炎症性腸疾患関連記事まとめ 

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大腸と小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)といい、狭義にはクローン病と潰瘍性大腸炎に分類される。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患である。特徴的な症状としては、血便を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛である。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がる。

クローン病は主として若年者にみられ、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こりうるが、小腸と大腸を中心として特に小腸末端部が好発部位である。非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)を特徴とする。それらの病変により腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じる([1][2])。

05月19日は世界IBDの日(World IBD Day)であるが、この世界的なキャンペーンは世界50ヵ国以上の患者団体が主導し、IBDについて社会的な理解を深めるために2012年から毎年催されている。

この世界IBDの日のキャンペーンでは、 IBD患者の日々の闘いを多くの方に知っていただくため、世界中の有名なランドマークが紫色にライトアップされる([3])。

世界IBDの日にちなみ、IBDに関する正確な情報を提供する文献・サイトを以下に紹介する。


l  一般財団法人 日本消化器病学会.“Q1〜Q3”.日本消化器病学会 ガイドライン トップページ.患者さんとご家族のためのガイド.炎症性腸疾患(IBD)ガイドQ&A .https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibd.html,(参照2022年05月14日).

IBD患者にとっての基本的かつ有益な情報が多数掲載されているので、必読である。


l  国立研究開発法人 国立成育医療研究センター.“小児炎症性腸疾患(IBD)センター”.国立成育医療研究センター トップページ.患者・ご家族の方へ.病院の紹介.各診療部門の紹介.https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/ibd/index.html,(参照2022年05月14日).

IBD患児やその家族向けのサイトで、IBDセンターを紹介している。

 

l  MSD株式会社.“炎症性腸疾患(IBD)の概要”.MSDマニュアル 家庭版 ホームページ.03. 消化器の病気.炎症性腸疾患(IBD).https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/03-%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%82%8E%E7%97%87%E6%80%A7%E8%85%B8%E7%96%BE%E6%82%A3-ibd/%E7%82%8E%E7%97%87%E6%80%A7%E8%85%B8%E7%96%BE%E6%82%A3-ibd-%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81,(参照2022年05月14日).

IBDの基礎知識が記載されている。当該記事のリンク先には、潰瘍性大腸炎とクローン病の基礎知識が記載されている。

 

l  武田薬品工業株式会社.“IBDステーション 潰瘍性大腸炎、クローン病と共に歩む ホームページ”.https://www.ibdstation.jp/,(参照2022年05月14日).

l  ファイザー株式会社.“UC Tomorrow 潰瘍性大腸炎についてもっと話そう トップページ”.https://www.uctomorrow.jp/,(参照2022年05月14日).

l  ヤンセンファーマ株式会社.“IBD LIFE ホームページ”.https://www.ibd-life.jp/,(参照2022年05月14日).

いずれのサイトも、IBD患者にとっての有益な情報が多数掲載されている。

 

l  田辺三菱製薬株式会社.“知っトクカフェ ホームページ”.https://www.remicare.jp/,(参照2022年05月14日).

IBD患者にとっての有益な情報が多数掲載されている。また、「就労の悩み」について詳しく記載されている。

 

l  特殊法人 日本放送協会(NHK)教育テレビジョン.チョイス@病気になったとき.急増!潰瘍性大腸炎.2022年05月14日,45分.

潰瘍性大腸炎の基礎知識と治療薬が紹介されている。IBD、特に潰瘍性大腸炎の治療薬の進歩を痛感させられた([4][5])。

また、特定疾患医療費助成制度に関して言及されている。


l  久松理一 監修.ウルトラ図解 潰瘍性大腸炎・クローン病:正しい寛解導入・維持でQOLを向上させる.第1刷,株式会社 法研,2021年12月28日,160 p,(オールカラー家庭の医学).

本著は潰瘍性大腸炎とクローン病に関して、それらの特徴、検査と診断、治療法、食事療法、ならびに、日常生活の送り方に関して簡潔に記載している。

本著から、これらの疾患は診断、特に鑑別診断に時間を要することがよく分かった。

これらの疾患に対する優れた治療薬の登場は驚嘆に値する。

これらの疾患の患者は食事に気を使わざるを得ないこともよく分かった。実際、超加工食品は糖分、塩分、および、脂肪を多く含むので、こうした栄養素をとりすぎてしまうわけだし。

これらの疾患は「長く付き合う病気」があること、そして、そのためには忍耐が必要であることを思い知らされた。

 

l  国立大学法人 京都大学医学部附属病院.“診療科:消化器内科”.京都大学医学部附属病院 ホームページ.診療科等一覧.https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/department/departments/gastroenterology-hepatology.html,(参照2022年05月14日).

京都大学医学部附属病院における消化器疾患の全てに対応し、食道、胃、腸、肝臓、胆道、膵臓といった幅広い領域をカバーする。IBDや非アルコール性脂肪肝炎などから消化器がんに至るまで、各分野の専門家と若手医師がタッグを組んで、高レベルのチーム医療を展開している(図01,02)。

図01.消化器内科 内視鏡部の紹介。
2017年10月28日、京大病院オープンホスピタル2017にて撮影。
図02.成分栄養剤 エレンタール® 配合内用剤。
2017年10月28日、京大病院オープンホスピタル2017にて撮影。
潰瘍性大腸炎の活動期と異なり、クローン病では、栄養管理が寛解導入療法の選択肢の1つとなっている([6],[7])。

とりあえずIBDに関して纏めたが、本記事が読者の皆様のお役に立つのなら、有難い。



参考文献

[1] 公益財団法人 難病医学研究財団.“潰瘍性大腸炎(指定難病97)”.難病情報センター ホームページ.病気の解説(一般利用者向け).2022年3月.https://www.nanbyou.or.jp/entry/62,(参照2022年05月14日).

[2] 公益財団法人 難病医学研究財団.“クローン病(指定難病96)”.難病情報センター ホームページ.病気の解説(一般利用者向け).2022年3月.https://www.nanbyou.or.jp/entry/81,(参照2022年05月14日).

[3] ファイザー株式会社.“World IBD Dayのご紹介”.UC Tomorrow 潰瘍性大腸炎についてもっと話そう トップページ.生活を豊かにする.https://www.uctomorrow.jp/life/ibd.html,(参照2022年05月14日).

[4] 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター.“クローン病”.国立成育医療研究センター トップページ.患者・ご家族の方へ.病気に関する情報.小児炎症性腸疾患(IBD).https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/ibd/cd.html,(参照2022年05月14日).

[5] 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター.“潰瘍性大腸炎”.国立成育医療研究センター トップページ.患者・ご家族の方へ.病気に関する情報.小児炎症性腸疾患(IBD).https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/ibd/uc.html,(参照2022年05月14日).

[6] EAファーマ株式会社.“クローン病患者さんのための栄養療法ってなんだろう?”.EAファーマ株式会社 患者さま・ご家族の皆さま トップページ.病気や治療の情報.エレンタール®配合内用剤.https://www.eapharma.co.jp/patient/treatment/elental/whats_nutritional-advice/movie.html,(参照2022年05月14日).

[7] ニュートリー株式会社.“第10章 10-13:炎症性腸疾患”.ニュートリー トップページ.医療従事者お役立ち情報.キーワードでわかる臨床栄養.https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch10-13/,(参照2022年05月14日).

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