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『仮面ライダークウガ』第7話感想

第7話 傷心 (その5)

 葛飾区内。午後0時37分。羽音と共に、上から見たレジャーランドか何かのプールが映し出される。そして屋外にいたこの施設の従業員らしき男性が、ブシュッという音がしたかと思うと、地面に倒れる。足のそばにはこれまでの犠牲者と同じく、穴が開いている。

 被害者の男性から少し離れて、ハチ型グロンギが着地する。遺体のそばまでのっしのっしと歩いてくると、数を数えるかのように腕輪の飾りを一つ動かす。少し離れた日陰に人間体の第3号がいて、「気をつけろよ」みたいな感じでハチ型グロンギに話しかける。いやいや、そもそもそこで何してんだ、お前。

 ハチ型グロンギは第3号の言葉を鼻であしらい、手首を自分の目の高さまで上げると、腕輪を指さしながら、どこか余裕を見せて何かを言う。それを聞いた第3号が表情を消し、その後怒りをこらえるように息を呑み、顔を震わせたところを見ると、「お前とは違う」とか第3号を含めたランクが低いグロンギたちをまとめて馬鹿にしたとか、そんな感じなんだろう。

 あれ、ちょっと待って、第3号のヤツ、今までしてなかった色付き眼鏡してやがるぅぅぅ!そして、もしかしてだけど、もしかしてだけど、帽子とコートも薄手になってんじゃないの⁉(Ⓒどぶろっく)お前いつからそんなにオシャレに気を遣うようになったんだよ!そして明るい場所に出てきたからわかったけど、顔とか耳とか比喩じゃなく純白なの、紫外線避けに何かを塗ってるの?それとも彼の素肌設定?色々渋滞してて分かんねぇ……。

 「ハッハッハ……」とザ・悪役な笑い方をするハチ型グロンギ。よく見ると、口というかあごが笑い声に合わせ、小さく開いたり閉じたりしている。造作が細かい。すると、どこからか発砲音がし、ハチ型グロンギの手首から腕輪が弾き飛ばされる。弾かれたのは飾りがある腕輪で、それが音を立てて地面に落ちる。バイクのエンジン音が鳴り響く。何事かと辺りを見回すハチ型グロンギと第3号。

 この施設の入り口脇に覆面パトカーを停め、運転席側のドアを盾代わりにして、拳銃を構えて一条刑事が立っている。本当に様になるな。遅れて五代雄介がトライチェイサーに乗って現れ、覆面パトカーより後ろに止まる。ヘルメットを脱ぎながらトライチェイサーを降りる。一条刑事は素早く車のドアを閉め、しゃがみながら拳銃を構え直す。五代はベルトを出すと、走りながらポーズを取り「変身!」と叫ぶ。そんなのアリなのか、という風に五代を見る一条刑事。五代の姿はたちまち赤いクウガへと変わる。

 一方のハチ型グロンギは、その姿を見るなり「クウガ!」と叫ぶ。走った勢いをつけ、ハチ型グロンギに文字通り飛びかかるクウガ。

 隠れていた物陰から、こりゃ面白いことが始まったとそっと身を乗り出した第3号だが、ふと落ちたままの腕輪に目をやり、チャンスだ!と言わんばかりに駆け出して行く。

 ところがどっこい、それに気づいた一条刑事が、素早く身構えて拳銃を立て続けに撃つ。銃弾の一発が第3号の帽子を弾き飛ばす。ここで久々に第3号の運の悪さが発動し、ちょうど日向に出ていた第3号は真昼の太陽光に目がくらみ、尻もちをついて何とも情けない悲鳴を上げると、頭を抱えて体を丸めるようにして逃げ出す。五代とは逆に人間体から怪人体に姿を変え、自分の羽で顔を光から守りながら、うめき声と共に日影へと駆けて行く。

 今まで居所が分からなかったその姿を思いがけなく見つけ、「第3号!」と驚く一条刑事。ひたすら逃げていく第3号の後を走って追いかける。追われているのを知ってか知らずか、第3号が地を蹴って飛び立つ。

