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仕事を辞めた同期のこと。

今日ちょっとした用事で、他課に電話をかけることになった。
(あ、そういえばあの課には同期が去年異動したなあ)
なんて思いながら、電話帳をパラパラと開き、内線番号を確認したら、今年の電話帳には彼の名前がない。
(あ、去年色々とあった課だったし、異動希望出したのかな、、、。)
なんて思いながら、その時は別の人に話をしたのだけど、お昼休憩中になんだか気になって、今年度の人事異動のリストを開いたけれど、彼が異動した形跡はない。

退職者の欄にも彼の名前は載っていない。

電話帳にも、もちろん彼の名前はない。

今年の電話帳の入稿が5月中旬だったけれど、今年度入ってからそれまでの間に、ひっそりと退職したんだろう。

入った時は近くの課にいたので、一生懸命笑顔で頑張っていた彼は結構印象的だったのに、元々職場には彼がいなかったようなかのような状態に、なんともいえない気持ちになった。

去年の職場が大変すぎて、心身ともに疲弊していた時に通っていたお医者さんから言われた
「あなたがいなくても仕事は回るから、少し休みなさい」
という言葉がふっとよぎった。

あの時は「いや、中途半端で抜け出すのも嫌だし、なんとか踏ん張って続けたい」と、無理をしてなんとか一年続けたけれど、
人が一人抜けても、そこにその人はいなかったかのように組織は回っているのを目の当たりにすると、
「まあそうなのかもしれないな」と思った。

なんとなく、ネットで彼の名前をググったら、過去のインタビューを受けて仕事の話をしている姿があって、
(やっぱりいたんだよな)
と少しだけ安心した。

今仕事でスタートアップ企業の方と一緒に働いているけれど、かなり仕事もハードに見えるけれど、みんなイキイキと働いている。
あまりに大変そうだったので「辞めたいと思ったことはないの?」と聞いた時に「ないですね」の即答。一緒に働いている人たちが尊敬できるから、という彼女の清々しい回答に、心底羨ましいなと思った。

今職場からどんどん優秀な人がいなくなっている。人材不足なこともあって、優秀な人は公務員であろうとも簡単に転職できるし、もっとやりがいのある環境にうつる。そうすると残された優秀な人に仕事がどんどん集まり、疲弊して、また離職者を生む。

行政人事がババ抜き状態になりつつある今、ヒューマンリソースに真剣に向き合わないと5年後、10年後はまともに回らなくなるんじゃないかな、と思う今日。公僕なんて言葉もあるけれど、行政に優秀な人材がいないと、市民サービスは確実に低下する。とばっちりを受けるのは市民。

大事にしてくれなんて言わないけど、せめて自費でいいから職場にお弁当を冷やしておく冷蔵庫を置かせて欲しいし、音だけうるさくて、毎年熱中症を引き起こす原因の、壊れかけのクーラーだけは、いい加減変えて欲しい。

もう熱中症も、腐った弁当もコリゴリだ。

初めて就職した職場で教えられた
「人材は、人財。人材育成に予算をつけて、離職率を下げることが結果利益を守ることになる」という言葉。
改めていい職場だったな、と思う。