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09.SDGsカードゲームで持続可能な未来を創造!:「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」見聞録09

2024年06月29日、私は「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」(以下同イベント)に一般客として参加した([1])。


持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)の後継として、2015年09月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいる([2])。


「SDGsカードゲームで持続可能な未来を創造!」で、全学教育推進機構とOU-SDGsプログラムは、SDGsカードゲームを参加者に提供した。参加者281名は、このSDGsクイズに回答し、「SDGsのためにわたしができること」について、「給食を残さず食べる」、「学校で勉強する」、「水筒を持って行く」、「みんなのことを考えながら暮らす」など、多くの「今日からできること」を文章や絵で表現した。私も「とりあえず、無駄な買い物はしない。」と書いた。(図09.01,図09.02,[3])。

図09.01.「SDGsカードゲームで持続可能な未来を創造!」。
(a)全体。
(b)「とりあえず、無駄な買い物はしない。」:私が書いた。
図09.02.「SDGsのためにわたしができること」。


OU-SDGsプログラムは、複雑化する社会課題の解決に貢献し、「いのちを大切にし、一人ひとりが輝く未来社会」の実現に資する人材を育成する学部教育プログラムである([4])。


SDGsにむけて持続可能な仕組み作りが注目される。

日本では、伊勢神宮は、1300年にわたり神殿を造りかえる式年遷宮を20年ごとに行っており、これは世界でも例を見ない持続可能な活動である。

伊勢神宮の在り方と式年遷宮を分析することで、持続可能な仕組み作りへ、以下に示したような興味深い示唆が複数得られた。①組織が社会と軸を一つにする価値を提示する、②その価値に共鳴する担い手をつくる、③その価値を継続的に社会に発信し続ける、④拡大ではなく継続を目指す、⑤変えてはいけない本質とそれを守るために時代に応じて変えるべきことを明確に分ける、⑥やたらに時代にあった合理的な理由を考えず、実行する、⑦ステークホルダーを平等に扱う、などである([5])。


近畿大学水産研究所は、ニホンウナギの種苗生産研究に取り組んでおり、2023年07月06日、人工種苗から養成した親魚より仔魚を得ることに成功し、完全養殖を達成した。2023年10月26日時点で、仔魚の飼育期間は112日となっている。

ウナギの完全養殖については、2010年に国立研究開発法人水産研究・教育機構(以下 水産機構、当時 独立行政法人水産総合研究センター)が成功しているが、大学としては初の成果となる。

まずは養殖用種苗として利用可能になるシラスウナギ(稚魚)までの育成を第一目標としている。今後、仔魚用飼料の改良に取り組むなどして、育成技術の安定化に向けた研究を続けている([6])。

「ウナギの完全養殖は必ずしも「この先ウナギが安くなりますよ」というわけではなく、持続的にウナギを利用できる、そういう未来をつくる「SDGsの精神」。これがウナギの完全養殖の主な意義です」と田中秀樹 近畿大学 水産研究所 教授は述べた([7])。


私は以下のSDGsに関する記事を執筆したが、全学教育推進機構とOU-SDGsプログラムのおかげで、改めてSDGsの復習ができたことについて感謝している。



参考文献

[1] 国立大学法人 大阪大学 共創機構.“大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』”.大阪大学 共創機構 ホームページ.NEWS&TOPICS.2024年06月07日.https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/news/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%B1%E5%89%B5dayexpocity-2024%E3%80%8E%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%82%81%E3%81%8F%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%81%E3%81%8F%E6%9C%AA%E6%9D%A5/,(参照2024年07月08日).

[2] 外務省.“SDGsとは?”.JAPAN SDGs Action Platform ホームページ.https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html,(参照2024年07月08日).

[3] 国立大学法人 大阪大学 OU-SDGsプログラム.“【報告】 大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』に出展しました”.大阪大学 OU-SDGsプログラム ホームページ.Information.2024年07月04日.https://ou-sdgs.celas.osaka-u.ac.jp/news/573/,(参照2024年07月08日).

[4] 国立大学法人 大阪大学 OU-SDGsプログラム.“概要”.大阪大学 OU-SDGsプログラム ホームページ.OU-SDGsプログラムとは.https://ou-sdgs.celas.osaka-u.ac.jp/about/,(参照2024年07月08日).

[5] 株式会社 大和総研.“伊勢神宮の式年遷宮「常若」から学ぶ和のサステナビリティ<訂正版>~持続可能な開発目標(SDGs)達成にむけて~”.大和総研 トップページ.レポート・コラム.金融資本市場分析.ESG投資/SDGs.2016年06月24日.https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/esg/20160624_011010.html,(参照2024年07月08日).

[6] ソーシャルワイヤー株式会社.“ニホンウナギの完全養殖に大学として初めて成功 養殖用種苗(稚魚)としての実用化をめざし、今後さらに研究を継続”.NEWSCAST ホームページ.調査.学校法人 近畿大学.2023年10月26日.https://newscast.jp/news/6313733,(参照2024年07月09日).

[7] 公益財団法人 日本財団.“新たな近大ブランド!?近畿大学がニホンウナギの完全養殖成功発表”.海と日本プロジェクトin大阪 トップページ.レポート.2023年12月25日.https://osaka.uminohi.jp/report/20231225_1/,(参照2024年07月09日).

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