行政書士にできること/できないこと

行政書士は「司法書士」とよく間違われます。また、「何をする人なのかわからない」といわれる方も多いです。最近すこしだけ知名度があがってきたような雰囲気もありますが、業際といって、行政書士ができるのか、それとも他の専門家がやるのかがまぎらわしい分野の仕事も多くあります。

その最たるものは、登記の手続きだと思います。登記は司法書士が行います。行政書士は、行えません。司法書士法という法律で、司法書士が登記をやると決まっているからです。

(業務)
司法書士法第三条 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 登記又は供託に関する手続について代理すること。
(以下略)


登記は司法書士

ゆえに、お客さんに頼まれても、お客さんの代わりに登記手続きをやっていいのは司法書士さんであって、行政書士ではありません。

ちなみに 「不動産の表示に関する登記」の申請手続について代理するのは土地家屋調査士さんです。不動産の登記には「表示に関する登記」といって、まあ簡単にいうと新築の建物が建てられた場合などに、実際に眺めてみて、その物理的な状況、様子を、ありのまま登記する箇所があるのです。

登記簿のこの部分は、調査や測量が必要になることもあって、土地家屋調査士さんが担います。司法書士さんは、その建物が誰のものなのかという権利の部分など、表示に関する部分以外の登記全部をお任せすることができます。

登記は不動産のほかに、法人の登記などもあります。たとえば法人を設立した場合には「設立しますよ」ということで法務局に登記を申請する必要があります。この法人に支店ができたり、役員が変わったりすると、そのたびに登記の手続きが要りますが、こういったものもすべて司法書士さんが行います。これも、行政書士はお客さんの代わりに申請することができません。

よく「会社設立の手続きを引き受けます」という行政書士事務所がありますが、あれも厳密には登記手続きの部分だけを、司法書士さんにお願いしているのです。


あわせてお読みください

契約書のひな型をまとめています。あなたのビジネスにお役立てください。


もしこの記事が少しでも「役に立ったな」「有益だな」と思っていただけましたら、サポートをご検討いただけますと大変嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。