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教えることは学ぶこと。伝えたければ絞ること。契約書の基本を教える順番は何がベストかについて。

契約書の基本について教えさせていただく機会が、ごくたまにあります。
それで教材資料をつくるのですが、これが意外と大変です。よく「教えることは学ぶこと」などといわれますが本当にそうですね。学ばされることばかりです。

毎回、僕が一番悩むのは、「契約書の基本」という大きなテーマを、どうしたら分かりやすく伝えられるか? です。 

結論としては、思い切って絞ることしかないと思っています。

つまり本当はもっと教えたいのだけど、我慢して大部分を捨てるわけです。あれもいいたい、これも重要だ、と思っても、あえて教えない。ただこれが案外難しいのです。自分ではかなり絞ったつもりなのに、ふと気がつくと話し過ぎています。ああ、また余計に話してしまったな、という反省ばかりです。

教えるために、教えない

実際どれくらい絞るのか? を具体的にするために、たとえば契約書の基本を教える場合のレジュメを示すと、以下のようになります。

上級者の方にはまったく物足りない内容かもしれませんが、初心者向けにはこれくらいシンプルなほうがいい、今のところのベストだと思う構成です。

(「教える」などと書くのは、いかにも上から目線な言い方で嫌なのですが、便宜上そのように表記します。)

①契約と法律の関係を教える
(最も重要な「ルールは変えられる」ということを最初にお伝えする)
②民法の典型契約など、一般的な契約の分類を教える
(契約書の分類の軸、カテゴリーを教える。電子契約などもここで)
③契約書の形式面を教える
(テンプレ、条項号とか印紙とかもここでイメージを持っていただく)
④最低限知っておきたい法律を教える
(著作権法、下請法、消費者契約法の、エッセンスだけ知ってもらう)
⑤業務委託契約書のチェックポイントを教える
(売買のほうがいいか毎回悩むけれど、あえて業務委託でくくって売買、請負、委任の基本的性質をお伝えすることで、契約書のイメージを固めてもらう)

ここまで。
5項目しかなくて、なんともあっさりしていますが、シンプルだけど契約書の知識の原液みたいな内容になっていると思います。

興味を持ってもらえる、分かりやすいと思ってもらえる、自分にもできそうだと思ってもらえる


そもそも「教える」ことの理想像は「興味を持ってもらえる」、「分かりやすいと思ってもらえる」、そして「自分にもできそうだと思ってもらえる」、この3要素がゴールだと思っています。

熱意があるからって話が長くなっていいわけではないわけで、やっぱり情報量を絞らないと相手も理解しにくいし、なにより人って時間をとられるのが負担なんですよね。

世の中、契約書をつくる機会は無い人の方が多いでしょう。ですが、契約書が読めたほうがいいビジネスパーソンはたくさんいると思います。あまり法律論のぎっしりしたテンションにならず、少しでも興味を持って契約書を眺めてもらえたら。そんな期待をしながら、今日も資料作りを頑張ります。


契約書のひな型をまとめています。あなたのビジネスにお役立てください。


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