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ヴァイラー鹿島の最新序列

レネ・ヴァイラー監督が合流し、本格的に指揮を執るようになって1ヶ月近くが経つ鹿島アントラーズ。選手起用にも岩政大樹コーチが監督代行として率いていた時から違いが徐々に現れるようになってきた。今回はそんなヴァイラー鹿島での最新の選手の序列をポジションごとに整理していく。

ここまでの布陣図

3/15 ルヴァン 大分戦
3/19 リーグ 湘南戦
3/26 ルヴァン G大阪戦
4/2 リーグ 清水戦
4/6 リーグ 福岡戦

最新序列チェック

記号の見方

◎:不動
○:有力
▲:微妙
△:バックアップ
×:離脱中

GK


クォン・スンテ



沖悠哉

早川友基、山田大樹
×

昨季途中まではポジションを失っていたクォン・スンテが今季は完全に守護神として君臨している。的確なプレー判断に基づく安定感抜群のプレーはもちろん、バタつくことの少なくない最終ラインを支えるコーチングも含めて、今季の鹿島の守備陣においては欠かせない存在となっている。
昨季途中までレギュラーだった沖悠哉は今季はスンテと大きな差をつけられており、現状ではカップ戦要員に甘んじている。早川と山田はバックアップ的な立ち位置だが、現状では早川の方が序列が上のようだ。

CB


三竿健斗、関川郁万



キム・ミンテ、ブエノ


×
林尚輝

センターバックは関川郁万と三竿健斗のコンビで固定されつつある。本職がボランチの三竿はCBの頭数不足もあってコンバートされたが、最終ラインでリーダーシップを執ることが出来、そこそこ繋げて、対人でも頑張れるので、今ではCBの一番手となっている。関川は調子を戻した状態の時にヴァイラーが合流したのが大きく、そこから調子を上げるチームと同じく、自身の立ち位置も確実なものとしつつある。対人兵器としてはもちろん、攻撃陣への鋭い縦パスも、チームの武器の一つになってきた。
助っ人2人はやや厳しい。キム・ミンテも調子は戻ってきつつあるが、こちらはヴァイラーが合流した時に一時離脱していたのが響いており、ここから巻き返しなるか。ブエノは大分戦でのパフォーマンスでまだ波があることを露呈してしまい、序列を下げてしまった。当面はミンテとの3番手争いとなるだろう。
林はケガで離脱中だ。

右SB




常本佳吾

広瀬陸斗

小田逸稀
×

右サイドバックは、ヴァイラーが合流してからは一貫して常本佳吾が起用されている。ボランチが攻撃的にシフトしているため、守備強度維持のために常本のカバーリング能力の高さは重要視されている節がある。
広瀬陸斗は岩政体制下では出場機会を得ていたが、コンディションを崩したのと、その時より繋ぐことにこだわらなくなったので、序列の差が広がりつつある。小田逸稀はG大阪戦で途中出場したが、バックアップの域を出ていない。

左SB


安西幸輝



和泉竜司

小田逸稀、溝口修平
×

開幕前から層の薄さを懸念されていたポジションであったが、予想通り現状は安西幸輝の一択となっている。バックアップになりそうなのは、ここでも出てくる和泉竜司。大分戦で起用されていたが、悪くないパフォーマンスだったので、今後もスクランブルの際は起用されそうだ。逆に本職でない和泉より序列が下になっている小田逸稀と溝口修平は奮起が不可欠だ。

