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起業したいという学生へのおすすめ

私は学生時代に起業してかれこれ、15年以上続けているので、この時期になるとよく「将来起業したいんですが、どんな企業に就職すればいいか?」と聞かれます。

商売を見つけられるか?

私は学生で起業したので、「学生でも起業できますよ。なぜ今すぐ始めないのですか?」とまず聞きます。

今すぐやらない理由としては大抵「今始めても、商売にならないから」です。私は商売になりそうだったので、学生のときに起業したわけです。

そして、起業しうる商売になるかどうかは、たいていのスキルや人脈とはあまり強い関係がありません。スキルや人脈があるから商売になるのではなく、何らかのニーズを持ったお客さんに到達でき、そのニーズを満たすことができるから商売になるのです。

特に、スキルを得て、そのスキルで商売するために起業する、というのはかなり効率が悪い話です。私と同時期に「将来起業したい」と言っていた30人ぐらいの人の中で、とりあえず就職するといって就職して今起業している人は1人しかいません。今の日本企業で従業員が起業することを前提にスキルを身につけさせるという考えを持っていることはほとんどないので、これはある意味当然でしょう。

起業を目指して就職するには

じゃあ、起業を目指していて、就職する意味はないのか、と言うとそうでもありません。方向性は2つあります。

1つ目は、就職した会社を使って起業するというものです。

中小企業白書,2017
約1/4程度の人が務めていた企業と何らかの関係をもちつづけて起業(スピンアウト)しています。このケースを目指す場合、就職先選びのポイントはスピンアウトの実績が多いかどうか、継続的に稼ぐ力があるかどうかです。ちょっと調べればスピンアウトの実績や稼ぐ力があるかはわかるので、それを基準にしましょう。入社したら、スピンアウトした先輩の話をよく聞いてキャリアを積みましょう。

2つ目は、起業の資金を得る方法を身に付けるということです。

中小企業白書,2017

起業をあきらめる理由の1位は、資金調達が困難だからです。逆に、例え大した商売がなくても、資金が集められれば起業することはできます。何もスキルがなくても、10億、20億ぐらい資金調達できるなら商売の方が寄ってきます。

だから、2つ目の選択肢は起業関連の金融機関、例えばベンチャーキャピタルであったり、プライベートエクイティなどのバイサイドの機関投資家に就職することです。そちら側から起業している人は実はたくさんいます。お金の集め方がわかっていれば、たとえ起業に失敗しても、ツブしが効きます。引く手あまたです。

起業は手段に過ぎない

まあ、でも、結局のところ起業で成功するかは運の要素が強いので、どこに行こうと「運」があれば起業もできるのかもしれませんが、それはかなり珍しい話でしょう。

何が何でも起業して「○○したい」、ということがあるのであれば、起業というより「○○したい」を目的にして、その目的達成するために行動すべきです。起業というのは手段でしかないのですから。

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