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フリーランスが稼げるかどうかは実力よりメンタルで決まる

実力よりメンタル

昨日のツイートで最もリアクションが大きかった内容を補足します。稼げるフリーランスを目指している方は参考にしてください。

なぜそういえるのか

自分自身が士業で15年やってきたことに加え、親兄弟や親せきにも長年のフリーランスがいるおかげで、フリーランスで伸びる人と伸びない人の違いがはっきりわかりました。特に「実力で差がついているのではない」ことを実感します。

ツイートした内容は以下です。

フリーランスでやっていけるかどうかって実力よりメンタルだよね。

・値切られたり「高い」といわれてへこむ
・忙しくてもきついが暇でもきつい
・みてくれる上司がいない
・愚痴る同僚もいない
・友達から頼まれて請求できずにおわる
・謎に払ってくれないお客に悩む

全部乗り越えなきゃいけない^^;

ようは精神論(メンタル)です。

実力では差がつかない理由

とにかく「実力」ではほぼ差がつきません。そもそも一定水準をこえたらフリーランスのクオリティは、(ずばぬけたトップクラス領域をのぞいて)似通っています。少なくとも素人には差はわかりません。企業間ではライバル社との実力差が大きく開くこともよくありますが、フリーランスは個人の世界なので、実力の差は無視できるほど小さいです。よって、差がつくのは個人のメンタルの差、心がけや考え方の差、精神的ダメージの受けやすさによって継続できるかどうかが決まってしまいます。

起こり得ると知っていれば怖くない

経験上、メンタルは鍛えて強くなったり変わったりしにくいものです。ゆえに対策は、そういうことがあるのだと「前もって知っておくこと」が効果的。知ってさえいればいいのです。「ああ、言われていた通りだな」と思えます。びっくりせずに済む。知っていれば怖くないし、知らないといつまでも怖い。ようは「不意打ち」を極力減らせばよいのです。

「かんたんでいいから」問題

知っておいてほしいことの代表例を挙げると「ちょっとでいいから」「かんたんでいいから」「お友達価格で」問題があります。ようするに「安くしろ」あるいは「それくらいただでやってよ」という謎の圧力です。なにが「それくらい」なのか意味が分からないのですが、イラストや作曲など、原価のみえにくいジャンルの仕事に特に多いですね。

「安くしろ」ならまだいいほうで、へたをすると無料でやらせたうえに「発表の機会を与えてあげた」「次につながるから」などと、まるで自分がいいことをしてあげたかのように勘違いしている場合すらあるので本当に要注意ですね。(戦略的に安くすることはOKです。ただそれはこちらが主体的に決めている場合のみです。相手に言われることではありません。)

ただこういう現象も、そういう人も世の中にはいるんだと知っていれば、ショックを受けずに済みます。へこまないようにしましょう。誤解を与えてしまったのかしら、くらいに考え「料金表」や報酬の目安をオープンにするとともに、肩書にも最初からプロフェッショナルだとわかるような工夫をしましょう。

あらかじめ申込書や業務委託契約書を用意しておくのも一手です。実際には契約書は交わさずに「メールのやり取り」だけで受注を済ませたとしても、「一応自分には契約書もあるのだ」と思えば気持ちに差がつきます(汎用的なサンプル契約書を最下部に貼っておきます)。

最大のコツは、料金提示や請求を面倒がらないこと

請求するのが苦手な人は多いものです。請求書をつくるのが億劫だったり、それを相手に送るのになんとなく迷いがあるのです。

ベストなのは経理を別の人にやってもらうことですが、頼める人がいない場合は請求をルーチンワークにする必要があります。脳の判断リソースをできるだけ使わないように、毎月〇日や毎週〇曜日に請求業務をすると決めて、なるべく機械的に作業できるように心がけます。

印象を変える方法

そして、「安くしろ」「ただでやれ」圧力はもちろんいやなものですが、これが起きる時はたいてい、こちらも料金についてちゃんと説明していないことが多いものです。勘違いする方が悪いのですが、こちらも勘違いさせないように、料金がかかることを印象付ける必要があります。有料であると直接に言いにくい場合は、あえてなんらかの「無料枠」をつくりましょう。「ここまでは無料です」と打ち出すことにより、逆にいえば「それ以上となると有料なのだな」とわからせることができます。

自然体で請求しよう

ともかく心構えとして、自然体に「仕事だから請求するのはあたりまえ」という意識をもてるかどうかが分かれ道です。威張るわけでも、偉そうにするのでもなく、あくまであたりまえのこととフラットに思えることが大事です。淡々と料金提示し、自然体で請求しましょう。苦手な方は「あたりまえのことをしているだけ」と、何度もご自分に言い聞かせましょう。(ただし、料金を受け取ったら感謝を忘れずに! 「当然なのだから」と感謝しないでいるとなぜか仕事が減ります。不思議・・・。)

まとめ

今回は請求の心構えに絞りましたが他にもフリーランス独特のメンタルと改善法があるので、またの機会に書くことにします。

おまけ:汎用的なフリーランスの契約書サンプル

汎用的なフリーランスの契約書サンプル(クライアントを「甲」、フリーランスを「乙」としています。) 

               業務委託契約書
 株式会社〇〇〇〇(以下「甲」といいます。)と、(屋号・フリーランス名)(以下「乙」といいます。)とは、(記事作成/イラスト作成/デザイン作成)業務の委託に関し、本日以下のとおり契約を締結します。

