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第1回日光千人同心街道四十里ジャーニーラン 参戦記(その2)

その1はこちら

中間地点となる館林を過ぎ、雨も止んだのでルンルン気分で夜の道を走る。
だが、落とし穴は意外なところで現れた。

いつの間にか脇道にそれてしまったのか、車通りのない道へ入り込んでしまった。前を走っていたランナーが左に曲がったので、どうしたのかなと思っていると

「ロストしてまーす!」

ありゃやっぱりか…歩きながら地図を確認しようっと…

ドボン!!

やってしまった…
歩道と思っていたのが用水路で、そこに落ちたのだ。膝上くらいまで水に浸かっている。びっくりしたが怪我とかはなさそうなので、すぐに脱出する。
前のランナーさんが音に気づいたのか「大丈夫ですかぁ?」と声をかけてくれた。「大丈夫でーす!」地図のビニールが少し傷がついた程度で、怪我なし。不幸中の幸い。足を捻ったりしてたらと思うとゾッとする。
気を落ち着けるためにしっかり場所の確認をすると、すぐに正規ルートに復帰できそう。よかった…

程なく渡良瀬橋を渡り、栃木県へ。県境案内板は見つけられなかった。栃木は広い、ゴールまであと75キロ。

21:21 89.8k CP22 天明宿群馬銀行前

定子さんたちに追いつかれたので、ご一緒させていただくことに。定子さんは「川の道」を何度も完走しているレジェンドランナー。昨秋のふくしまでご一緒させていただいたのだ。はじめましての鈴木敬二さんは、川の道から?毎週大会に出続けているらしい。前週は菅平スカイライントレイルですって、スゴー!

さすがに疲れが出てきてるので、歩きもいれながら進む。この辺りからチェックポイントの間隔も空いてくるので、まったりとした時間が流れる。コンビニで何か食べたいなぁと思ったら、ローソン発見!みんなで食事休憩することに。

カレーが半額シール貼られていたので、カフェオレと一緒に購入。レース中、緑茶以外の初カフェイン。今回は結構元気が続いている、いいことだ。
少し出発までに余裕があったので、足にプロテクトJ1をぬりぬり。今のところ肉芽はできてないものの、足裏はふやけまくっている。そりゃ半日雨の中を走って、用水路に落ちればそうなるわな。
出発してカエルの鳴く田舎道を進む。

100キロを超えた和泉交差点を左折するのだけれど、そのまま直進するランナーが!慌てて声をかけるが届かず…まっすぐ行けば小山。大丈夫だろうか…

23:57 103.4k CP24 富田宿本陣跡碑 エイド
クリームチーズうどんや味噌汁でしっかり補給!脚もまぁまぁ辛くなってきているので、食べることが本当に楽しみ。

東北新幹線と思っていた(汗)、両毛線を超えて栃木宿にある銭湯。とても趣あって、一度入ってみたい。

16日 1:03 109.4k CP25 栃木宿旧本陣「長谷川家」

ここは難問。フツーの民家だもん(驚)まだかまだかと、目をひんむいて探したら、最後の最後に現れた感じ。こういったチェックポイントが多いので、特に夜間は静かにしないとね。
ここで、Yahoo!防災から豪雨予報が。30mmだって!?マヂか!
ナウキャストを確認すると西の方は真っ赤っか。ボツポツと降り出し、雷も遠くで鳴りだしたが、進めるところまで進むことに。程なく70mm予想に。跨線橋下では雨宿りするランナー。

1:43 112.7k CP26 合戦場宿道標

郵便局がチェックポイント。なぜ金ピカなんだろう?かなり降ってきたが、まだ行ける。セブンイレブンに逃げ込むランナーも。

2時前。土砂降りと雷で進めず。軒先を借りて退避。20分くらいは動けなかっただろうか…早くやんでほしいなぁと思いながら、雨宿り。降り続く雨の中を先へ進むランナー。
やっとマシになってきたので、申し合わせてリスタート。ほどなく雨も止み、ほっと一息。
ルートから少し離れた金崎駅前にエイドがあるって地図に表記があって、それが修正版のはずだけれども、地図が濡れていてしっかりと確認できず。現地に赴くも人影なし。鈴木さんが「説明会でこの先の橋のあたりにエイドを変更したって言ってた気がする」と。チェックポイントを撮影して橋を渡る。青看板には「日光」の文字。そしてエイドのあかり!嬉しい。

3:40 金崎宿先エイド

カレーが提供されていたので、ありがたく頂く。旨い!そういえばふくしまの霊山エイドでは、遅くて売り切れだったなぁ…風が吹きすさび、冷えてくる。スタッフさんはダウンを着ていた。感謝の一言。

