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鹿島アントラーズ2021シーズン選手別レビュー(前編)

タケゴラ

GK

クォン・スンテ

5試合出場(5試合先発)1失点

神様仏様スンテ様、である。今季はそもそも沖の面倒を見ることが仕事の大半になりそうなのが確実だったのに、それでも残ってくれたこと自体がよくよく考えてみればおかしかった訳で。リーグ戦では時に外国人枠の関係でベンチ外もありながら、カップ戦で出番を得ると堅実なプレーを披露していると、終盤戦になって唐突に先発起用されることに。まあ、沖のパフォーマンスが酷かったのと、ACL出場権を是が非でも掴みたかったんだろうが、スンテ自身は見事にその期待に応えるパフォーマンスを見せた。特筆すべきはチーム全体を動かせるコーチングと、的確な状況判断。キック自体の質は決して高くないが、とにかくチャラいプレーは絶対にしないため、ここでやらかすことはないだろうな、と安心して見ていられた。だが、来季も沖との競争はあるし、再び監督が代わりサッカーも変わるため、年齢的なことも含めてスンテの扱いの難しい状況は続く。移籍でも致し方ないと思うし、残ってくれたらそれだけでハッピーだ。

早川友基

リーグ戦出場なし

今季は山田のケガもあって第3GKの立ち位置。外国人枠でスンテが外れることもあったので、リーグ戦でのベンチ入りも少なくなかった。公式戦では天皇杯でデビュー。試合前のアップや練習試合を観た印象としては、シュートストップも組み立てへの参加も悪くないが、もうちょっと安定感が欲しいし、特に組み立てについてはプレッシャーを受けた時が結構怪しかった。来季はキーパーも横一線のスタートになる可能性があり、早川にとってはチャンス。ただ、同年代のライバルキーパー多すぎぃ!問題を抱えてる今の鹿島で、その犠牲になる可能性もゼロではない。

沖悠哉

33試合出場(33試合先発)35失点

昨季頭角を現した若き守護神は、今季絶対的レギュラーとしてその地位を盤石にするかと思われた。実際、シュートストップだけなら十二分に評価されるだけのパフォーマンスを見せた。ただ、ハイボールへの対応はずっと怪しかったし、何よりまずかったのはプレー判断がとにかく雑だったこと。特に、キックについてはプレッシャー受けて色気出してミドルパスで繋ごうとして引っ掛けてカウンター食らうシーンが多発。組み立てに安定感のあるキーパー、とは完全に言えなくなってしまった。もっとも、ザーゴがいなくなって組み立ての形自体がなくなってしまったことも沖にとっては不運だったのだが。来季は監督が代わるのでレギュラー奪還の可能性も十分あるが、プレー判断の質を上げないと一気に見切られる可能性もある。

山田大樹

リーグ戦出場なし

今季はリーグ開幕戦でベンチ入りするなどスタートは上々だったが、大ケガで早々にシーズンアウト。悔しいシーズンになってしまった。ただ、来季は横一線スタートになるため、そういう意味では早川と同じくチャンス。沖や早川と比べてもサイズ的に恵まれており、クラブからの期待値も高そうなので、どこかでチャンスが巡ってきそう。それを活かせるか。

髙橋楓

リーグ戦出場なし

夏場に2種登録されたユースの守護神。山田がいなかったので、4人体制を継続するために呼ばれたのもありそう。公式戦に絡むことはなかった。

DF

安西幸輝

16試合出場(12試合先発)1アシスト

夏場に戻ってきた突貫小僧。復帰当初は途中出場だったり、ターンオーバー的に使われたが、9月以降は完全に左サイドバックのレギュラーとして定着した。陣地を押し込んでプレーしたい相馬監督のスタイルでは、独力でボールを運べる安西の存在は大きかったのだろう。キープ力のあるカイキと組んだ時は、鹿島の攻撃は完全に左サイド主体になっていた。だが、精度がイマイチ上がらなかったのは痛かったし、左足を全く使わないのがバレてからはしんどかった。クロスも上げきれないし、何より組み立てで安西のところでワンテンポ遅れてしまうため、相手にガッツリ刈りどころにされることもあった。守備も距離感の怪しい部分があったのでここも要改善。来季はコンディション万全でシーズンイン出来そうなのでキレは増しそうだが、サイドバック(特に左)で使うにはかなり癖があるので、新監督がどう考えるかは来季の安西を左右しそう。

