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bonfire

一月の風が、浜辺を撫でる。
しがない薬学生が、薪をくべる。

大学生は人生の夏休み、なんて言葉があるが
私は今、夏休みなのにやたらと宿題の多い
自称進学校に通っている気分である。

さて、宿題の一つに
「人生の趣味を見つけなさい」
というものがあった。
自由研究のようなものだろうか。

私の現在の趣味といえば
・楽器演奏
・お笑い鑑賞
・革小物収集
・チープカシオ収集
・アウトドア

収集癖は病気なので幾分か仕方ないが、
音楽とアウトドアは随分と金がかかる。
そしてまた、準備や手入れなどの
楽しむ以外の時間があまりにも大きすぎる。

しかし、今までのどんな戯言を並べても
焚火の魅力には勝らない。

寒空の下、火が灯る。
それを孤独に見つめる。

薪はくべ続けてもいけない。
薪が多くなると炭の塊が空気の通り道を塞ぎ、
乏しくなってしまう。
火はゆとりを楽しむ大人の趣味なのかもね。

ただ火を起こすだけというそれは、
あまりにも生産性の無い行動に見てとれるが、
孤独を楽しみたい生き物である以上、
私は永遠を感じながら刹那を味わうのだ。

私はこの春で
アルバイトを辞めることを決意した。
理由は、正直明確では無い。
ただ、6年生に対する恐怖心と、少しばかりの
心のゆとりが欲しかったのかもしれない。

薪をくべ続けた5年間、
私の火を絶やさないためにも
しばしとろ火にさせてもらいます。


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