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『仮面ライダークウガ』第9話感想

第9話 兄妹(きょうだい) (その2)

 警視庁・合同捜査本部。午前9時ごろ。まさに捜査会議中。捜査本部長から、これまでの捜査でグロンギ=未確認生命体の行動の特徴として、一つの場所に集まることが確認されたこと、つまりアジトのようなものがあるとの話があり、一条刑事が詳細を説明する。これまでの捜査で明らかになったことが、視聴者にも共有されることになる。安定の親切さである。

 一条刑事いわく、未確認生命体(グロンギ)たちは人間の姿に変化すること、共通点として体の一部に様々なタトゥがあること。また、事件が連続して東京で起こるようになって以来、未確認生命体の目撃証言が集中していたのは都内の8カ所であったこと。

 ここまでの話で、未確認生命体たちの本来の姿がどっちなのかは明確にされていない。未確認生命体第1号であるクモ型グロンギが人間体を取らないまま長野県警に現れたから、警察サイドというか人間サイドからすると、怪人体がメインで人間体がまさしく世を忍ぶ仮の姿という認識になるだろう。

 一条刑事の説明に合わせ、一条刑事大好きな女性警察官がリモコンを操作して、モニターに東京近郊の地図を映し出す。地図には、様々な場所に×印が付けられている。一条刑事が説明を続ける。

 ×印の場所には、第3号を初めとして数名の未確認生命体が潜伏していたらしいこと、彼らに集団の意識があるならば、そこにすべてを指揮する存在がいた可能性もあること。「ボスか……」と一条刑事の隣に座っている刑事がつぶやく。

 良かったね第3号、ちゃんと認識されてるよ!(そりゃそうだ、この前追いかけられたばっかりだ)

 さらに一条刑事の説明によれば、不可解なことに、いずれの場所においても、未確認生命体たちは付近の住人たちに騒がれると、別の場所に移動しているという。杉田刑事が「あれほどの力を持った奴らが、逃げる必要はなさそうなもんだがな……」と疑問を口にする。彼の言葉にうなずきながら、「それが現在のところ、最大の謎です」と言い、一条刑事は着席する。

 本部長が改めて話し始める。未確認生命体がすでに20号まで出現したこと、その犠牲者は警察官を含めて278名にも及んでいること。このまま黙って被害者を増やすわけにはいかず、何としても未確認生命体の拠点を突き止め、自分たち、すなわち警察の手で一網打尽にしなければならない、と。

 本部長に促され、警察犬訓練所の柴崎という人物が立ち上がり、話し始める。彼によれば、警察犬たちは初めのうちは未確認生命体に対してかなりの抵抗を示していたものの、1カ月半の訓練を経て、31頭のうちのミカド号だけが未確認生命体が放つ特殊なフェロモンを嗅ぎ分け、追跡できるようになったという。

 本部長が、別の刑事に声をかける。桜井と呼ばれた刑事に、本部長が柴崎訓練士と共に警察犬による捜査を、特に、ここ数日で目撃証言が増えている品川・太田・目黒区を中心にするように命じる。分かりました、と答える桜井刑事。ああ、あなたは、第4話で第5号が山の廃墟で大暴れした時に杉田刑事になだめられていた刑事さんではないか!

 本部長が、捜査によって未確認生命体の拠点を発見した時の対処方法を科警研に考えてもらったと話す。例の女性警官が、ジュラルミンケースを捜査会議の机の端、つまりは一条刑事に近いところに置く。一条刑事が立ち上がり、榎田さんが詳細をまとめたというレポートを示しながら話し始める。紙束の中からレポートを探し出してめくる杉田刑事。他の捜査員たちもそれぞれにレポートに目を通す。

 榎田さんの話によれば、第6号が拒否反応を示した工場の煙を分析して、付属鑑定所に未確認生命体鎮圧用の特殊ガス弾を開発してもらったという。一条刑事がジュラルミンケースを開ける。クッションが敷かれた中に、5個の黒い物体が並んでいる。

 一条刑事はそのうちの一つを取り出すと、その場にいる全員に見えるように縦に持つ。「この、上下の安全装置を解除して投げつければ」と特殊ガス弾の上と下を指さす。「爆発して煙が広がります」

