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第2回 うつくしまふくしまジャーニーラン251k【その3】

【その2】は→こちら

9月15日13時、まねきの湯玄関前。いよいよリスタート!
と思ったら、乳首の保護テープを忘れていたことに気づき、持ち合わせのキネシオテープをチョキチョキ、ペタペタ。これで安心だろう!13時07分出発。
しばらく市街地を走行するのだけど、昨年はすぐにプチロストして引き返し、その後7キロの大ロストをしでかすことになったので、とにかく慎重に歩を進める。

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昨年のプチロスト地点。
右折すべきところを左折、このカーブの先で何かおかしいことに気づき戻った。

暑いので、昼食を摂るところを探しつつ歩く。昨年、カレーを食べたファミリーマートはイートインがなく、食べたいものもなかったので今年は見送り。
めぼしい店も見当たらないまま、因縁の場所へ。

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説明会でも口酸っぱく言われていたこの交差点を直進して、往復7キロの無駄足を踏むことになった昨年から1年。この場所に戻ってきた。もう一度地図を確認して右折、R49へ。
ほどなく吉野家、かつや、ミニストップが見つかったが、やっぱりカレーが食べたくなったのでミニストップへ。カレーとオリオンビールが目に止まり、一緒にレジへ。

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あーッ!ビールが旨めぇ!
カレーとビールは鉄板やな。鬼門の「青山」を越えた喜びもあって味は格別。外を見ると相変わらずのカンカン照り。今は14時なので、涼しくなる夕方までは歩いてやり過ごそう。
至福のひと時を過ごし、出発する…

眠い…眠すぎる… 

程なくやってきた睡魔は、とてつもなく強烈なものだった。そして暑い…
歩くことは止めてはいないが、色んなものが見えてくる。幻覚だ…
気分はフラフラだけど、とりあえずまっすぐ歩けているのでトボトボと前へ進む。
R49は広く単調でつまらないのも眠気を誘う要因だ。
ミニストップを出て1時間。暑く眠いのでセブンイレブンで小休止。酪王カフェオレモナカで一息、少し眠気が飛ぶ感じ。他のランナーさんも同じ感じみたい。

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それから2キロ弱でr149への分岐、自販機で飲み物を買った気がする。15時41分現在で温度計は29℃。分かれていったR49は交通量が多く、歩道もない。こちらはのどかな田舎道。日陰なく、いささか低くなってきた光線が、ジリジリと身体に焼き付ける。遠くからにぎやかな音楽が聞こえる、お祭りだろうか?覗きに行くのは遠いなぁ…まさかこのお祭りを見に行ったランナーがいたとは、そのときは想像できなかった。恐るべしガッキー…
だいぶ陽射しが落ち着いてきたころ、磐梯熱海市街に入る。磐越西線の踏切を越えてから1キロほど進み、やっとエイドそばの伊東園ホテルが見えてきた。「ここを左だったよな」とあたりを見回すが、見当たらず。もう一本先を左折すると、見たことがある光景が現れた。

16:51 CP7 140.3k 郡山市 ケヤキの森足湯

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昨年より3時間弱早い到着。まねきを2時間遅く出て7キロロストしたのだから、そんなもんなのかな?今のところ眠気も鳴りを潜めているので、しっかり補給。
トイレに行きたかったので、長居せずに出発。一緒に出たランナーさんもトイレに寄るとのことで、1キロほど先のセブンでトイレと麦茶などを補給。そして一緒にリスタート、中山峠を登ってゆく。話しているうちに、日光千人同心でも少しだけご一緒していたことが判明。芳賀さんとおっしゃり、昨年のふくしまを完走されているとのこと。心強い。

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日が薄っすらと暮れていくが、交通量はかなり多い。R49は会津と郡山を結ぶ大幹線だが、歩道が無いのはのはかなり怖く傾斜もあって走りにくい。後にワラーチ池田さんが「ワラーチには地獄」と言っていたのも頷ける。現在18時。37キロは普段なら5時間で余裕の距離だけど、これからのことを考えると果てしなく遠く感じる。16日6時が会津若松駅の関門閉鎖だけど、余裕を見て5時にはリスタートしておきたい。
中山トンネルを抜けると、歩道が出現してやや下り基調になる。しかし、歩道には草が生い茂り、夜に入り暗いのもあってとても走りにくい。芳賀さんは調子よく走っているが、とても追いつけず、程なく姿が見えなくなった。150キロを超え、歩きばかりで疲労困憊。上戸駅前の信号ででヘロヘロになって小休止。前も後ろもランナーはいない…
リスタートしてしばらくすると、やっと小坂山トンネルが見えた。入り口の手前で左に折れ遊歩道へ。かなり前にランナーさんが見えたが、そのまま車道を走行していた。万一のときに逃げ場がないので、選択肢としてはない。事故があってからでは遅いのだ。遊歩道は猪苗代湖も見えないほど暗いだけで、なんのことはなくほどなくR49に合流。

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志田浜の入口で私設エイドをしてくださっていた。昨年も同じ場所でされていた。見覚えのある萩バッグで話が弾む。今気づいたが、写真を見るとTシャツも橘湾岸のものだ。薄皮饅頭と甘酒をありがたく頂戴する。昨年はこのあと完全に走れなくなり、会津若松市に入ったバス停でリタイヤ、そしてビバーク。ここで辞めればよかったと、のちに後悔した場所。これからの区間は暗く気分も萎えるのだ。お礼を言ってリスタート。

ほどなく現れた志田浜のセブンでは、惣菜パンと麦茶を買ったつもりがほうじ茶を買ってしまっており、相当後で気づく始末。だいぶ疲れが出ていたのだろうと推測する。R49の拡幅工事で道は歩きにくく、しかも暗い。メンタルが一番落ち込んでいたのはこの頃だ。やっとの思いで5キロ進んで、白鳥浜のセブンで缶コーヒーを飲んで少し目をつぶろうと思うも、駐車場には車がひっきりなしに来るし危ないので、少し地べたに座ったのみ。志田浜のセブンも含めてイートインがないので、ゆっくりできないのもこの区間が辛く感じる原因だろう。トボトボと進むしかない。

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セブンから5キロほど進んだ野口英世記念館近くで、私設エイドを開いて下さっていた。福島のランナーさんとのことで、つい「会津は(道が)暗い」と愚痴ってしまう。「ここからはもっと暗くなりますよ〜」とのこと。地元の羊羹を振る舞ってくれており、羊羹好きにはたまらなかった。感謝。
1キロほど進んで、西久保三叉路。昨年はこのまま猪苗代湖沿いをR49で進んだが、歩道無しでカーブが多く、またトラックが猛スピードで走っているので恐怖を覚えた場所だ。今年は大会長が要望を汲んでいただき、右折してr205へ。なるほど、交通量も少なく安全性は格段に高い。R49でやられまくった気持ちも、少しづづ持ち直しているのを感じる。住宅街に入って、駅前ロータリーを進むと駅舎が見えた。

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21:47 CP8 164.6k 猪苗代町 翁島駅

昨年の大会では、168.8k地点にあるR49の会津若松市レクレーション公園がエイドになっていたが、猪苗代湖に上がった頃にエイド開設時間に間に合わないことが判明。気持ちがポッキリと折れてしまった。今年は4キロほど手前の距離になるものの、余裕を持って到着。そうめんだったかとメロンやパンなど沢山頂いて、少しまったり。駅待合室を覗くと、仮眠しているランナーさんの姿も。スタッフさんと話をしていると、眠気を感じなくなるのは不思議だ。まねきの湯を19時スタートした、後半ハーフの選手がなかなかやって来ないとのこと。35キロだと速い選手なら到着する頃かもしれないが、信号も峠越えもあるのでもう少しかかるのでは?と話す。トイレを済ませてリスタート!次はいよいよ会津若松だ。

r7を若松方面に向かう道は歩道もあるが、交通量は少なめ。明るいと田園風景が拡がっているのだろう、程なく強烈な眠気がやってきて、また幻覚…翁島を出てから1時間も経っていないが、たまらず歩道脇の空き地にバッグを置いて横になる。念の為30分タイマーをかけて目を瞑る。熱くも寒くもなく心地よい。

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タイマーがなる前に目が覚めたと思う、起き上がってリスタート。磐越西線を何度もくぐりながら下っていく。磐梯町駅近くらしいセブンイレブンに入り、マルチビタミンのウィダーinゼリーを購入。最近はエネルギーやアミノ酸だけではなく、ミネラルやビタミンの補給にも少しづづ気を遣うようにしている。そこから2キロほど進み、左折可の標識がある交差点を左折して、r64へ。左折せず直進すると喜多方へ向かうのだけど、後で聞いた話では喜多方へ行ってしまった後半ハーフのランナーがいたそうだ。公園脇を抜け、磐越道の磐梯河東インター入り口のローソンへ。イートインコーナーがとても広くて、ヨーグルトを食べつつ少しまったりする。
インターを超えると再びR49に合流。会津若松市街に向かって下っていくが、走れず歩いてばかりというのもあってさっぱり近づいてゆかない。遠くに見える街の明かりが、希望というよりかは却ってメンタルを痛めつける要素となっていた。そして、歩いていると眠気がやってきて幻覚…「会津若松駅に着いたらとりあえず寝よう」そのことばかり考えていた。後半ハーフのランナーに抜かれ始めるが、彼らは颯爽と坂を下っていく。こちらはフラフラ…果てしない道のりが、ほんの少しずつだけど短くなってゆき、磐越道を再度越えてようやく郷ノ原交差点へ。左折して飯盛山入り口へ向かう頃には徐々に安堵感が勝ってきて、正気が戻ったように感じた。

16日 1:53 CP9 183.2k 会津若松市 白虎隊記念館前

ここはエイドなしのチェックポイント。スタッフの方が1名、ゼッケンチェックをしていた。ここから会津若松駅へは2キロだが、信号にひっかかり案外遠く感じた。

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2:15 CP10 185.2k 会津若松市 JR会津若松駅前

「着いたぁ〜」ホッとして力が抜けた。とりあえず3時まで寝よう、補給はその後だ。トイレを済ませて、横になる。
あと65キロ、メインイベントの背炙山が控えているが、ようやく完走が見えてきた。

(続く)

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