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J1第24節 vs札幌(H)

2024/7/20 19:00  IN埼玉スタジアム2002

前節京都相手に負傷明け組を上手く組み込みながら新加入選手まで起用したが0-0のスコアレスドローに終わったレッズ。今節は今季絶不調と苦しむ北海道コンサドーレ札幌との対戦。

札幌は現在2勝6分15敗の20位で、勝ち点は12と19位の京都まで勝ち点差10と夏を過ぎ降格圏のチームで単独最下位。正直に残留できるか微妙なラインである。

今年も負傷選手の離脱が多く、札幌のバンディエラ的存在のMF宮澤をはじめMF小林祐希、MF荒野、MF深井、MFスパチョーク、FWキム・ゴンヒといった主力だけでもこれだけの数がいる。

明るいニュースでは、既存戦力のMF青木やMF浅野がスタメン復帰し、以前金子拓郎が務めていた右ウイングバックにカットインという武器が戻ってきた。今節ではMF近藤が復帰かという報道もある。
そしてこの夏の新加入DF大崎玲央やMFフランシス・カン、FWジョルディ・サンチェス、FW白井陽斗、DFパク・ミンギュらを獲得。

この試合では新加入選手のデビューを含め、巻き返しを図る一戦となる。

☆北海道コンサドーレ札幌戦への展望

情報と印象
・システムは3-4-2-1
・ビルドアップから繋ぐミシャサッカー
・日本人選手を中心に戦っている
・防げる失点を重ね迷い悩みながらプレー

予想メンバー

希望メンバー

離脱選手: 大畑、中島、安部、前田、リンセン
出場停止: なし

GK〜DF

前節では出場停止の石原選手に代わって関根選手が負傷離脱からいきなりスタメンに抜擢され、60分という規制された時間であったが、存在感のあるプレーを披露し改めて自身の価値を示した。
今節は大畑選手がパリ五輪への出発を果たしたこともあり、左サイドバックでの出場が濃厚。

またセンターバックには発熱で京都戦に出場できなかった佐藤瑶大選手に代わって井上黎生人選手が持ち味のカバーリングを披露し、今季初先発とは思えないほどの安定したプレーを見せた。
今節でも継続して見たい選手であるが、可能性として佐藤瑶大選手の復帰が高いかもしれない。

MF〜FW

中盤では黒子の存在として安居選手の働きが目立つが、一度ここで堀内選手へバトンタッチしてもいいタイミングかもしれない。

彼はここ数試合続けて長い時間出場しており、疲労が溜まっていることが見てわかる。とてもじゃないが90分間ベストを尽くせるとは思えない。彼の存在なしに挑むのは正直怖いが、グスタフソン選手の出場時間も考え、今節はボールタッチの質が良い堀内選手を大抜擢して使ってみても面白いかもしれない。

また前線には負傷から戻ってきたら小泉選手松尾選手をはじめ、新加入の本間選手とデビューを果たした二田選手など、新たな顔が入ってきた。
どの選手も万全ではないが、厳しい試合にはならないだろう札幌戦で出場機会を得たい。

☆展開予想と相手の特徴

多くの人は浦和が攻め続ける防戦一方の展開になると予想しているだろう。

札幌は今季7節のG大阪と14節の磐田のみホームで勝利しているが、未だにアウェイの地での勝利がない。
油断しかねない相手とはなるが、札幌が勝利する展開も0に近くはない。

過去数試合では不調とは思えないほどゴール前へ迫るシーンを多く作れており、得点こそ次への課題だが“形”は作れている。

攻守それぞれチームの特徴はあるが、それらの点を考え、上手くゲームを作っていきたいところだ。

《攻撃の特徴》
ビルドアップは課題だがその先には大きなチャンスが...

このチームで壊滅的なのが、ビルドアップの質

J1で圧倒的に繋ぎのミスが目立ち、3バックの3枚にプレスがかかるとすぐ苦しくなり劣勢に追い込まれる。ここは技術的な低さが招いていると思われ、DF岡村をはじめDF高尾も上手な選手ではない。

対して強みはショートカウンターの頻度が高く、攻撃的なウイングバックを中心に勢いよく敵陣ゴール前まで攻め切ることだ。

結果的にスコアで負けてはいるものの、このシュートシーンはど少なくともどの試合でも作っており、最後の質の低さで得点に至っていないだけだ。
いくら相手が最下位であること、得点数がリーグ最小であっても油断してはならないところだ。

シャドーにはMF駒井が前節累積警告からの出場停止明けでスタメン復帰が濃厚だ。

前線には大卒ルーキーのFW大森が目立っており、連携面や技術面では実力はまだまだだが、身体を張るなどチームに貢献するプレーを見せている。

セットプレーでは今季獲得したPK2本中2本とも得点に繋がっておらず、直近では前節でFW鈴木武蔵が決められずに勝利を逃しており、FW鈴木は今季未だノーゴールで完全なる絶不調に。

苦しんではいるが、決戦の地埼玉スタジアムは得点を多く決めている相性の良いスタジアム。
自分で持ち運び得点を決め切ると意気込んでいるはずなので、警戒していきたい。

《守備の特徴》
守備の構築と緩さが招いた被弾の数々

第一に最終ラインが重い
ラインコントロールでは最終ラインのセンターDF岡村が統制できておらず、強固なディフェンスを築けられていないのが最多失点の原因のひとつだと分析する。

前節ではボールウォッチャーなシーンやコミュニケーションが取れていないことが要因で、マークが被ることや放すこともあった。中心がしっかりしていないことや、その他の対応によって両脇のストッパーDF中村とDF高尾に背負いかかる負担が大きいようにも見える。

また、札幌の特徴のひとつであるディフェンダーの「3枚が守る」というやり方が近年の札幌で失点が止まらない原因だと断言できる。

3バックシステムの場合、一般的にはウイングバックが下がってディフェンスラインを5枚にすることによって守備の厚みを増し、ポケットの侵入などを防ぎ上手く攻めさせない戦術だが、FW菅やMF浅野、MF田中宏武、MF近藤、MF原と共通して攻撃的なサイドアタッカーを指揮官は配置しているのである。

ここはかつて率いていた広島や浦和と明確に違う点として圧倒的に個の力で劣る。ミシャ体制初年度はうまくいったかもしれないが、この問題を解決できないまま時が経った結果だろう。

守備に強みのある選手を置かないことによって攻撃的な選手が守備の選手へ他責となり、守備が軽い場面が増え、相手に数的不利で押し込まれて…の連続である。

浦和は他チーム同様これまで通り相手陣地に多くの人数をかけ、サイドチェンジを繰り返しながら翻弄していくのが効いてきそうだ。

あとはGK菅野が相変わらず積極的に前へ飛び出してくるので、ロングシュートのアイディアを頭に入れておきたい。

☆キーマン

[浦和] 堀内陽太選手 背番号29(CM)

今回はこの選手に期待をかけよう。
プロデビューとなった昨季は一試合もリーグ戦に出場することができず悔しい結果となった。今季はここまで2試合の出場で約7分のプレーという短い時間ではあるが、随所に持ち味のボールコントロールの良さを発揮し、ボールタッチで相手との違いを見せた。
今節は強度が上がりきらない相手との試合で、自身の価値を示す一戦にしたいところだ。

[札幌] 大崎 玲央選手 背番号25(RDM)

札幌に新たなスパイスを付け加える選手。
機動力がないのが致命的ではあるが、ベテランの域に達し、落ち着きが増した。
この選手の大きな特徴である”楔のパス”縦へのズドンは前線の選手のトラップの質や連携が必要となってくるが、繋がってくると脅威だ。
ボランチでパートナーを組むCB出身の馬場とのコンビにも注目だ。

☆結びに

磐田戦のようなボーナスゲームになるかもしれないが、ならないかもしれない。

得失点差を少しでも上積みするためにも多くの得点を演出し、リーグ中断前最後の試合で笑って締めくくりを。

以前、さいたま市の小学校で新キャプテンに就任した「敦樹先生」が札幌戦へ向け子供達に来場を呼びかけ勝利を誓っていた。

当日は小学生を対象に赤い帽子がプレゼントされるそうだが、彼らにとって夏休み一発目の良い思い出となり、“また来たい”と思わせるような素晴らしいゲームに期待したい。

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