ボランチ


樋口雄太、和泉竜司



ファン・アラーノ

中村亮太朗、キム・ミンテ、荒木遼太郎、舩橋佑、小川優介
×
ディエゴ・ピトゥカ、名古新太郎

ヴァイラー体制になってから、守備時はフラットの4-4-2で2ボランチ攻撃時はダイヤモンドの4-1-3-2で1ボランチの布陣を採用することが少なくない。そのため、純粋なボランチというよりもトップ下もこなせるような攻撃的な人材を置くことがボランチでは増えてきている。
そんな中でボランチに求められているのは、攻守に走れて、気が効くこと。それを一番体現して、軸となっているのが新加入の樋口雄太だ。彼がアンカーでバランスを取りながら攻守に走り回ることで、今の鹿島のスタイルは成り立っている。プレースキッカーとしても早くも必要不可欠な存在となりつつある。
2番手に急浮上しているのがヴァイラーのリクエスト好みのプレーを見せている和泉竜司であり、またファン・アラーノも湘南戦では途中からこのポジションで起用されており、序列が上がっていきそうだ。
反面、厳しくなっているのは中村亮太朗。あまりプレーエリアが広く、アップテンポを好むタイプのプレイヤーではないため、序列が下がっている。キム・ミンテもそうだが、彼はリードした試合終盤に試合を締めるクローザーの役割を期待されているのだろう。荒木遼太郎は強度の面で不安が残り、舩橋佑と小川優介はまだ競争に加われていない。
また、ディエゴ・ピトゥカはヴァイラーのリクエストには合っていそうだが、例の一件で今後どのような起用になるかは不透明だ。名古新太郎は離脱中だが、ヴァイラーのリクエストには合っていそうなので、巻き返しに期待したい。

2列目




ファン・アラーノ、和泉竜司、アルトゥール・カイキ、仲間隼斗、土居聖真

松村優太、荒木遼太郎


×

現状の最激戦区となっているポジションであり、レギュラーを確固たるものにしている選手がいない状況だ。2列目で求められているのは速い切り替えへの対応力。また、全体的に攻撃がスピードアップしているので、丁寧に繋ぐというよりは、素早くゴールに迫ることが求められており、さらに強力な2トップをシンプルに活かせるようなプレーを選択出来る選手の重要度が上がっている。
その点踏まえて、レギュラー候補となっているのはファン・アラーノ、和泉竜司、アルトゥール・カイキ、仲間隼斗、土居聖真の5人。アラーノ、和泉、カイキ、仲間はおそらくヴァイラーからの評価が高いようで、連戦でもコンスタントに出場機会を得ており、ここで結果を残せば立ち位置を確実なものに出来る。土居はケガで一時離脱していたが、ここに加われる可能性は十分ある。また、松村優太はケガで出遅れていたものの、持ち前のスピードを活かし、ジョーカーとしての立ち位置を確立しつつある。
厳しい状況にあるのが、荒木遼太郎。おそらく、ヴァイラーが起用法に最も困っているのが彼だろう。能力の高さは間違いないが、ライバルたちに比べて強度の面が不足しているのと、サイドよりも中央で受けたがるため、2列目のサイドで使うのは難しい状況だ。ヴァイラーが荒木に合わせることはしないような気がするので、荒木が上手くヴァイラーのスタイルにフィット出来るかが、カギとなりそうだ。

FW


上田綺世、鈴木優磨



アルトゥール・カイキ、染野唯月、荒木遼太郎、土居聖真、ファン・アラーノ


×
エヴェラウド

前線は上田綺世と鈴木優磨の2枚看板が不動の地位を築いている。今季の鹿島はこの2人ありきでチームが成り立っており、この2人の存在自体が最大の武器となっている。
染野唯月や(ケガで離脱中だが)エヴェラウドが彼らのバックアップとなっており、またFW4枚の中で組めない時はそれに対応した形を構成する必要があり、必然的に戦い方も変わってくる。アルトゥール・カイキはCFとしてもそれなりに機能するが、荒木遼太郎、土居聖真、ファン・アラーノが起用された時は彼らはトップ下となって、1トップの近くでセカンドボールを拾いつつ、サポートする要員となる。

まとめ

現在、チームは連勝が続いており、調子を上げている。だが、その中ではヴァイラーによる選手の見極めが続いており、この流れを経てチームには主軸となれる選手とそうでない選手との差がハッキリとしてくるのではないか、と個人的には予想している。逆に言えば、選手たちは今熾烈なアピール合戦の真っ只中にあるわけである。チームがこのまま好調を維持出来るかと同時に、この生き残りレースの中で誰がアピールに成功出来るか、そのあたりも今後の鹿島を見ていく上での注目ポイントとなっていくだろう。


遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください