『仮面ライダークウガ』第1話感想
第1話 復活 (その1)
記念すべき平成仮面ライダーシリーズ第1弾の第1話です。この1話によって、様々なものが受け継がれたり生み出されたりしたんだなあと思うと感慨深いですね。
のっけからデザイン性が高い象形文字っぽいもの(のちに判明するリント文字)で、しかもちゃんと日本語字幕付きでテレビを見る時のお約束が示されるという凝りよう。もう好き(←早すぎる)。
何かの遺跡で、洞窟か何かの中の祭祀場なんだろうとしか分からない場所で、複数の人間体が戦っている。解像度が粗いモノクロ映像の中で、様々な色の人間体=戦士クウガが、くっきりしたカラー映像で示され、主役だとはっきり分かるようになっている。ほんの数十秒の間なのに、親切。
戦っている間中、ずっと呪文のようなものが流れている。古代のリントの言葉なのか、クウガが戦っている人間体たちの言葉なのか、どっちか分からないけどちょっとお経とか祝詞とか呪文詠唱っぽい。多分ディアゴスティーニとか考察している人のブログとかには正解が紹介されている……多分。
戦いののちに残った戦士は石棺に収まり、蓋をされる。石の蓋には大きなマーク。それを誰かがなでる。この時に流れている曲は意外にもゴシック的な、ミサとかで流れてきそうなパイプオルガンを使ったミステリアスな曲。元々こういう曲があるのかどうか分かんないけど、ここでそういう曲を使うセンスが素敵。好き。……てか、ここまでで開始1分。1分が濃い。
OP。カッコいい……何度聞いてもカッコいい。
有刺鉄線の向こうのオダギリジョーのアンニュイな表情がいい。
カット割りとか映像の質感や色調のトーンとかで、この作品初期の情報を的確に伝えられてる。
そして青空。この青空も、雲一つないピーカンじゃなくて、白くてふわふわした雲が浮かんでいるのがいい。
最後に点滅しながら表れる「A New Helo. A New Legend.」がまたカッコいいというかオシャレというか……。好き。
時代がはるか下がって現代。石棺の蓋に触れるいくつもの手。発掘調査隊が何の感慨もなくただ触っただけ……とか、一瞬に情報入れすぎじゃない?
北アルプス・九郎ヶ岳の発掘調査現場。
様々な機械を設置し、録画をしながら石棺を開ける。中にはどの文化とも分からない衣装や装飾をした人物のミイラがある。学生(または助手)が不安を口にするが、教授が一蹴して「くだらないこと言ってないで手を動かせ」と作業をせかす。その声が聞こえたのかどうか、ミイラの右手がわずかに動く……おお、ホラーの香り。
場面変わって新東京国際空港。カメラ目線で語りかける青年。何だ?イメージフィルムでも始まったのか?と思ったら迷子に話しかけてた。
泣いてる男の子に、ジャグリングを披露していると、迷子のご両親がやってきて、青年にお礼を言う。青年は笑顔で見送り、後ろに止めてあったバイクに乗って颯爽と出発する……カッコいい。
東京・城南大学考古学研究室。
携帯電話で話しながら、パソコンで作業している女性。電話の相手は新聞記者(そう言えば名前呼びするほどの仲なのに、本編では一度もお見掛けしなかったな)で、この会話によって、彼女が何の研究に携わっていて何が専門なのか分かる。親切。それにしても、携帯電話と言いパソコンと言い、時代を感じるわあ。懐かしいなあ。
ホラーテイストと音楽が流れる中、カメラが窓から女性に忍び寄る。彼女は一切気にしないまま背後に話しかける。
インドネシアの魔よけのお面を脱いだ下から、空港で迷子をあやしていた青年の顔が現れる。二人は親しい間柄で、青年、つまり五代君はこの大学に縁があり、彼女、つまり桜子さんや彼女の研究室が今何に携わっているのかを知っており、青年は恐ろしくフットワークが軽い……を短い間に分かりやすく見せている。上手い。親切。
五代が出かけようとすると、それを引き留めるがごとくパソコンから音が鳴る。ある文字を解読し終わったという合図だが、解読結果は「死」と「警告」……おお、ホラーの定番ではないか……!驚く桜子さんに、五代はとりあえず九郎ヶ岳に向かうと告げる。
不穏な気配を感じつつ、その2に続きます。
初出:2021年6月29日 2024年5月1日加筆修正
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