震災の日に思うこと

その日は、3月の誕生会で幼稚園に招待されていた。当時の私は企業に勤務していたので、時間休暇を取得するかどうか迷っていた。当時の上司は厳しくて有名な上司で子供の誕生日の為の休暇なんて3月の忙しい時期に取得するなど言える状況ではなかった。

何とか承諾を得て休暇を取得できた。午前中に終了するために、その後は仕事に戻ろうとしたのだが。子供から「頼むから今日はいてほしい」と懇願された。普段はシッターさんが送迎を担当していたが、文句を一言も言わなかったのに、どうしたのか?と思ったが、仕事をするのはやめて自宅に向かうことにした。

普段一緒にいることができない、子供と私は嬉しくて、たこ焼き屋さんの前で、たこ焼きが焼けるのをじっと見つめ待っていた。その時に地震は起きたのである。あまりにも異常な地震で、たこ焼き屋さんは「店を閉じる」と言ったので私たちも自宅に戻ることにした。

その時に大きく揺れて電柱が倒れてきそうになった。その時の光景を覚えているが「私達は地震で死ぬかもしれない。」と思い、子供をかばって地震が止まって途端に走り近くの公園で待つことにした。

尋常ではない揺れに耐えられない近所の方が公園に集まり情報収集し始めた。「東北で大地震があったらしい」

自宅に戻り職場に電話かけた。食器棚からは沢山の食器が飛び出して割れていた。それを見て初めて無事で良かったと安堵した。

戦争で死を覚悟するということは、こういうことなのかと思った。今まで家族と一緒にいて死を悟る経験は、この経験しかない。この時から、大地震が起きる危機管理が日常になったと思う。死は想像以上に身近なものであることを認識した。

震災で大変な暮らしをされている方が、一日も早く日常に戻れると良いと思っています。



まだノートを始めたばかりですが、サポートしていただけると幸いです。💛教室のイベント、教育サロンで大切に活用させていただきます。