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「次世代スマート ホスピタル202X 治療」 富士フイルム編:日本医学会総会2023東京 博覧会 次世代スマート ホスピタル202X 02-02

2023年04月22日、私は東京国際フォーラムを訪れ、一般客として、日本医学会総会 2023 東京 博覧会(以下2023博覧会)に参加した([1])。

 「次世代スマート ホスピタル202X」は人生100年時代における次世代のスマート ホスピタルの姿を紹介するものである(1)。

スマート ホスピタルの解説は既に、「展示物から「次世代スマート ホスピタル202X 診察」を振り返る:日本医学会総会2023東京 博覧会 次世代スマート ホスピタル202X 01」で実施済みである。

本記事では、「次世代スマート ホスピタル202X 治療」における富士フイルム株式会社(以下同社)の展示物を紹介する。

同社は内視鏡システム「LASEREO 7000システム+BL-7000」(図02-02.01,[2])と内視鏡治療(図02-02.02,[3][4])を紹介した。

図02-02.01.LASEREO+BL-7000。 
図02-02.02.内視鏡の治療。
内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection:EMR)と内視鏡的粘膜下層はく離術(Endoscopic submucosal dissection:ESD)が紹介された。

また、同社は企業ブースで、携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair」を展示した(図02-02.03,[5])。

この装置は在宅医療の撮影ニーズに応える軽量ポータブルX線装置で、様々な室内での医療現場での運用が期待される。

図02-02.03.CALNEO Xair。

超音波ゼリー「F JELLY PLUS」([6])、「薬用ハンドジェル HA」([7])、および、「Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)アルコール クロス(アルコール60%)」([8])を展示した(図02-02.04)。

F JELLY PLUSでは、銀系抗菌剤を配合することで、菌接触30分後には菌の99.99%以上が減少する。それゆえ、プローブやゼリー ボトルを介した感染リスクの低減が期待される。

同社が創業以来作ってきた写真のフィルムには、ハロゲン化銀が使われていた。Hydro Ag+は同社が長年の銀の研究で培った独自技術を生かして、これまでにない持続除菌を実現したものである。元々は医療や介護の現場のために開発されたものである。拭いた後はアルコールが除菌し、乾燥後も銀の成分で抗菌コートする。それゆえ、高い抗菌効果が長時間持続する。抗菌コートは水となじむ超親水性で、油・タンパク質汚れがつきにくくなる効果もある。

薬用ハンドジェル HAは、Hydro Ag+技術を応用した医療関係者向けのハンド ジェルである。

図02-02.04.奥から、F JELLY PLUS ミドル、薬用ハンドジェル HA、および、Hydro Ag+ アルコール クロス(アルコール60%)(試供品)。

ワイヤレス超音波画像診断装置「iViz air」を展示した(図02-02.05,[9])。この装置はエコーで体内を可視化することで、問診や触診だけでは判断しにくいことも、より的確により迅速に診察できる。

胆のう、膀胱、腎臓、および、直腸等の腹部を可視化したい場合は、iViz air コンベックスが使用される。一方、運動器や穿刺が難しい血管等の表在部位を可視化したい場合は、iViz air リニアが使用される。

図02-02.05.iViz air。

そして、読影ビューワ「SYNAPSE SAI viewer」を展示した(図02-02.06,[10])。この読影ビューワは、CT画像からの臓器自動抽出など、Deep Learning技術を設計に用い画像診断ワークフローを支援するものである。

図02-02.06.SYNAPSE SAI viewer。

私は同社の展示物から、同社の最新鋭技術を知ることができた。

なお、2023年05月16日、私はかかりつけの診療所の本院で、上部消化管内視鏡検査を受けた。胃全体はきれいだったが、炎症部位が2カ所見つかり、生検のために摘出された。なお、この時使用された上部消化管経鼻式内視鏡は同社製であった。

2023年05月27日、かかりつけの診療所で、上記の結果が「異状なし」であることを知った。

その意味では、私は同社に深謝している。



参考文献

[1] 第31回日本医学会総会2023東京 展示事務局.“第31回日本医学会総会 博覧会 ホームページ”.https://tsunagu-iryo.jp/minna-expo/,(参照2023年06月02日).

[2] 富士フイルム株式会社.“主な仕様”.富士フイルム[日本] ホームページ.医療関係の皆さま.内視鏡システム.内視鏡システム(本体・プロセッサー).LASEREO 7000システム.https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/endoscopy/endoscopy-processors/lasereo/specifications,(参照2023年05月31日).

[3] 国立研究開発法人 国立がん研究センター.“内視鏡治療”.がん情報サービス ホームページ.診断と治療.2021年07月01日.https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/endoscopy.html,(参照2023年05月31日).

[4] 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会.“検査と治療について”.日本消化器内視鏡学会 トップページ.市民のみなさま.https://www.jges.net/citizen/check-cure,(参照2023年05月31日).

[5] 富士フイルム株式会社.“携帯型X線撮影装置 CALNEO Xair”.富士フイルム[日本] ホームページ.医療関係の皆さま.X線画像診断システム.小型X線撮影装置.https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/x-ray/digital-xray-imaging-small/calneo-xair,(参照2023年05月31日).

[6] 富士フイルム株式会社.“F JELLY PLUS”.富士フイルム[日本] ホームページ.医療関係の皆さま.超音波診断装置.超音波診断装置 関連製品.https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/ultrasound/accessories/f-jelly-plus,(参照2023年05月31日).

[7] 富士フイルム株式会社.“薬用ハンドジェル HA”.富士フイルム[日本] ホームページ.医療関係の皆さま.薬局・健康支援.抗菌用品.https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/pharmacy-and-health-support/antibacterial/hand-gel-ha,(参照2023年06月01日).

[8] 富士フイルム株式会社.“Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)”.富士フイルム[日本] ホームページ.個人のお客さま.https://www.fujifilm.com/jp/ja/consumer/antibacterial,(参照2023年06月01日).

[9] 富士フイルム株式会社.“ワイヤレス超音波画像診断装置 iViz air”.富士フイルム[日本] ホームページ.医療関係の皆さま.超音波診断装置.https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/ultrasound/iviz-air,(参照2023年06月01日).

[10] 富士フイルム株式会社.“SYNAPSE SAI viewer”.富士フイルム[日本] ホームページ.医療関係の皆さま.ヘルスケアITソリューション.画像診断ソリューション.https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/healthcare-it/it-imaging/sai-viewer,参照2023年06月01日).

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