『光る君へ』第2話を見た

 アハハハハハ、うっかりしていて結局第1話をフルで見ることはできませんでした(やけっぱち)。

 過去は過去。気を取り直して第2話をNHKプラスで観てみよう。

 ……あ、もう本役なのか。早いな。子役からやる話って、子ども時代の経験が後々に影響する、みたいなのを描きたいので2話3話までやることもある。『ガラスの仮面』の舞台荒らし編みたいなことになってもアレだから良し悪しだけどね。

 ああ……一応まだ10代なのか……めっちゃ大人だなあ……。
 『真田丸』の時、堺雅人はちゃんと10代だったけど、いやあ吉高由里子メッチャ大人だなあ……(持てる限りのオブラートを使用しています)。

 大人になった晴れ姿を見て感慨深い侍女が、今は亡き母上が見たら、などと言う。その言葉に「お母様は殺されたのに」とふくれっ面をするまひろ。
儀式の後も、藤原家の二の君の名前を父上の友達に確かめる。「それを知ってどうするつもりだ」と大人の裏面を出して父上の友達がたしなめる。
ホントそう。どうするつもりだ。
 「藤原の二の君を倒さなければならない」と心に決めて、本心を隠しつついずれは藤原家に近づいて母の敵を討つぐらいのことをやってくれたら面白かったのに(←どこの始まりの国の王様なんだ)。
 まだ10代の小娘であることを差っ引いても、父が手応えを感じて男だったらと嘆いた割には、思慮が浅い印象がある。

 都の一角のとある家にやって来たまひろ。家の主が待ちかねたように奥に入れと合図を送る。慣れた様子で家の奥に入ったまひろは、わずかなすき間から差す日の光を頼りに、持ってきた筆記用具を取り出すと、いそいそと墨をする。
 壁にわずかに開いた穴から、紙が差し入れられる。壁の向こう側から、歌を書いてほしいと要望が出される。まひろは精一杯に低い声を作って返事をする。彼女は客に素性を隠して歌の代書のバイトをしているようだ。
 代書屋にはひっきりなしに男女を問わずに客が来る。まひろは狭い部屋で体育座りの姿勢で、客の話を聞き、その要望に合わせて次々と歌作りをこなしていく。受け取った客はみんなその仕上がりに満足して帰っていく。

 ……はい?
 いや別にまひろがバイトしててもいいんだけど。家がド貧乏なんだから。
 最下級とはいえ貴族のお姫様がどういういきさつで市井の代書屋と知り合ったのか、その代書屋に歌の才能を認めさせたのかを知りたいというか、そこをやってからの「代書屋の秘蔵の売れっ子」じゃない?
 恐らくは〈代書屋をやってて、色んな人からいろんな話を聞いた経験が後々の創作に役立ってるんですよ〉ってやりたいんだろうけど、それならそれで代書屋としての駆け出しのころ、失敗した所も見せたほうが良かった気がする。1年やるんだから、逆算した上での土台作りをしてほしい。

 まひろが大人になったということは、憎き仇とその兄弟も大人の仲間入りをして、それぞれに官職を得て宮中に仕えている。ぽやぽやブラブラしていた三男坊もである。
 帝の后となった三男坊のお姉さまは、男の子を生んだものの、ガツガツしている父親のあおりを食らって、宮廷内での政治バランスを気にした帝にガン無視されて、何年もほったらかし状態。
 見かねた父親が訪ねて来て、とうとう「御子を連れて実家に戻れ(要約)」と言い出す始末。その理由は、今の帝にはお姉さまが産んだ御子しかおらず、実家に連れてって手元に置けば生かすも殺すも藤原家の自由……という、非情なものだった。父の言葉に不満を覚えたお姉さまは当然、実家には帰らないとはねつける。
 いっそ「御子はわが藤原家のための道具」ぐらい言ってくれても良かったのに……え?どこの始まりの国のアラビアのロレンスな王様だって?聞こえなーい!

 ただでさえヒマで辛いというのに、父親に我が子を人間扱いされなかったお姉さま、本日もいつものように三男坊を呼びつける……え?どこに?お姉さま、まだ後宮にいるよね?
 呼びつけられた三男坊、明るい日差しを浴びながらお姉さまと差し向かいでざっくばらんな会話を……え?
 もう一度聞くけど、ここはどこ?お姉さまのマイルーム?それとも平安時代にも江戸時代の大奥みたいな接客部屋みたいなのがあるの?
 それとも最新の学説だと、後宮内でも家族だったら成人男子であろうと帝の后と直接に顔を合わせて話をしてもいいのかな?ウヴァアアアアアア!

 でも『花燃ゆ』みたいに、時代考証の先生がついていても堂々と史実を捻じ曲げたこともあるからなあ……。史実と史実の間を想像力でアクロバティックに埋めることと、自分の描きたい場面を優先して史実を捻じ曲げたり無かったことにするのは違うんだぞ。その作劇の責任はさすがに脚本家をはじめとする制作サイドにあるからな!時代考証の先生方は悪くないからな!

 ……ということで、第2話も完走することなく脱落しました。同時進行で17年かけて諸悪の根源に大打撃を与えた史上最悪の覇王の話を見ていたので、どうにもこうにも、ねえ……。

 ネットニュースでも雑誌などでも、この頃〈『どうする家康』はダメだったけど『光る君へ』は面白い〉、みたいな記事が出ていて、いくつか読みましたが、ドラマの作風と記事を書いた本人との相性の問題なだけでは?と言う印象を受けました。あとは載せてる媒体の購買層や愛読者がそう思ってるに違いないという前提で書かれてるものだったりするので、非常に当てになりません。
 そもそも、「前作を貶してハードルを下げ、ヨイショして高下駄履かせてやらなければいけないような作品なのか」と受け取られかねないので、こういうキャンペーンの仕方はよろしくない。『どうする家康』ファンを敵に回すぞ。現に我が家だけで3人敵に回してます(笑)。

 私と『光る君へ』はどうしても作風が合わないようです。作劇も若干粗い気がしますが、そこは個人の感想と言うか誤差の範囲内かも知れません。

 はあ……楽しみが一つ減ってしまった。

 

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