杉岡大暉

7試合出場(5試合先発)1ゴール

ザーゴ体制でも相馬体制でも永戸のバックアップとしてターンオーバー的に使われるのは変わらず。ただ、ザーゴ体制では高い位置取ってもボールが回ってこず、低い位置だと組み立てに上手く参加出来ていなかったが、相馬体制だと相手を押し込む意味合いで杉岡へのロングボールを多用するようになったので、持ち前の高さで競り勝っていくなど貢献度増。安西のようにもうちょっと杉岡ありきのスタイルがチームで仕込まれれば、もっと重要度は増していった気がする。ただ、その安西加入で左サイドバックの3番手に下がったことで、帰巣本能を発動させ湘南に帰還していった。永戸がいなくなってしまったので、左利きのサイドバックを抱えたいチームとしては帰ってきてほしいのかもしれないが、たぶん湘南にいた方が幸せだし、チームに必要な左利きは杉岡のタイプではない気がする。

永戸勝也

29試合出場(22試合先発)1ゴール4アシスト

今季は開幕から左サイドバックのレギュラーに定着。堅実なプレーを見せていたし、チームがセットプレー改革をしたこともあって、プレースキッカーとしての存在価値が一気に増すことに。左足からのキックで面白いようにアシストを量産していった。ただ、流石に相手に研究されてセットプレーの勢いが弱まってきたのと同じく、ピトゥカがやってきてなんかわからないうちにピトゥカがプレースキッカーになっていたのが、永戸にとっては痛かった。組み立ても重要視していないし、永戸じゃなくても左利きのキッカーがいる、となっては永戸を使うメリットを見出しにくかったのだろう。安西がフィットするのと同じくして、あっという間にレギュラーの座を追われ、そのままフェードアウトとなってしまった。シーズン終盤はベンチに入れるサイドバック3番手を広瀬と争うよくわからない状況になっていた。まあ、ここまで書いていたのを読んだら、そりゃ移籍するわなと思う。たぶん、マリノスだと普通に活躍しそうだし、その報いは受けても仕方がない。

ブエノ

1試合出場(1試合先発)

夏場に帰ってきた肉体の悪魔。ブラジルで天日干しにされていたようで、コンディションが明らかに上がってなかった。出場したのはホーム福岡戦1試合だけだったが、そもそもチームとしててんでダメだったし、ブエノ自身もポジショニングとかからっきしだったし、あんまフィジカル勝負でも優位性を示せてなかった。まあもう一回チャンスあげてもいいのでは、と思ってたとこでケガして結局シーズンアウト。細かい個人戦術のところを要求すると厳しいけど、それでもあの圧倒的なフィジカルが戻ってくればそれで無双できるので、来季は残って復活してほしい。ウパメカノになろう。

広瀬陸斗

9試合出場(7試合先発)2アシスト

序盤は小泉と右サイドバックのポジション争いを繰り広げていたが、常本が台頭すると完全にバックアップになってしまい、ほとんど出番が訪れなかった。パスセンスもいいし、何よりクロスが正確、プレー判断も的確なのでいい感じに相手の裏を突けるラストパスも出せるし、めっちゃいい右サイドバックなのだが、まあ守備面で広瀬より計算できる常本の壁を最後まで越えられなかった。常本もそこそこ繋げるしね。左サイドバックが安西で高い位置を取ること考えても、右サイドバックはバランス取らなくてはいけなかったので、その辺も広瀬には向かい風となってしまった。とはいえ、広瀬レベルのサイドバックがこの出場数はどう考えてもおかしい。ただ、来季も常本の方が使われそうな気がするので、移籍考えても仕方ないかなと。後輩の面倒見もいいし、いてくれるといいんだけどそれは贅沢だろう。

林尚輝

6試合出場(5試合先発)

大卒ルーキーとして迎えた今季は監督交代と共にCBの3番手に浮上、出場機会も掴んだ。プレーとしてはとにかく堅実。高さ、強さ、速さもそこそこあるし、ミスも少ない。繋ぎも決して決して上手い訳ではないが、チームのテンポを狂わせることはない。とにかく計算できる選手である。ただ、フィジカルお化けみたいな選手とのマッチアップではかなり苦戦を強いられ、そこで他のセンターバックがフォローに来ざるを得ない→引きずり出されて空いたスペース使われる→失点、みたいなパターンは結構あって、そこが響いたのか終盤戦は序列を下げてしまった。まあ大学リーグにはクリスティアーノやフアンマはいないので、仕方ない部分はあるが。来季はセンターバックがどこまで守備のタスクを背負うかで、序列が変わってきそう。チームとして守ることを選択するなら林の出番が増えそうだし、数的同数でも個の力でなんとかしてください!だとしんどそう。

