退職しました

最終日の三日前以上からずっと最終日にくばるお菓子について悩んでいた。

フィナンシェは一個200円以上する。20個かったら4000円だ。

どうでもいいとは思うけどちょっと最終日にくばるにしては高額泣きがする。3年満了していれば別だけど、数ヶ月しかいないのに。

まずは近所のおせんべいやに。すぐ目当てのものがみつかった。一個160円だいぶ予算ないだ。これに決めて日曜はすぐに帰宅。

でもそのあとになって、ケチくさい真似はあとあとなにか言われそうと悩み。最初に目をつけていた洋菓子屋にかけこんだ。気温35度。軽い熱中症になった。同じフィナンシェを20個ほしかったが、本店からの取り寄せになるとのこと。待つのは構わないが。見渡すともっと美味しそうな洋菓子が 並んでいる。しかも値段は同じ。値段同じなら種類は混ぜちゃってもいいやと判断。一個290円だった。全部で5000円をオーバー。

当日、夜勤のため他のスタッフのいる時間を見計らう。早すぎてもおそすぎてもいけない。そこまで気を使うのか?ともおもったが20年ブリの就職だったのでそのへんは前任者のルールにあわせた。

おかしを配り、軽く挨拶をした。おかしは美味しかったようで好評だった。よかった、中途半端なもので後々の印象を悪くしたくない。

関係ないとはいえ、世間はつながっているものだ。

課長に挨拶をして、またどこかで偶然あったらよろしく、みたいな挨拶をしたら、「元気でね」みたいにいわれて、大会社だけあってみんな本当にいい人たちばかりだとは思う。年収6倍くらい違うのでおんなじ立場で考えても仕方がない。スタッフなれしている人は、上司に媚びるのも報告するのもなにからなにまで立ち回りがうまい。下っ端慣れとでもいうべきか。それが世間なんだよとも思うけれど。

部長はものすごいソツナイけれど、しっかりいい人をアピールできる挨拶をして帰った。みんなさすが大会社に長くいるだけあってちゃんとしている。

ほかの小さな会社と違ってなんの問題もない気がしていた。それはたぶん退職するからであって、幻想だ。

最後なので化粧をしてワンピースで行ったら、よほど機嫌よくみえたのか、「次決まってるの?」と言われた。決まってるわけないだろう。

定年退職する人があちこちでお菓子をもらったり、花束をもらったりして帰っていった。定年退職はお菓子をもらうのに、中途退社はお菓子を配るのも不思議な風習だ。

みんないい人だった。だったら長く勤めればよかったのに、とも思う。

やめるにはやめるなりの理由があり、最後にはみんな惜しんでいい人に見えているだけなんだろうと思った。

最後の社食は、チキンのイタリアンソースチーズがけ、560円だった。全体的にいまいちおいしくない社食だったが、定食を500円で食べられる店はない。最後のほうに、味噌汁44円といなり寿司66円とかき揚げ77円という超絶な組み合わせを試したりしていたが、やはりこれも社食だからできることだ。

退社手続きで、手続き専門の子会社の人が来て、書類にサインした。

会社のなかのことは一切秘密にしますという書類にサインと捺印させられた。そういえば他の会社では3年間とか5年間とかあるが、期間は設定されていなかったとさっき思い出した。

定年を待つだけのぱっとしない人や、お弁当を食べに行っているだけの定年退職後の人とか、少なくとも仕事してるなーっていうのは女性だけだった。そういうことを公表されたくないのかな。

とりあえずお疲れ様でした。じぶん。

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