出発する頃には、東の空が少しづつ明るくなってきた。夏至はまもなく。
普段より眠くないといっても、やはり眠くなる時間というのはある。夜明け頃もそういった時間帯。鈴木さんがやおら猛ダッシュで駆け出した。すると眠気が飛んだのか、日が明るくなってくるとともにペースアップ。代わりに僕が遅れをとりがちになる。鹿沼宿では公衆トイレが少し歩いた場所にあったが、行ってしまうと確実に追いつけないのでここはパス。定子さんや青森から参加の長谷川さんも、ペースが落ちない。僕の課題はこの後半のへたりだなぁ…と思いながら頑張ってついていく。鹿沼市街を抜けて、いよいよしっかりした上りの区間に入る。しばらくするとコンビニがありトイレ休憩、ホッとした。シャリバテの懸念が出てきたので、買っておいたウィダーinゼリーを少しずつ飲むことに。

延々と続く上りを先行の皆さんは走ったり歩いたり。僕は走りっぱなしで懸命に追いつく。定子さんは「足の回転」と言っていたが、なかなか会得できない。

杉並木が見え、日光市との市境にエイドが設けられていた。6時41分、あと23キロくらい。歩いても完走はできそう。ここからはしばらく車道脇の遊歩道?トレイル区間を往く。全く大したことないトレイルだけど、ヘロヘロなのでよく枝に引っかかる。雨が三度降り始めたが、杉並木のお陰でほとんど濡れずに済むのはありがたい。遅れをとりつつなんとか食らいついて進む。

145キロ手前で国道から別れ、例幣使街道へ。車両通行止めのバリケード手前で、私設エイドを開いて頂いていた!感謝。定子さんのご友人だそうです。ポテチの塩気が嬉しい。水も切らしてしまいそうだったので、とても助かった。

杉並木保護のため、1キロ先までは車両通行禁止区間。清々しい気分で癒やされた。杉並木は延々と登りかと思っていたが、実際は登ったり下ったり。車が少ないのが幸いだけど、なかなかしんどい。とりあえず遅れをとらないように、必死に食らいつく。足の肉刺が何ヶ所かできているのがわかる。というか皮自体がフニャフニャでどんな感じになっているかが、まったくわからない。と思っていたら、左足の母子球と小指球の間辺りで肉芽が潰れた。思わず「痛ってー!」と叫ぶ。一昼夜のシビアコンディションで足裏が限界超えた瞬間だった…

日光市街に入り、今市宿のエイドには9時到着。あと10キロ弱とのこと。あと2時間くらいか…晴れてきたのでこれから蒸し暑くなるな。暑さ対策で「かぶる傘」じゃなくて、モンベルのアンブレロを用意してきたけど、結局のところほとんど傘として使った感じ。でも持ってきて正解だった。晴雨兼用でき折り畳めるので、とても使えるアイテム。見た目はともかくだけどね。アンブレロをかぶっていたおかげで、皆さんに声をかけてもらえたのもよかった。

国道の脇を走る杉並木の道は路面がガタガタで、いちいち足裏に響いて辛い。踏み込みができず、ずっと上りの坂をピッチで稼がないといけないので一人だけハァハァと息が上がる。信号待ちでやっとグループの先頭に追いつき「気がついたらゴールしてないかなぁ?」と弱音を吐くと、長谷川さんが「いつの間にかついてますよ」と励ましてくれる。車通りのある道を頑張って登り続けると「日光駅」の看板が!あともう少し。

目抜き通りはこれでもかというくらいの登り坂。今の状態では走れるわけもない。観光客の横を抜けていくが、だいぶ汗臭いだろうなぁと恐縮する。地元の方からは「頑張ってください!」と声をかけられて嬉しい。帰りは何をお土産にしようかと考えながら、いや気を紛らわせながら登っていく。

10:31 CP32 日光東照宮入口(天海僧正像)

あと1.7キロのところまで来た!地図を見る余裕もなく、皆さんにチェックポイントの写真が正しいものか何度も確認する。
ここからつづら折りの登りを経て、川沿いを下る。最後は少し走れた。
先を走る定子さんが、ゴールの「風のひびき」へ左折する曲がり角を行き過ぎて戻ってきた。試走は参加されたそうだけど「風のひびき」には時間の都合で行かなかったそうだ。
最後の上り坂を頑張って登ったら、先行していた鈴木さんと長谷川さんが待っていてくれた。そして、最後ずっと一緒だった別のランナーさん2人と一緒にゴール!

先にゴール写真を撮っていた、定子さんと鈴木さんにお礼を言って、写真に入っていただく。素晴らしいランナーさん達とご一緒できて、とても楽しい旅になった。

靴を脱ぐと、足裏は予想通りのひどい状態だった。
今回は東照宮は行けないなぁ…そんなことを考えながら、ヨボヨボと汗と泥の染み付いた身体を洗うのだった。

記録 26:49


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