播戸竜二さんトークで感じたインターネットを越える圧倒的リアルの凄み。
今週はリアルとリアリティということについて考えてみたいと思います。技術屋の視点で言うと、たぶん必要なのはリアリティなんだと思います。バーチャルリアリティとか言われるように、実際に存在していない、もしくは離れた場所にあったとしても、まるで目の前にあるかのように感じる。リアルになくても、そこにある、もしくは自分がいるというリアリティがあれば、多くの目的が達成できるという考え方。
そんな考えがある中でも、少しずつリアルな打合せが増えてました。対面での打合せが久しぶりすぎて、名刺交換とか会議室のプロジェクタの使い方とか対面会議の「ルーティン」をほぼ忘れています。。。ただし、仕事柄ロボットとかハードウエアを伴う体験をしてもらうときには、リアルな方が伝わるのが早く、やっぱり良いなと感じるときも少なからずあります。
一方、結構WEBでできちゃうよね!?というのも、多くの方が感じているのは間違いないでしょう。大体のことがWEBでできてしまうし、少し物足りないこともあるけど、それなりのリアリティもあるので、WEBで可能なものはWEBでやっちゃいましょう!という流れはなくならないでしょう。
そうなってくると、大事なのはやはり
リアルであることではなく、リアリティがあること
となってくるんだろうなと考えていたのですが、
やっぱり大事なのはリアルなこと
なのかもしれないなと思い始めています。より正確にいうと、
リアルが大事だと他人に思ってもらえるパフォーマンスをリアル世界で実現していることが大事
だと思うようになってきましたという話を、今回は書いてみたいと思います。
(もちろん、完全バーチャルな世界観もあると思いますが、今回は一旦置いておきます)
リアルとリアリティ
「リアル」と「リアリティ」の話になると、映画の話が出てくることも多いです。例えば、映画の中の雨の音は、本当(リアル)の雨の音である必要はありません。みんなが雨の音と感じやすいリアリティがあることが大事なのです。以下の動画のように、雨の音はべーコンを焼く音であっても全く問題ないのです。聞いた人が、よりスムーズに雨の音と認識できることが大事なのです。
バーチャルリアリティ(VR)が仮想現実と呼ばれるように、リアリティは、現実味とか真実性とか訳されることもあります。要は「リアリティとは受け手が無意識下での納得性を持てる」かどうかということになるんだと思います。だからこそ、「リアルであることよりも、リアリティがあることが、WEBや非対面での一方向/双方向のコミュニケーションにとっては重要である」。そう考えていましたし、今も多くの場合においてはそうだろうと思っています。
播戸竜二さんの話
少し前にそんな考え方をガツンとやられる体験がありました。
それが起きたのは自分たちが7月末に主催したWEBセミナーでのことでした。
これからのスポーツ観戦とは?ということで、石川善樹さんなどにWell-beingの視点からスポーツ観戦の在り方とかを語って頂いたりしましたし、元Jリーガ・日本代表の播戸竜二さんにも熱く語って頂きました。(内容はとても面白いので、是非下記からご覧ください)
セミナー冒頭で自己紹介がてら播戸さんにお話を頂きました。播戸さんはご自身のサッカー人生をダイジェスト的に振り返る動画(上記映像では6分過ぎから)を使って話を話をされていたのですが、プロとは何なのか?、応援の力というのは何なのか?ということを、本当にご自身の言葉で語って頂きました。
正直、スゴイ迫力でした。
私は収録現場にいられず、リアルタイムでWEB配信を聞いていたのですが、圧倒される、引き込まれるという感じ。もちろん、話が上手いというのもあるかと思いますが、リアリティによる「無意識下の納得」というものではなく、意識的にも止められない吸引力を持ったWeb映像になっていたと思います。
これは播戸さんがリアリティのある話をしたからというだけではなく、ご自身が責任の重さや苦しさや、それに打ち勝って得てきた喜び、感動という「リアル」な体験・経験をもとに話をされていたからだと思います。
このセミナーを通じて、
本当のリアルは、対面だろうと非対面だろうと圧倒的なインパクトがある
ということを学ばせて貰ったような気がします。直接お目にかからなくても、インターネット越しでも「リアル」の凄みは十分伝わりました。それはリアリティがあるという次元ではありませんでした。
これからのリアルの価値
「リアル」こそがこれからのインターネット時代の価値である
このような言葉は、決して珍しいものではないと思います。特に、近年はD2C(Direct to Customer)という観点で、オンラインショッピングが発達すればするほどリアル店舗での体験の重要性が増しているというニュース記事は多く見受けられます。
播戸さんの話で気づいたことは、リアルの重要性は決して店舗体験やブランディングだけの話では無いと言うことです。当たり前ですが、リアルの重要性は「ヒト」にも当てはまるということです。
● WEB越しでも伝わるような迫力のあるリアルな体験をしてきているのか?
● リアルに会うときには、ネット上では体験できない更なる体験価値/時間価値を明確に設定できているのか?
バーチャル世界、リアル世界いずれにおいても「リアリティ」が重要なことは間違いありません。リアル世界での打合せが再会始めた今、そのような「リアリティ」の実現の上で、ユニークかつインパクトのある「リアル」の重要性を改めて思い出しました。
ちょうど今週のカンブリア宮殿で村上龍さんが『リアルとは生きている人間のことである』という表現を使われていました。まさに生きている人間の経験、人生こそがリアルの価値を作り上げていくんだと思います。
では、また来週~
安藤健@takecando
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