 別の場所へと走って移動したハチ型グロンギとクウガ。ハチ型グロンギ、今までのグロンギと違って、肌つやから何からちょっと強そう感というか、身分かランクかが第3号たちよりは高そうな感じが出てる。鎖かたびらっぽいの付けてるし(ハチだからハチの巣模様の装飾を付けてる可能性もあるけど)、ふんどし(?)だって第1号から第6号までと違って、布から革製っぽくなってる。

 クウガが戦い慣れたり、より一層決意が深まったのか、それともハチ型グロンギがそもそも近接戦闘は苦手なのか、接近戦においては両者ともほぼ互角……いや少し、クウガの方が強いかな?と視聴者が思ったところで、同じことをハチ型グロンギも考えたらしく、自分の腕の針を見ると、その手があったじゃんと思ったのかどうか、クウガの前から飛び立ってしまう。

 ハチ型グロンギの行く先を見ていたクウガは、上に飛んで行くのを確かめ、「逃がすか!」と言うと近くにあった階段を登る。とにかく駆け上がるうちに、青いクウガへと姿を変える。素早さが格段に上がり、そのまましばらく走り、その勢いのまま叫びながら高く上まで飛び上がる。一番上まで到達し、着地する。

 最上階で、ハチ型グロンギに警戒する青いクウガ。羽音が聞こえるが、その姿は見えない。羽音を追って顔を向けるが、そこにハチ型グロンギはいない。そんなことを繰り返しながら青いクウガがハッと振り返ると、ハチ型グロンギがそれに合わせてパンチを食らわせる。吹っ飛ぶクウガ。

 降り立つハチ型グロンギ。よろよろとクウガが立ち上がり、身構える。間合いを取り、どちらも攻撃するタイミングを計りながらゆるゆると動く。先に仕掛けたのはクウガだが、青いので何しろ攻撃力が弱い。ボディには全然効かない。態勢が低くなったところで足下に回し蹴りを繰り出すが、ハチ型グロンギは真上に飛んで行ってしまう。クウガは姿を追うものの捉えられない。その眼の奥が一瞬だけ緑色に光る(「緑色に光る」でキャッツアイを思い出した方は、もれなく我が同志)。

 死角からハチ型グロンギからボディにもろ手突きを食らって、最上階から落とされるクウガ。どうにか整備用通路の柵の外側につかまったものの、ピンチには変わりない。そしていつの間にか、何故か体の色が緑に変わっている。柵をよじ登ろうとして自分の腕が目に入り、色が変わったことに気づき、「緑になった!」と驚くクウガというか五代。

 すると、急に一度にたくさんの声や音が聞こえるようになる。音酔いして、頭がふらついてしまい、文字通り目が回る。落ちそうになるものの、どうにかこうにかしがみつく。自分の身に起きたことにさすがの五代も驚きが隠せない。「な、何だ、これは……!」と苦しみ戸惑っていると、今度は視覚情報まで怒涛のように押し寄せてくる。

 四方八方から押し寄せる大量の聴覚情報・視覚情報の波に襲われ、心身ともに限界を迎えた五代は、とうとう柵から手を放してしまい、地表へと落ちていく。果たして、どうなってしまうのか⁉

第7話 完。

 さあ、クウガに何が起きたのか⁉地表に落ちて無事なのか(骨折しまくってた前例があるけど)⁉ハチ型グロンギを倒すことはできるのか⁉ミカちゃんの行方は⁉夏目教授の遺品は何なのか⁉榎田さんと一条刑事の関係は⁉

 そして我らの最大の関心事(?)一条刑事VS第3号の第3ラウンドの結果やいかに⁉

 それにしても、サブタイトルがミカちゃんの心の傷だけではなく、リアルに心臓を直撃して傷つける敵を指していたとは(考え過ぎ?)。色んなことに容赦がないね、ここのスタッフは……。

 さて、新登場の榎田さんについて。普通(う~ん、一条刑事と知り合いってだけで、普通じゃない気がするけどまあいいや)に働く理系女子の榎田さんが、20年ほど前の子供向け作品に登場しているの、先見の明って言うか、珍しいっていうか。いや理系女子自体は色んな媒体や作品に出てると思うけど、特に若くして何かの権威になったとか、すんごい発見したり論文書いてる天才とかじゃなく、本当に普通に勤務している人として描かれてるの、あまりない気がする。どうでしょうか、みなさん?

 

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