉強になった。

→教材研究を行う際には、子どもがどこで困るかを徹底的に追求する!!

④子どもの思考が切れない授業の流し方

自分の授業を振り返ると、これまで一つの問題を解き終わった後に、「さて」「ところで」といった場面ががらっとかわる接続詞を多用してしまっていた。しかし、改めて考えてみると、子どもは、本当に適用問題で、「適用」したことを実感できるのだろうか。得意な子どもばかりが活躍するのは、適用問題の扱い方にも問題があるかもしれないと考え直すことができた。今後は、「だったら・・」という子どものつぶやきを拾って授業ができるようにしていきたいと考えた。

→子どもがこの場合だったらどうなる?といった思考の流れが切れないような授業展開を行う。

4 この本を読んでこれからどうするか

この本を読んで、算数授業を中心に、子どものことを本当に考えられているか、自分本位な学級経営になっていないかを見直すことができた。
また、4月から新しい学級経営をしていく中で大切にしたいことは何かを再度しっかりと考えて子どもと接していきたい。
 具体的な行動策として、①子どもの名前を最初の出会いまでに全て覚える。②子どもの小さな変化、動きを見逃さず細かくメモと対話を行ない信頼関係を構築する。
③学級経営でこれだけは押さえたい自分の軸を再確認する。

4000文字を超える長い記事をここまで読んでいただき、ありがとうございました。私と同じような課題意識をお持ちの方の参考になれば幸いです。今回記載した内容はこの本のほんの一部です。他にも様々なことが書いてあります。この春休みの学びに役にたつこと間違いなしです。ぜひ、ご一読ください。


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