 第1条 (業務の委託)
 甲は、乙に対し、以下の(記事/イラスト/デザイン)(以下「本件著作物」といいます。)の作成を委託し、乙はこれを受託します。
 (1) テーマ:(〇〇について、〇〇のイメージで、別途受領した仕様書によるテーマに基づいて、等) 
 (2) サイズや形態:(文字数〇〇文字~〇〇文字程度、データ形式、画像のサイズ等)
(3)資料等:(参考資料、ラフ、イメージ、指示書、仕様書、その他の定義や約束事がもしあれば)
第2条 (納入)
 乙は甲に対し、本件著作物を、以下の形式によって、令和〇年〇月〇日までに、甲に対して納入するものとします。
                  記
(Word、PDF、JPEG、psdデータ等)にて、甲が指定するオンラインストレージ上にアップロードする(甲が指定するメールアドレス宛に本件著作物のファイルを添付してメール送信する)方法
2 甲は、前項の納入を受けた後、直ちに本件著作物を検査して、納入された本件著作物にミスがある場合や、あらかじめ甲の指定した仕様に合致しない場合は、その旨直ちに乙に対して通知するものとします。
3 前項の通知を受けた場合で、かつ、ミスまたは仕様との不一致が、明らかに乙の責に帰すべき事由によると認められるときは、本件著作物の納品日から(1年間/6ヶ月間/3ヶ月間)に限り、乙は、乙の費用と責任において、修正・訂正・補修等の作業を行います。
第3条(検品)
1 甲は、乙より本著作物の納入がなされた日から〇営業日(以下、「検査期間」といいます。)以内に、納入された本件著作物の検査を行うものとし、また、その検査結果について、検査を行った日から〇営業日以内に乙に通知するものとします。
2 乙により本件著作物の納入がなされた日から〇営業日が経過しても、甲が乙に対して、前項に基づく通知をしない場合には、本件著作物が前項所定の検査に合格したものとみなされます。
第4条 (権利の帰属)
 本件著作物の著作権は乙に帰属します。ただし、甲が乙に対して、本契約の遂行にあたり提示した、作成指示書、参考資料、ラフ、スケッチ、画像等の各資料については、甲またはそれぞれの資料の著作権者に帰属するものとします。
2 本件著作物の制作途中に、制作案等の用途に使用して、納品物として採用されなかった制作物に関する著作権及び所有権は、乙に帰属します。
第5条 (利用許諾)
 乙は、甲が本件著作物を、インターネット上に公開する目的で使用することを、甲に対し許諾します。
2 乙は、甲が本件著作物を、サイズの変更やトリミング等、前項の目的に必要な範囲内で改変することを許諾します。
3 甲が、他の媒体への掲載等、本件著作物を本条第1項の目的以外の目的で使用する場合には、あらかじめ乙の許可を得なければならないものとします。
4 甲は、乙の文書による同意なしに上記1および2で定める制作物の使用権、改変権を第三者に譲渡、移転、またはその他の処分を行うことはできません。

第6条(独占的利用許諾)
 前条の許諾は、独占的なものとし、乙は、本件著作物を甲以外の第三者に対し、(1)印刷物としての複製、販売、(2)インターネット上(ホームページ、各種メディア、プレスリリース、SNS等)における掲載、(3)翻訳、の各形態で本著作物を利用することを許諾しません。
第7条 (著作者人格権)
 乙は、甲が本件著作物を利用するにあたり、その利用態様に応じて本著作物のサイズ、色調を変更したり、一部を切除することを予め承諾します。但し、甲は、これら改変であっても本著作物の本質的部分を損なうことが明らかな改変をすることはできないものとします。
2 甲は、前項以外の改変を行う場合は、事前に乙の承諾を得なければならないものとします。
3 甲は、本件著作物を利用するにあたって、著作者の表示をすることを要しません。
4 本件著作物の公表名義は、乙の著作権の譲渡の有無及び著作者人格権の不行使にかかわらず、甲の名義とします。
第8条 (報酬)
 甲は、乙に対し、本契約に基づく作成業務及び本件著作物の利用許諾の対価、その他本契約に基づく一切の対価として、金〇〇万円(消費税込み)を支払うものとします。
2 甲は乙に対し、前項の対価を下記の銀行口座に振込む方法により支払うものとします。尚、振込手数料は甲が負担するものとします。
 〇〇銀行 〇〇支店 普通口座 口座番号〇〇〇〇 名義 〇〇〇〇
3 本条の対価は、乙が本件著作物を納入した日の属する月の、翌月〇〇日までに、甲より乙に対し支払われるものとします。
第9条(報酬の追加又は変更)
 前条に基づく報酬の金額に関して、本条各号のいずれかに該当する場合には、乙は、該当することとなった日から、 〇〇日以内に、甲に対し再度見積書を提出することにより、甲に対して報酬の追加又は変更を請求することができるものとします。
(1)甲の都合により、甲が本件著作物の内容や仕様を追加的に変更するとき
(2)甲の都合により、甲が本件著作物の納入期限を早めるとき
(3)甲が乙に提示した資料の誤り、不足、遅延等が原因で、乙による製作に掛かる費用が増加したとき
第10条 (二次的利用)
 本件著作物が他の媒体等、二次的に利用される場合、甲はその利用に関し事前に乙の承諾を得なければならないものとします。
2 本件著作物の二次的利用にあたり、甲はその報酬を含め、具体的条件について乙と協議の上決定するものとします。
第11条 (キャンセル料)
 本契約の締結後に、甲の都合により本契約を解除する場合には、違約金として、甲は乙に対し、本契約第8条に定める対価の〇〇%を直ちに支払うものとします。
第12条 (協議)
 本契約に定めのない事項については、甲乙別途協議の上、決するものとします。
以上本契約締結の証として、本契約書2通を作成し、甲乙記名捺印の上、各自1通を保持する。
 令和  年  月  日
 乙
  住所
  氏名            印
 甲
  住所
  氏名            印


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