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大迫勇也の件について考えてみた

まあ、そうなるよねというのが正直な感想である。もちろん、もう一回鹿島で観たい気持ちはあった。でも、戻ってきたところで現状だとどうやったって持て余していたはずだ。大迫じゃないにしても、他の誰かを。

大迫が(結果的に)鹿島復帰を選ばなかったのには大きく2つの理由があると思う。

①条件面
②(鹿島の)編成面

条件面については年俸はもちろん、居住環境のこともある。大迫には奥さんも子どももいる。子どもを育てやすく、家族が暮らしやすい環境を求めるのは当たり前のことだし、そこでインフラの面を重視するのは別に何らおかしいことではない。(もちろん、そうした面を考慮して鹿嶋を選択するという判断もある)

編成面についても、現状1トップを採用している鹿島において、ただでさえエヴェラウドと上田綺世の共存に悩んでいるのに、そこに大迫加えてどうすんねんということだ。2トップに変更する、上田が海外移籍するかもしれない、染野唯月を武者修行に送り出したい、と色々なエクスキューズは考えられるものの、今の鹿島は基本的に全ポジションで人員は足りており、むしろ飽和気味だ。レンタルで垣田裕暉らを送り出していることを考えても、愛着あるストライカーとはいえおいそれと手を出せる状況ではないと考えられる。

OB帰還問題をどう考える?

とはいえ、昌子源に続き大迫勇也まで国内の他クラブに移籍してしまったことを快く思わない人がいるのもそうだろう。育てた恩をなんだと思ってるんだ!?とかフロントは何やってるんだ!?とか。正直、これに反論は出来るが、理解できないめちゃくちゃなことを言ってるなとは思わない。サポーターからしたら、そういうものだろう。

でも、おそらくこうした流れは今後も続く。むしろ、増えてくると思っている。理由は単純で海外移籍を選択する選手の母数が増えてくると思うからだ。近年では、円熟期を迎える前に海外移籍を選択する選手が当たり前になってきた。今の鹿島でもその可能性のある選手は1人や2人ではない。鹿島がいくら国内トップレベルのクラブだとしても、欧州へのステップアップの場になってしまうことは、どうにも抗えない事実である。

そうした選手たちを止めることは出来ずとも、いずれは戻ってきてほしいと願うのは自然なことだ。チームとして思い入れもあるし、人気やネームバリューもある。一選手としても鹿島のやり方を知っている状態で入るため、他の移籍選手と比べてフィットに対する心配は減ってくる。鹿島としては、可能な限りでJリーグに復帰する時には手を上げたいはずだ。

だが、それが全て叶うとは限らない。その時の選手側の事情、鹿島というクラブとしての事情、他クラブの事情や世界的な潮流もある。その全てが合致しなければ、獲得には至らない。それを海外移籍した全ての選手で叶えるのはハッキリ言って至難の業だ。

じゃあ、全部の選手が帰ってくるのは難しいにしても、1人でも多くの選手が帰ってきてほしい!というのが最終的な落としどころになるだろう。そのために鹿島が出来るのは、ずっと魅力的なチームであり続けることだ。今まで受け継がれてきた伝統を継承しながら、常にタイトル争いに絡むチームであり、勝ち続けるチーム。そうした鹿島の良さと言えるモノを絶やさないようにしていかなければならない。それが出来れば、海外移籍した選手が帰ってくる時にふさわしい資金面やチームとしての実力を保持していることが出来るだろう。

そのために、出来ることは今の選手たちに目の前の結果を掴み取ってもらい、クラブがそのためのサポートを全力でしつつ、未来のことを踏まえたマネジメントをしていくことだ。当たり前のことではあるが、千里の道も一歩から。その積み重ねでしか、自らの望む未来は叶えられないのだから。

遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください