ルヴァン杯名古屋戦の注目ポイント
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また、ルヴァンカップは今季から大会規定が変わり、アウェイゴールが廃止になっている。
最悪でもイーブンで折り返せ
まず、鹿島に求められるのは相手にリードされた状態を作らないことだ。特に、第1戦は何としてでもドロー以上で終わらせたい。今季の鹿島は相手に先行された時の勝率がかなり悪く、逆転勝ちした試合はアウェイFC東京戦のみ、追いついてドローに持ち込んだ試合もアウェイ鳥栖戦と直近のアウェイ湘南戦しかない。ましてや、相手は堅守の名古屋である。リーグ戦のアウェイゲームでもそうだったが、リードされた状態で相手の守備を崩してゴールを奪うのは、かなり難しいミッションになる。
反面、第2戦は5か月近く負けなしのホームカシマでできることを考えれば、相手に先行させることがなければイーブンな状態でも勝算は十分にある。しかも、アウェイゴール廃止で失点のダメージは軽減された。ルール変更も追い風にしたい。
サイドの守り方を修正できるか
相手にリードを許さないということで一番大事なのは、失点しないことだ。失点しなければ、相手にリードされることは決してない。そう考えた時に、鹿島にとって注目したいのがサイドの守り方だ。
チームが上昇気流を掴むきっかけの一つになった「引いて構える守備」から、夏場に再び「前から圧力を掛けていく守備」に取り組んでいる鹿島。ゾーンの意識が強いところから、人を捕まえる意識に変わりつつあり、それは守備の柱でもあるセンターバックも同じ。中央を固めるだけでなく、相手アタッカーがサイドを突いてきた時には対応するようにセンターバックも流れてそこで潰し切る、ことを狙うようになっている。
だが、その守り方の変化を相手チームに付け込まれることがここ最近は目立っている。サイドに流れたところでボールを預け、守備力の高いセンターバックを引っ張り出したところで、空いたスペースのギャップを突く。植田直通と関川郁万がハイパフォーマンスを続けるからこそ、そこを逆手に取ったやり方であり、事実リーグ戦の対戦でもこの形から失点しているし、直近の湘南戦でも1失点目はこの形からだ。
鹿島としては、やり方を変えたことで起こる現象として予期できるものであり、ある程度リスクとしては織り込み済みだと思われるが、それでもここ最近この形でやられていることを考えると、流石にこのままにしておくわけにはいかないだろう。ましてや、名古屋の右ウイングバックに入ることが予想される野上結貴と鹿島の左サイドバックに入ることが予想される溝口修平は、サイズの面でミスマッチがあるため、名古屋としても前回対戦の再現は狙ってくるはずだ。逆に言えば鹿島もそれはわかっているだけに、やり方を大きく変えることはしないだろうが、チームとして微調整をしてくることは予想できるし、それがどこまで結果に反映されるか注目したい。
セットプレーを改善させよ
攻撃面の注目ポイントは、セットプレーだ。国立での対戦時は、鈴木優磨が見事に合わせてゴールネットを揺らしたが、前回対戦では立ち上がりから多くの機会を得ながら不発に終わってしまった。その理由としては、試合を振り返ったロニー会議でも触れているのだが、おそらく大きいのが名古屋側がしっかり対策してきたことだろう。国立ではファーサイドから合わせていくことでゴールに結びつけたが、前回対戦がそこがことごとく封じられてしまっていた。
第1戦の当日も雨予報になっており、豊田スタジアムのピッチは前回対戦と同じく柔らかくなっていることが予想できる中だと、キッカーとしては引き続き厳しい状況になるだろう。その中で、鹿島はどうセットプレーのチャンスをゴールに結びつけていくか。ロースコアの試合が見込まれる中で、セットプレーは鹿島にとって大きな得点源としたいところだ。