 え?それって、安全装置の解除がうまくできなかったらどうなるのよ?もしや伏線?伏線ですか?(と、一度見たのに忘れたふりする私)

 隣の席の桜井刑事が、ケースの中の特殊ガス弾を手に取り、ため息をつきながら「オレたちがこんなモン使うようになるとはな……」と手にしたものを縦にしたり横にしたりしながらつぶやく。

 一条刑事が口調を改める。「しかし、これが第6号以外の未確認生命体に対しても、効力を発揮するかどうかは実戦で使ってみなければ何とも言えないということです」一条刑事が話し始めたら、そっと特殊ガス弾をケースに戻した桜井刑事が何かカワイイ。一条刑事も話しながら自分が持っていた特殊ガス弾をケースに戻し、話し終えると同時にケースを閉じて鍵をかける。

 一条刑事の話にうなずく本部長。「捜査には地道な積み重ねが必要だ」そう言って本部長が立ち上がる。「全員、未確認生命体の拠点の発見と鎮圧に向けて、捜査を続けてくれ」本部長の言葉に、全員が力強く返事をする。

 一条刑事好きな女性警官、ただのお使いではなくて、正式な捜査本部付の警官だったんだね……。一条刑事が話している時やそばにいる時は、世界には一条刑事しかいないかのように浮かれた仕草をしていたり、ウットリと微笑みながら見つめていたりしていたけど、自分の仕事の時はパッと表情が切り替わってちゃんと仕事してる。

 そして、日を追うごとに彼女のような一条刑事ファンが警視庁に増えてると思うんだ!絶対ファンクラブ(本人非公認というか、存在さえ知らない)があると思うんだ!むしろ、無いほうがおかしいよ(グルグル目)

 薄暗い中で立ち止まる、白いハイカットのスニーカーを履いた足。その足がまたゆっくりと動き出すと、カメラのアングルが変わり、ほんの一瞬だけ、男性の頭から胸元までが映し出される。白い三角の、ビニール素材のような生地のトンガリ帽子をかぶり、白い上着を着ている。今までで最も奇抜な格好の男性の後ろに見える天井で、彼がいるのは倉庫だと分かる。

 また変なヤツが出たぞ……と思っていると、またカメラのアングルが変わり、彼の後ろからの視点となる。彼の目的は、倉庫の中にいたバラのタトゥの女のようだ。彼の姿を認めたバラのタトゥの女が、言葉を発する。黙って聞いている白い帽子のグロンギ。

 白い帽子のグロンギが、さらに彼らの中へと入ってきて、何かを言いながらしゃがみ込む。第3号が彼に近づきしゃがみ込んで話しかける。第3号はスッと立ち上がってスタスタと歩き、カウント用の腕輪を当たり前のように手にして、とうとうオレの番だみたいに興奮した表情で腕輪を見つめる。いやソレ、勝手に触っていいもんじゃないよね?前にも勝手なことして怒られたよね?

 と思っていたら案の定、バラのタトゥの女に秒で取り上げられる。バラのタトゥの女は、怒ることさえせず、虫けらとかゴミくずを見るような見下した目を第3号に向ける。悔しそうに顔を歪める第3号。バラのタトゥの女の見下しっぷりは、完全にそういう表情のお手本で、惚れ惚れする。

 バラのタトゥの女は、第3号には目も裏拳もくれず、一言つぶやきながら、取り返した腕輪を放り投げる。腕輪を目で追う第3号。腕輪は白い帽子のグロンギの方へと飛んで行く。ノールックで白い帽子のグロンギが腕輪をキャッチする。彼はやおら立ち上がると、バラのタトゥの女へと向き直りながら腕輪を装着し、彼らの言語で宣言をする。満足そうに微笑むバラのタトゥの女。白い帽子のグロンギは、中指と親指を広げた左手をバラのタトゥの女に向けて突き出す。彼の左手の甲には、イカのタトゥがあった……イカ⁉

 いきなりトリッキーな衣装の新しいグロンギを放り込まれてポカンとしたまま、その3に続く。

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