DEBATE AS A TOOL IN ENGINEERING AND SUSTAINABILITY EDUCATION


Abed AlaswadさんとSarah Junaidさんの論文。
http://www.cdio.org/knowledge-library/documents/debate-tool-engineering-and-sustainability-education
仕事に関係するということもあり、文献を読んでおきたい。

工学教育におけるディベートの教育効果についての教育実践論文。ディベートの定義、先行研究、また研究メソッドなどなど、自分の研究テーマと重なり合うため英語圏でどのように論じられているのか気になる。

要約すると、機械・デザイン教育におけるエンジニアリングデザインと環境の授業でディベートを導入することで、学生の参加率、平均点、合格率が上昇したことを報告している。
前年度の授業と比較しているのだが、比較項目としては、授業の参加率(student attendance)、 オンラインによる学生からのフィードバック(Feedback gained from students via an online survey)、平均点(average mark)、合格率(pass rate achived),口頭や文書でのフィードバック(verbal and written feedback)である。説明の仕方が参考になる。

(Zare and Othman, 2013)によれば教育ツールとしてのディベートは、
チームでの共同作業を促進し(promotes working together in teams)、集団課題を遂行する際に積極的かつ建設的な相互作用を生み出す(positive and constructive interaction)という利点がある。
その教育的効果として、学習意欲(academic ambition and improvement), 知識の保持(longer retention of the knowledge gained), より高いレベルの批判的思考(higher level of critical thinking), 自尊心(higher self-esteem) 建設的なコミュニケーションの仕方( more constructive communication)が挙げられている。
さらに、個人的な学習活動と比べて、グループ学習は、より高いレベルの推論(higher-level reasoning)、より創造的な解決策(more creative solutions )and 知識の伝達(greater transfer of knowledge within the team itself and the wider classroom environment)をもたらす。
まとめ方が明快で上手である。

また、工学教育においてディベートを取り入れた研究成果として
Hamouda and Tarlochan (2015)、Alford et al. (2002)、Snider and Schnurer (2002)、Mumtaz and Latif (2017) Aclan, Noor and Valdez, (2016)を紹介し、工学教育においてディベートを導入することが学生のモチベーションやコミュニケーションスキル、批判的思考、チームワークを向上させることを整理している。

このようなまとめ方があること自体が勉強になる。高専の社会科教員として赴任したのが16年前。その頃からディベートやディスカッションを取り入れた授業は数多やってきた。
学生は楽しそうだし、議論は白熱する。公民や歴史の教科書学習は嫌いでも、ディベートは積極的に参加してくれる。さすが高専生、斬新な意見を述べてくれる場合もある。しかし、肌感覚ではその教育効果はわかっているが、それを分析する視点が欠けていた。このことを素直に認めることで次にいけるような気がする。

ISATEで複数回、英語のプロシーディングも書いてきたし、オーラルでのプレゼンテーションも経験している。こうした経験を活かしたい。
海外の工学教育の教育実践研究の中に、自分たちの教育実践の試みを的確に位置づけて、英語できちんと論じる、論じ切ることの重要性が分かった気がします。

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