町田浩樹

34試合出場(34試合先発)5ゴール1アシスト

今季覚醒して昌子や植田のレベルと並ぶ無双っぷりになってきた。何がこんなに良くなったんだろうと思って考えたのだけど、多分相手の寄せ方身体の当て方が格段に上手くなってる。元々、フィジカル面で恵まれていた(プラス鍛えて強くなってる)ので、フィジカル勝負に持ち込んでしまえば負けないということを最大限に活かして、自分のパーソナルスペースに相手を置けるようになったのが大きい。相手からしたら身体ぶつけられたら勝てないし、交わそうとしても長い脚を伸ばされて阻まれてしまう、という不条理っぷりだ。身体の当て方も上手くなったのでファウルも減ったし、セットプレーで競り勝って点取れるようになったのもこの辺の影響かなと。たまに、絶対その強さでぶつからんでもいいだろ、ってとこで強烈タックルかまして相手をぶっ飛ばしている狂気はあるが。ただ、これでいつ海外に行ってもおかしくなくなってしまったので、その辺は覚悟が必要だろう。

常本佳吾

26試合出場(25試合先発)2ゴール1アシスト

鹿島でこんなに大卒ルーキーが大当たりするのを久々に見たかもしれない、ってレベルでハマった右サイドバック。監督交代を機にスタメンを掴むと、そのまま一気に定着。走れる、対人強い、そこそこ繋げるという安心安全明治ブランドの力を示す形となった。押し上げて幅を取って押し込むことも出来るし、安西とのバランスを取って後ろで余って安定感を担保することも出来るので、非常に使いやすかったんだと思う。何より目の前のサイドアタッカーは確実に封殺してくれるし。課題はクロスの質とやたら色気を出したがること。味方がそこまで繋ぐ気ないのに繋ごうとしたり、別にそんなイチかバチかなプレーしなくてもって時でもメチャクチャなタックル仕掛けたりするので。その辺も明治スタイルなのかもしれない(未確認情報)。来季もたぶん右サイドバックの一番手のはず。今季のプレーを継続できれば代表も海外もある。

関川郁万

13試合出場(13試合先発)1ゴール1アシスト

開幕当初こそセンターバックの3番手でスタートしたが、無茶苦茶な判断を連発して、監督交代と同時に4番手に降格。そこからすっかり蚊帳の外だったが、林が対人戦怪しいのがバレてきたのと、センターバックが対人で負けたら詰むみたいな守り方に傾いてきたこともあり、犬飼の離脱と共にレギュラーに定着。そこからは最後までポジションを譲らなかった。空中戦は高校時代ほど勝てていないが、地上戦はやはり滅法強い。判断ミスも完全になくなってはいないけどかなり減ったし、あとは縦パスの質がいい。運ばなくても鋭いパスをガンガン通せるので、組み立ての仕組みが無になったチームにとってその存在は貴重なものとなった。来季、主力として一年間プレー出来れば本格的に覚醒しそう。もうちょっと空中戦勝率を上げられると、守備で無双できるはず。

犬飼智也

29試合出場(23試合先発)5ゴール

今季もDFリーダーとして最終ラインを統率した。たまーにやらかすし、ダメな日はからっきしだけど、それでも基本的に対人で戦えるし、組み立てでもスムーズにボール動かして運べるし、何より声で最終ラインを動かせるので、相馬監督のコンパクトな陣形の実現には欠かせなかった。犬飼がいなくなった後の最終ラインは明らかに低くなっていたけど、それでも守れていたのは町田・関川・常本が対人に強かったから。犬飼は自分が守りやすいようにちゃんと周りを動かせていたのだ。ケガがなければシーズン通して主力だったろうし、復帰した時にはスンテと関川の存在もあって守備が安定したので、スタメンに戻す理由がなかったのが正直なところだろう。そうなってくると、来季の立場が微妙なので移籍を考えるのも仕方ない部分ではある。クラブとしては関川・町田の対人最強コンビ育てたいだろうし。センターバックのリーダー役は現状犬飼1人しかいないので、いなくなると代わりはいないのだが…。

後編に続きます

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