令和で一番弱い土地? ダンジョンの入口について振り返る!
やあみんな、武えのきだ。
最近、フォーゴトン・レルム探訪のカードに関連する記事(これとかこれ)を書いたせいで、フォーゴトン・レルム探訪の各カードについても書きたくなってしまった。フォーゴトン・レルム探訪は一番紙のパックを買ったセットだから思い入れがあるんだよね。
最初に紹介するのはどのカードが良いかとあれこれ考えたんだけど、やっぱり一発目はインパクトがあるカードが望ましい。だから今日はこのカードを紹介しよう。ダンジョンの入口だ!
このダンジョンの入口は無色マナのみ出せる確定タップイン土地だ。この時点ですでに弱いね。
ただダンジョンの入口の能力はそれだけじゃない。以下のコストを支払うことで、ダンジョン探索する能力を起動することが出来るんだ。
4マナ支払う
ダンジョンの入口をタップする
アンタップ状態の伝説のクリーチャーをタップする
ダンジョン探索というのはフォーゴトン・レルム探訪独自のメカニズムなんだけど、詳しく説明すると長くなるからここでの説明は省きたいと思う。とりあえず、一回のダンジョン探索でおおよそ四分の一ドローくらいのアドバンテージを稼げると思ってほしい。
ここまで書いたらもうわかってもらえると思うけど、この起動型能力が尋常じゃなく弱い。具体的には以下の通り弱い。
実質5マナ払って四分の一ドローする行為が凄く効率が悪い。
伝説のクリーチャーをコントロールしていなければ起動できない。
ソーサリータイミングなので、5マナと伝説のクリーチャーを寝かせてエンドという特大の隙をさらしてしまう。
フォーゴトン・レルム探訪はアンコモンにも伝説のクリーチャーが多いセットではあったけど、リミテッドでもこの能力が起動されることはあんまり無かったんじゃないかな。
とにかくマナ能力・起動型能力の両面で、ダンジョンの入口は弱すぎた。マジックの最弱カードを決める記事「The 100 Worst Magic: The Gathering Cards Of All Time」でも、19位に選ばれるほどだ。マジック初期のカードが中心のこの企画に2021年発売のこのカードが選ばれるのは快挙と言っていい。格の違いを見せつけた形だね。
ダスクモーンのプレビューでヴァルガヴォスの棲み処を見た時は、なんて弱いレアなんだ、これだったら進化する未開地の方がデッキ圧縮できるだけ強いわって思ってたけど、ダンジョンの入口とくらべるとまともなカードに見えるから不思議だね。
そもそもダンジョン探索というメカニズム自体が弱かったので、ダンジョン探索を軸にしたデッキが構築で使われたことは全くと言って良いほど無かった。セットの売りの一つであるメカニズムが弱かったというのも、フォーゴトン・レルム探訪が弱いセットだと言われた理由の一つだろう。
そんなダンジョン探索に転機が訪れる。2021年冬、アルケミーという専用フォーマットがMTGアリーナに実装された。アルケミーは基本的にはスタンダードと同じカードプールなんだけど、デジタルでしか表現できない機能を持つカードを追加することに加えて、既存のカードに対する調整も行っていた。
この調整でダンジョン探索関連カードが劇的に強化されたんだ。
勝利した冒険者はガンガンアタックしてダンジョン探索を進められるクリーチャーだったけど、パワーが低すぎて勝負を決められないという弱点があった。その弱点がアルケミーになって解消された。
除去のついでにアドバンテージを得られるカードだった急な落下はマナコストが重いのがネックだったけど、アルケミーの調整でマナコストが下がったことで使いやすい除去になった。
もちろん、ダンジョンの入口だって強化されたんだよ。なんと、起動に必要なマナが大幅に下がったんだ!
このように、ダンジョンデッキはアルケミーで大幅に強化された。そしてその効果はすぐに表れた。
この調整の2か月ほど後に、神河チャンピオンシップという世界最高峰の大会が開催された。そしてその大会で優勝したEli Kassisさんが使用していたのが、ダンジョン探索関連カードを沢山採用したオルゾフ・ベンチャーなんだ!
その優勝デッキにもダンジョンの入口が1枚採用されていた。そして、この神河チャンピオンシップでダンジョンの入口が……やっぱり活躍しなかったんだ。
そりゃそうだよね。ダンジョンの入口が弱かったのは起動時のマナコストが重過ぎたせいだけじゃない。伝説のクリーチャーをタップする必要がある、ソーサリータイミングでしか起動できないという制約のせいでもあるんだ。伝説のクリーチャー以外でも起動できるようにしておけば、と残念でならないよ。
結局、アルケミーで強化をもらってもダンジョンの入口は弱いカードのままだった。でも、フォローするわけじゃないんだけど、強いカードだけが魅力的なカードじゃないと僕は思うんだ。
確かにダンジョンの入口は弱い。圧倒的に弱い。常軌を逸して弱い。
でもだからこそ、このカードについて語りたいという気持ちになるし、フォーゴトン・レルム探訪のカードの中で一番先に紹介したいと思ったんだ。これからも弱い土地を見るたびに、僕はこのカードを思い出すだろう。それこそが、カードの魅力と言えるんじゃないだろうか。
前回のデッキ紹介が4000文字以上あったから、この記事は1000文字前後の軽い内容にしようと思ったんだけど、結局書きたいことが有り過ぎて2000文字を超えてしまった。次の記事は軽い内容にしたいね。
それじゃあ、また。
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